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沈黙のファイル の商品レビュー

3.7

23件のお客様レビュー

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旧帝国軍の幕僚だった…

旧帝国軍の幕僚だった瀬島氏の人生を追い、戦後日本のフィクサーとしての歩みと政治・経済に、この人物がどう係わって来たかの一端を教えてくれる。

文庫OFF

2023/09/11

瀬島龍三だけにフォーカスされておらず、周辺のストーリーも含めて綿密に調べられており、興味深かった。戦後賠償ビジネスは、そりゃあきちんと賠償がなされていないという声も出るカラクリで、当時の商社やフィクサーの収益の実態がよくわかった。

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2020/11/29

瀬島龍三と有るが、それは結局副題。 唐突に731部隊が出てきて驚く。 あくまで主題は「沈黙のファイル」なのだろう。 様々なエピソードが混在しているが、この手の本なのでスタンスは一貫している。 瀬島龍三の事を書いた普通の本だと思っていたので初めは面食らったが、そういう本だと思って読...

瀬島龍三と有るが、それは結局副題。 唐突に731部隊が出てきて驚く。 あくまで主題は「沈黙のファイル」なのだろう。 様々なエピソードが混在しているが、この手の本なのでスタンスは一貫している。 瀬島龍三の事を書いた普通の本だと思っていたので初めは面食らったが、そういう本だと思って読むと楽しめた。 関東軍の降伏交渉に立ち会ったロシア人のインタビューなど他にないものもある。

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2019/04/27

山崎豊子の「不毛地帯」を読み終えた後、壱岐正のモデルである瀬島龍三について書いた本があるんだと見つけて買ったものの、そのまま積読になっていた本。 今、改めて読むと、戦時中のことやシベリアのことよりも、韓国の戦後賠償ビジネスのくだりが気になりますね。日本では賠償したつもりになってい...

山崎豊子の「不毛地帯」を読み終えた後、壱岐正のモデルである瀬島龍三について書いた本があるんだと見つけて買ったものの、そのまま積読になっていた本。 今、改めて読むと、戦時中のことやシベリアのことよりも、韓国の戦後賠償ビジネスのくだりが気になりますね。日本では賠償したつもりになっていても、ずっと賠償しろって言い続けられる諸悪の根源がここにあったんだと再認識させられた。 とはいえ、自分が所属する組織には忠実だし、その利益を最大化させるんだよな。この人。

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2019/04/06

戦後賠償のからくり◆参謀本部作戦課◆天皇の軍隊◆スターリンの虜囚たち◆よみがえる参謀たち◆インタビュー:崔英沢、井本熊男、イワン・コワレンコ 著者:共同通信社社会部 解説:船戸与一(1944-2015、下関市、小説家)

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2019/04/03

共同通信社会部 再読です。 最初に読んだのはかれこれ20年も前でしょうか。 山崎豊子の作品に2回も出てます。 不毛地帯では主役の壱岐、沈まぬ太陽ではうーーんと役名忘れたけど中曽根さんのブレーンで。(中曽根さんちゃうけど) そして、ふと観た深夜番組で鶴瓶と喋ってた。 何なんだ...

共同通信社会部 再読です。 最初に読んだのはかれこれ20年も前でしょうか。 山崎豊子の作品に2回も出てます。 不毛地帯では主役の壱岐、沈まぬ太陽ではうーーんと役名忘れたけど中曽根さんのブレーンで。(中曽根さんちゃうけど) そして、ふと観た深夜番組で鶴瓶と喋ってた。 何なんだ、この人は!!と、手に取って読んだ本。 当時もへぇと思いながら読んだ記憶あり。 それから何年も経て再読したきっかけはデビ夫人(笑 テレビでデビ夫人がスカルノに嫁いだいきさつとかやってて、「そういや、瀬島の本に書いてたよなぁ」とまた、引っ張り出して読んだのです。 当時よりは近代日本史を理解してるワタクシ(何で今頃、、笑) この本は副題ほど瀬島がメインてわけではなく、その周囲に就いて良く調べ上げて書いています。 最後のインタビューがやたら長かった。 再読して感じたのは、やっぱりこの人、何者だったんだろうってこと。 もちろん、いい人、悪い人って単純に人を区分けすることなんてできないけれどもこの人たちが立てた作戦で何百万て人が死んでるのに。 この戦争に就いてはどう、思ってるんだろう? それでもシベリアで苦労して帰ってきて商社マンとして活躍し、政界のブレーンにまでなる。ブレーンってとこがミソですよね、表には出ない、脇役。 脇役だけど主役。 みたいな感じ。 そして、やっぱりもやもや(笑 特定の人物の批評って難しいですよね。 そう、悪名高い服部、辻ラインも立場違えば「温厚な人だった」ってくくられますから。

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2019/01/07

新聞に載せるよう書かれた記事であるからか 評伝としてはあまりに一面的過ぎるが 「瀬島龍三」という人物が辿った経緯の魅力もあって 歴史資料としては楽しい

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2017/05/07

大日本帝国陸軍参謀にして、東京裁判の敵国ソ連側証人、シベリア拘留、民間の伊藤忠、政財界や宮家に対するインフルエンサー…。 何回人生を歩んだと思わせる様な様々な経歴の数々。 たいへん興味深く読みました。

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2017/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1999年(底本1996年)刊。  瀬島龍三。陸大軍刀組で、餓島戦を指揮した大本営参謀。終戦時の満州からシベリア抑留。戦後は伊藤忠商事で辣腕を振るい(韓国他アジア諸国への戦後賠償ビジネスや防衛庁装備の輸入ビジネス)、中曽根内閣誕生の片棒を担いだとされる。  本書は小説「不毛地帯」(山崎豊子著)の虚妄(勿論、小説への虚偽・創作の挿入は基本的には無問題)から粉飾を除き、瀬島の実像を暴く。  ただ、辻正信の道程、731部隊、国内で戦後暗躍する米ソスパイと元軍人の協力・服従者等、瀬島とは直接関係のなさげな叙述も多い。  この脱線部分の内容は、間違いなく面白いのだが、瀬島評伝としてはやや散漫である。また、瀬島が戦後なぜ政財界で重宝されてきたのかも、その触りが判るに止まる。  とはいえ、瀬島らの証言を、他の軍人(参謀を含む)の証言(しかも、ソ連史料との照合・その一致如何まで検討)やその他の史料を通じて、潰していくのはなかなか読みごたえはある。  一方、韓国やインドネシアへの戦後賠償が、どのような経緯を経て、誰を潤したのかという点はほとんど表に出てこない事情だ。かかる戦後の日韓関係等の裏面解読には本書は意義深いかもしれない。  なお、イワン・コワレンコが述べる、ソ連側のシベリア抑留観、中立条約違反の弁解は凄まじい。開いた口が塞がらないばかりか、ここまで自己肯定の言説を臆面もなく採れるんだ、と。

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2014/11/25

瀬島龍三を通して戦中戦後の日本の裏側をあぶり出す共同通信渾身のノンフィクション。 シベリアで苦労をした(将校として一般兵よりは楽だったらしいけど)人をとやかく言う気は無いのだが、韓国/インドネシアの戦後賠償にたかり日韓の政治家に賄賂を送る姿は、戦後賠償を経済成長の糧とした戦後日本...

瀬島龍三を通して戦中戦後の日本の裏側をあぶり出す共同通信渾身のノンフィクション。 シベリアで苦労をした(将校として一般兵よりは楽だったらしいけど)人をとやかく言う気は無いのだが、韓国/インドネシアの戦後賠償にたかり日韓の政治家に賄賂を送る姿は、戦後賠償を経済成長の糧とした戦後日本の政治と合わせて国家の恥であるという感想は持たざるを得ない。 なお瀬島龍三の下で働いていた方が一億円の入ったアタッシュケースを持って中曽根康弘との約束の場所に行ってみたら、読売新聞の記者(渡邊という名前)が来て代理で受け取っていったというのは酒の席で聞いた笑い話。

Posted byブクログ