きのね(上) の商品レビュー
一般人からは、うかが…
一般人からは、うかがいしれない別世界「梨園」。芸能ニュースを賑わす昨今の浅薄なイメージとは全く異なる世界が、丁寧にかつ淡々と、時に故事を交えつつ語られます。ぐいぐいと読むものをひきつける文章からは作家宮尾登美子の筆力が、また作者の歌舞伎のみならず古典芸能への深い造詣が伺われます。...
一般人からは、うかがいしれない別世界「梨園」。芸能ニュースを賑わす昨今の浅薄なイメージとは全く異なる世界が、丁寧にかつ淡々と、時に故事を交えつつ語られます。ぐいぐいと読むものをひきつける文章からは作家宮尾登美子の筆力が、また作者の歌舞伎のみならず古典芸能への深い造詣が伺われます。描き出される世界の旧弊な体質に時には反発を覚えたり、にもかかわらずその世界を一生懸命に生きる登場人物の誠実な姿に心を動かされたり…。没頭しながら気がつくと、巻末最後の一文、華やかな歌舞伎の舞台の影に、ひっそりとしかし力強く生きた女
文庫OFF
11代市川團十郎(今の海老蔵=堀越孝俊さんの祖父)の陰で尽くした女性の一代記 はじめは長い説明に読むのをやめようかと思ったけど、最後まで読んでよかった。感動した。歌舞伎に詳しい人ならさらに楽しめるかもしれない。
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かつての歌舞伎役者市川団十郎の女房の方の一生を描いた物語。 自分が生きてきた時代からすると、根底となる価値観そのものが異なっていることが個人的に面白かった。 主人公のお光の耐えている姿はとてもしんどそうであった。 最初の回想シーンのテンポが若干悪く感じるが、3/4過ぎあたりか...
かつての歌舞伎役者市川団十郎の女房の方の一生を描いた物語。 自分が生きてきた時代からすると、根底となる価値観そのものが異なっていることが個人的に面白かった。 主人公のお光の耐えている姿はとてもしんどそうであった。 最初の回想シーンのテンポが若干悪く感じるが、3/4過ぎあたりから一気に面白くなった印象。 女中って大変な仕事ですね……
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会社員になりたての頃、同期とこの本の感想を熱く話したのは懐かしい思い出。 耐えて耐えて生きる女性の話。
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健気な少女が奉公に出て、御曹司に恋をするといっても単純なシンデレラストーリーではなく、嫉妬や羨望といった自分の醜悪な感情とも向き合い、罪の意識も持つようになるところが人間くさい。 宮尾さんの作品を読むのは初めてだけど、なるほど、女性の情念の表現が上手いと引き込まれました。 雪雄は...
健気な少女が奉公に出て、御曹司に恋をするといっても単純なシンデレラストーリーではなく、嫉妬や羨望といった自分の醜悪な感情とも向き合い、罪の意識も持つようになるところが人間くさい。 宮尾さんの作品を読むのは初めてだけど、なるほど、女性の情念の表現が上手いと引き込まれました。 雪雄は、あの時代だから憧れに値する男性かもしれないけど、癇癪持ちで手が早く、現代なら間違いなくマスコミに叩かれそう。私なら役者としての彼はファンになっても絶対に配偶者にはしたくないタイプだなあ。
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最近なぜか急に歌舞伎に興味が出てしまい、歌舞伎座で歌舞伎を観てからというものすっかりその魅力の虜になってしまいました。 というわけで遅まきながら本書を読んだというわけです。 あくまでフィクションではありますが、成田屋の12代目のお母さまが主人公のモデルになっている本書、宮尾登美子...
最近なぜか急に歌舞伎に興味が出てしまい、歌舞伎座で歌舞伎を観てからというものすっかりその魅力の虜になってしまいました。 というわけで遅まきながら本書を読んだというわけです。 あくまでフィクションではありますが、成田屋の12代目のお母さまが主人公のモデルになっている本書、宮尾登美子さんだけあって女性の生き方を見事に描き切っています。たいへん面白いです。 …が、やはり成田屋やそのごひいきの方が良い顔をしなそうだよな、ということも同時に思いました。 そのあたりのことはさておいても、歌舞伎に魅せられ、歌舞伎役者としての坊ちゃんに魅せられたお光の生き方は波乱万丈で、健気。 現代の感覚からすると、「ダメ男に尽くす女」な構図で理解できない!となりがちですが、でも心から好きになるというのはこういうことなんでしょうね。 何も歌舞伎の知識がなくても十分面白いと思いますが、やはり知っているとさらにさらに面白いです。 光乃の別称である「野崎村」、そして「助六」(助六縁江戸桜、ですね)あたりのストーリーを頭に入れて読むとなお一層楽しめます。 まさに主人公の光乃の生き方は「野崎村」のお光に通じるものが…!とか思いますからね。 「助六」なんかはストーリーというよりは、「助六」が持つ歌舞伎における意義や位置、ふんだんに盛り込まれている型なんかを知って読むと、「なるほどなー」と思えますね。
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・あらすじ 十一代目 市川団十郎の話。メイドの子。 ・かんそう 読んでよかった。裏側を覗けた。伝統芸能っていいね。
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蔵とは正反対の性質をもった主人公の話。そんなに我慢しなくても・・・と思うほどだ。 歌舞伎の世界を垣間見ることができるところもよく、今の海老蔵がこのおじいさんに似ているのでは・・・と今の歌舞伎の世界を見るのもおもしろい。
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お友達に借り手読み始めました。すぐに引き込まれました。実在の人がモデルというのも、興味深い。歌舞伎界の人の生活を垣間見ることができるのも、おもしろい。
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これくらいの時代の女性の言葉ってすきです。歌舞伎は一度も見たことが無く、まだ未知の世界。あまり興味もなかった世界だけれど、これを読んでちょっと足をつっこんでみようかしら…と迷い中です。
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