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きのね(上) の商品レビュー

4.3

31件のお客様レビュー

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2013/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*大正~昭和初期、戦時中の生活風景ーしかも冒頭、主人公光乃の学生時代までは、貧しさで一家離散する家族の、そして光乃が女中として働きだしてからは、松本幸四郎家や市川団十郎家をモデルとした歌舞伎役者の家のーがよく描かれていて、「自分の知らない人生を知る」という読書の楽しみの一側面については、まず申し分なく満たされる。 *十一世団十郎(当代海老蔵のおじいさん)がモデルということで画像検索してみたら、今の海老蔵にそっくり。かっこいい。頭のなかでは海老蔵主演で映像化しながら読むので、活字なのに目の保養ができます。イケメン(が登場すると面白い)の法則クリア。 *しかも貧しい田舎出の特別美人でもない女中光乃が、雲の上の存在であるとわかっていながら、主であるそのイケメンに恋い焦がれ、そしていずれは結ばれる(まだ上巻しか読んでないし史実も詳しくは知らないけど、少なくとも子をなす、それが十二世団十郎)、そういう物語である。恋愛小説として考えても、王道。 *そして、歌舞伎役者のこととにかく知りたいファン(かつ初心者)にとっては、今をときめく海老蔵さんのルーツ=市川宗家の近現代史を楽しく学べる、最高の参考図書であります(「教科書」は中川右介の本)。 下巻早く買わなきゃ。

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2013/07/04

以前にも読んだこの「きのね」当時は歌舞伎の事も全く知らず、ましてやこれが11代目團十郎をモデルとした作品と言う事も知らなかった。 今回は歌舞伎や團十郎のことも少し知って来たので、もう一度読み直したくなりました。 以前の時も十分面白く読めたけれど、歌舞伎の事を知るとより面白さが増し...

以前にも読んだこの「きのね」当時は歌舞伎の事も全く知らず、ましてやこれが11代目團十郎をモデルとした作品と言う事も知らなかった。 今回は歌舞伎や團十郎のことも少し知って来たので、もう一度読み直したくなりました。 以前の時も十分面白く読めたけれど、歌舞伎の事を知るとより面白さが増しました。

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2013/05/29

十一代市川団十郎と妻光乃の、壮絶で不器用な真っ直ぐな生き方。戦前戦中戦後の日本の生活文化、歌舞伎の世界の厳しさ賑やかさが、行間から立ち上り、強いエネルギーに眩みながらの読了。十一代が病に冒されていく様子が十二代の最期と重なり、涙した。

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2012/08/01

現在の11代目市川海老蔵のおじいさん11代目市川団十郎とそのめかけのお話。梨園の裏側がよくわかります。

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2012/07/03

宮尾登美子の作品は初めて読んだ。女流作家らしく丁寧に心情を汲み取っていてさすがと思わせる。 11代目市川団十郎の妻をモデルにした作品。梨園の世界は大変だとは聞くけれど、果たして今でもこれほどまでに尽くす女性がいるだろうか。光乃が雪雄にささげた半生の描写もさることながら、歌舞伎の魅...

宮尾登美子の作品は初めて読んだ。女流作家らしく丁寧に心情を汲み取っていてさすがと思わせる。 11代目市川団十郎の妻をモデルにした作品。梨園の世界は大変だとは聞くけれど、果たして今でもこれほどまでに尽くす女性がいるだろうか。光乃が雪雄にささげた半生の描写もさることながら、歌舞伎の魅力も余すことなく描いている。今さらながら成田屋の芝居を見てみたい。

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2011/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女学校を出たての光乃は当代一の誉れ高い歌舞伎役者の大所帯へ奉公にあがった。やがて当家の長男、雪雄付きとなる。使いに行った歌舞伎座の楽屋で耳にした、幕開けを知らす拍子木の、鋭く冴えた響き。天からの合図を、光乃は聞いた。文庫のあらすじ紹介文が素敵だったので抜粋しました。豪華絢爛な梨園を覗ける作品。隅から隅まで描写された文章も手伝って、ものすごい読みごたえのある作品です。

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2011/03/29

市川海老蔵のおじいさんの若かりし頃をモデルにした小説。 パッとしない地味な娘が、歌舞伎界の御曹司に奉公することになり、天才肌の気難しい坊ちゃまに献身的に仕え、純愛?を実らせるというストーリー。 今風に言えば、モラハラDV夫と共依存の妻ですね。 主人公の献身を美化せずに、ちょっ...

市川海老蔵のおじいさんの若かりし頃をモデルにした小説。 パッとしない地味な娘が、歌舞伎界の御曹司に奉公することになり、天才肌の気難しい坊ちゃまに献身的に仕え、純愛?を実らせるというストーリー。 今風に言えば、モラハラDV夫と共依存の妻ですね。 主人公の献身を美化せずに、ちょっと突き放した筆で描いており、読んでて共感できないしスッキリしないし。もうちょっと素敵な主人公だと共感できるんですけどね。

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2011/01/27

とても久しぶりに良質の物語を読みました。人物のかきこみが半端ない。そして私は個人的に、「雪雄」サイドの物語(独白)が読みたくてしょうがない。

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2010/07/31

少し前に読みました。実在の人物をモデルになさってるとのことですが、うーん・・・梨園の内情を伺い知ることが出来るという点で、お話としては面白かったですが、主人公はどうしても好きになれませんでした。 健気というより憧れの人の妻の座を手に入れる為には何でもアリというか、すごーく強かだな...

少し前に読みました。実在の人物をモデルになさってるとのことですが、うーん・・・梨園の内情を伺い知ることが出来るという点で、お話としては面白かったですが、主人公はどうしても好きになれませんでした。 健気というより憧れの人の妻の座を手に入れる為には何でもアリというか、すごーく強かだなあという感想を持ちました。

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2010/04/27

梨園で生きることになった主人公の人生が淡々と描かれているが、迫力大。 実在の人物の話だと思うと、ただひたすら強い女性だったんだなぁと尊敬しちゃう。

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