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からくりからくさ の商品レビュー

3.7

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2010/02/01

丁寧な手仕事をして、季節に囲まれて生きると言うライフスタイルに憧れる。 けれど、憧れるのは、ある意味ないものねだりというか…。私には一生縁のない暮らし方なのだろうなと思うから、愛しいのかもしれない。 梨木さんの本を読んでいると、"縁"といものの存在を信じたくな...

丁寧な手仕事をして、季節に囲まれて生きると言うライフスタイルに憧れる。 けれど、憧れるのは、ある意味ないものねだりというか…。私には一生縁のない暮らし方なのだろうなと思うから、愛しいのかもしれない。 梨木さんの本を読んでいると、"縁"といものの存在を信じたくなる。

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2009/12/21

きわめて繊細で叙情的、梨木さんの作品の世界はどこか隔絶されているようで、けれど確かに日常へ帰結する。うつくしくて綺麗。 クルド人のくだりが印象深い。

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2009/10/17

草木染、織り、鍼灸を生活の中心におく4人の女性と1人の市松人形の共同生活。 物語の背景にずっとりかさんの存在を感じた。 「りかさん」では蓉子と交流していたりかさんは、「からくりからくさ」では話すこともお人形らしくなさを発揮することもなかったけれど、とても生き生きしていた。 ち...

草木染、織り、鍼灸を生活の中心におく4人の女性と1人の市松人形の共同生活。 物語の背景にずっとりかさんの存在を感じた。 「りかさん」では蓉子と交流していたりかさんは、「からくりからくさ」では話すこともお人形らしくなさを発揮することもなかったけれど、とても生き生きしていた。 ちょっとした謎解きもあり、4人の生活はとても素敵だった。 とても素敵な関係。 相手のことを気遣いながら、自分の考えも曲げない。 マーガレットのような自己主張の強い人もすっと受け入れられる。 馴れ合わない優しい雰囲気。 とても落ち着いた、しっとりとした関係で、とても素敵だと思った。 紀久さんのような、芯がしっかりしていて、人のことを気遣える人。紀久さんのような人にとてもあこがれます。

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2010/03/15

2009.09.24. 2007.04.12. 私は生涯、この本を何度読むんだろう。気がついたら、容子さんたちと同じ年になってた。★5つ 2006.01.11. 何度目の再読か。4人の女性のルーツがじょじょに縺れ合い絡み合う、ある意味とても怖い物語。みんな自分と年が変わらない...

2009.09.24. 2007.04.12. 私は生涯、この本を何度読むんだろう。気がついたら、容子さんたちと同じ年になってた。★5つ 2006.01.11. 何度目の再読か。4人の女性のルーツがじょじょに縺れ合い絡み合う、ある意味とても怖い物語。みんな自分と年が変わらないのに、確固とした自分を持っていて驚く。★5つ 2005.11.15. やっぱり何度読んでもおもしろいものはおもしろい!私も蓉子たちと同じ年になったんだなぁ。みんな、すごくすごくしっかりしてる。今回は、読んでて怖くなったりもした。自分のルーツがなんなのかって、興味はあるけど、逆に知ってしまったら怖いかもしれない。

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2009/10/07

「りかさん」から10年後くらいかな? 物語を紡ぐように、織るようにして出来た作品。 読み終わったあとは、ほうっと息を吐いた。一気読みしてしまったから。 疲れたけども、またひとつ宝物を得た気持ち。 人であること、女であること、生きていくこと、誰かに、何かにつなぐこと。 とても密度の...

「りかさん」から10年後くらいかな? 物語を紡ぐように、織るようにして出来た作品。 読み終わったあとは、ほうっと息を吐いた。一気読みしてしまったから。 疲れたけども、またひとつ宝物を得た気持ち。 人であること、女であること、生きていくこと、誰かに、何かにつなぐこと。 とても密度の濃い物語。 「りかさん」が児童文学だったので、続けて手に取られることはあるんだろうか?と 些末なことだけど気になった。だって、勿体ないもの。

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2009/10/04

同著者の『りかさん』の続編的な作品。しかし単品でも十分楽しめます。 私はこの作品から遡って、『りかさん』にたどり着きました。 大人になった「ようこちゃん」こと、容子が主人公の1人です。 児童書だった『りかさん』と比べると、主人公の年齢だけでなく、内容的にも対象年齢が(かなり)上...

同著者の『りかさん』の続編的な作品。しかし単品でも十分楽しめます。 私はこの作品から遡って、『りかさん』にたどり着きました。 大人になった「ようこちゃん」こと、容子が主人公の1人です。 児童書だった『りかさん』と比べると、主人公の年齢だけでなく、内容的にも対象年齢が(かなり)上。 何気ない日常を送りながらも、知らず知らずに背負ってしまっていた業とか、何代も前から続く因縁、宿縁とかを突きつけられるような話でした。 人の業とは恐ろしい、しかしそれでも人間は面白い。 『りかさん』で出てきた、アビゲイル人形から引き継がれた使命が結実することにも注目です。 『りかさん』とあわせて読むと面白さ2倍!(かも)

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2009/10/07

随分昔に読んだのでエンディングの美しさだけ心に残っていたのですが、 今回読み返してみて改めて前回は何も考えずに読んでいなかったんだなぁと思いました。 怨とか縁とか、概念でしか理解できなかったことを膚で感じ取れるようになったのかも知れない。(良かったのか悪かったのか) 無垢...

随分昔に読んだのでエンディングの美しさだけ心に残っていたのですが、 今回読み返してみて改めて前回は何も考えずに読んでいなかったんだなぁと思いました。 怨とか縁とか、概念でしか理解できなかったことを膚で感じ取れるようになったのかも知れない。(良かったのか悪かったのか) 無垢な魂には自然と女性の豊かさを伝え、業を抱えた人には許しと昇華を与える物語。 手仕事同様に受け継がれて欲しい魂の形が文章化されたように感じます また数年経って読み返したら新たな感慨を得ることが出来る気がする。 それにしても与希子さん、紀久さんの名前の意味もようやくわかったよ!(遅い) 水底で眠る人形と空を翔る人形。 ふたつが合わさって龍女となり、ひとつになることが供養なんだなぁ。

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2009/10/07

私も子どもの頃、機織という作業に憧れていた記憶があります。(おもちゃの織機が欲しくてたまらなかった) この作業は非常に女性的なイメージがありますよね。

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2009/10/04

2007/12/05 梨木さんて読書スキーには評価が高めな印象があるのだけど、以前読んだ「裏庭」があまり好みでなかったのでちょっと敬遠していた。 けれど、これは非常に面白かった。 染色と機織を学ぶ東洋の女性たちと、自律を尊ぶ西洋の女性が古い日本家屋で共同生活を営み、ひとつの作品を...

2007/12/05 梨木さんて読書スキーには評価が高めな印象があるのだけど、以前読んだ「裏庭」があまり好みでなかったのでちょっと敬遠していた。 けれど、これは非常に面白かった。 染色と機織を学ぶ東洋の女性たちと、自律を尊ぶ西洋の女性が古い日本家屋で共同生活を営み、ひとつの作品を作り上げる。それが物語の縦糸。彼女たちは「りかさん」という古い日本人形とキリムという伝統織物で何がしかのつながりがある。その繋がりが物語りのなかで明らかにされていく経緯が横糸。言葉が紡がれ、行が綴られ、この小説そのものが織物のよう。非常に優れた構成力だと思う(その分、少々複雑だけれども)。 どうやったら、こんな小説が書けるんだろう。こういう小説を面白く仕上げる、作者の思考経路が不思議でならない。主人公たちの考え方や性格が丁寧に描かれていて、緑深い庭と磨きこまれた柱や廊下を持つ古い日本家屋で一緒に生活しているような気分になった。

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2009/10/04

祖母が遺した古い家で共同生活をはじめた織と縁のある4人の女性と市松人形のりかさんが、唯一無二の作品を求めてそれぞれに成長して行く物語・・・って言う説明で正しいのかどうかは疑問だ。でもまぁそんな感じです。 最初はりかさんに纏わる怪談じみた物語かと思ったのですが、怪談ではなかったです...

祖母が遺した古い家で共同生活をはじめた織と縁のある4人の女性と市松人形のりかさんが、唯一無二の作品を求めてそれぞれに成長して行く物語・・・って言う説明で正しいのかどうかは疑問だ。でもまぁそんな感じです。 最初はりかさんに纏わる怪談じみた物語かと思ったのですが、怪談ではなかったですねぇ。だけど怪談か?と思ってしまうに値するような場面は数多いです。だって市松人形ですもの。人それぞれ感じ方は違うでしょうが、市松人形っていうだけでわたし個人としましては怪談のような方向に考えてしまいがちです。なんとなく恐い。 このりかさんには心があるんです。なので余計に怪談っぽい(苦笑) 人間同士のかかわりに重きを置いた物語です。今生きている人々、自分を形づくる過去の人々・・・。それぞれ色々な場所で生きてきて、今ここで交わっている。それは素晴らしくて温かい。自分は何処へ向かい、何をすべきなのか。そんなことを問いかけてくる作品です。 主人公である蓉子のような考え方(生き方)って結構理想だと思うんだけど、どーなんだろう。 わたしは元々日本家屋(和風建築?)に憧れがあるので、こういった日本家屋ならではのような作品に惹かれるのかもしれません。

Posted byブクログ