からくりからくさ の商品レビュー
壮大な話だった。 いや、出てくる場所は世離れした一軒やと、そこに住む女性4人ばかりなのですが、しかし、その落ち着いた登場人物と設定と、そしてその文章にもかかわらず、とても大きな、壮大な話であった。古い祖母の家を下宿として住む蓉子。そしてその同居人、紀久、与希子、マーガレット、そし...
壮大な話だった。 いや、出てくる場所は世離れした一軒やと、そこに住む女性4人ばかりなのですが、しかし、その落ち着いた登場人物と設定と、そしてその文章にもかかわらず、とても大きな、壮大な話であった。古い祖母の家を下宿として住む蓉子。そしてその同居人、紀久、与希子、マーガレット、そして蓉子の人形りかさん。 彼女たちは機を織ったり、染色をしたり、そんなことを学ぶ人々。 草花と共存し、とても穏やかに生きている。そんな中に、紀久、与希子、の先祖とりかさんの話、神崎君と武田君のかかわり、なんてことがおきながら、落ち着きながらも波乱がありつつ、なんだか深いところで波が立つ。クルド人の問題やら、過去の複雑な人間関係やら、そんなものから、人間の生き方やら、ふかーいところが語られたりする。とにかく、こう、ふかく、落ち着いたところで、なんだかゆさぶられる。落ち着いているのに、遅い時間がながれているのに、なんだか惹かれる。とても日本的な感じがする。良かった。 知らないような草花がいっぱい出てくる。梨木さんらしく、スローライフ感たっぷりなのです。
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「西の魔女が死んだ」以来の梨木さんです。何かが壮大な機を折り続けているように続く日常の物語。やや冗長で読みにくい部分もあったけど、庭に茂る草花や不思議な人形、染め織りの話は読んでいて心地が良かったです。
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同じ作者の児童書「りかさん」とリンクしていますが、こちらはかなり大人向け。成長した蓉子(=ようこ)は亡くなった祖母の家で下宿屋を始めます。もちろん人形のりかさんも一緒です。ここに集まった4人の同年代の娘達…。全く偶然に集まったかに見える彼女たちですが、絡み合った見えない糸が…。染...
同じ作者の児童書「りかさん」とリンクしていますが、こちらはかなり大人向け。成長した蓉子(=ようこ)は亡くなった祖母の家で下宿屋を始めます。もちろん人形のりかさんも一緒です。ここに集まった4人の同年代の娘達…。全く偶然に集まったかに見える彼女たちですが、絡み合った見えない糸が…。染色、織物、図案、紋様。人形の着物の図案に込められたメッセージ「よき(斧)・琴・菊」とは… ラストシーンの赤い炎の情景が印象的です。
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ちょっと変わった話で、4人の手仕事に関わる女性達と、その背後にある一人一人の物語が集結していく様が面白かった。
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りかさんにでてくるようこちゃんが大きくなって登場。初めて読んだとき、夜中にいっきに読んだせいか、なんだかすべてがつながっていくかんじに恐怖を感じだけれど今は大好きな本です。やはりいろいろ学んだ。
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