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不安な童話 の商品レビュー

3.4

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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  3. 3つ

    19

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2011/04/18

 ひとよりカンがよく、ひとの後ろに"失せ物"を"見て"しまう能力のある万由子は、とある展覧会の絵を見て失神してしまう。それは変死した作者の最期を"見て"しまったためであった。それに気づいた作者の息子・秒は万由子を母の生ま...

 ひとよりカンがよく、ひとの後ろに"失せ物"を"見て"しまう能力のある万由子は、とある展覧会の絵を見て失神してしまう。それは変死した作者の最期を"見て"しまったためであった。それに気づいた作者の息子・秒は万由子を母の生まれ変わりだと思い、母の最期を思い出してほしいと頼んでくる。  まずもって"見る"という能力に現実味が薄いのだが、それを差し引いても面白い!恩田さんの文章は物語の世界に読者をぐいぐい引き込む力がある。  物語は絵の作者・倫子を中心にぐるぐるとまわっていく。彼女はなぜ死んだのか。絵にはどんな意味があるのか。  途中から先が少し見えてしまう展開ではあるけど、あれ以外にベストなラストはないかな。

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2019/01/16

「あなたは母の生まれ変わりです」大学教授秘書の古橋万由子は、二十五年前に変死した天才画家高槻倫子の遺子にそう告げられた。発端は彼女の遺作展会場で、万由子が強烈な既視感(デジャ・ヴ)に襲われ、「鋏が・・・」と叫んで失神したことだった。実は、倫子は鋏で首を刺されて殺されたのだ。万由子...

「あなたは母の生まれ変わりです」大学教授秘書の古橋万由子は、二十五年前に変死した天才画家高槻倫子の遺子にそう告げられた。発端は彼女の遺作展会場で、万由子が強烈な既視感(デジャ・ヴ)に襲われ、「鋏が・・・」と叫んで失神したことだった。実は、倫子は鋏で首を刺されて殺されたのだ。万由子は本当に倫子の記憶を持つのか?真相を探る彼女に、奇怪な事件が襲いかかる! (裏表紙紹介文より) *** 相変わらず(という言い方は変かも知れないけど)、ホラーちっくというか、読み手を緊張させたり、(不安で)ドキドキさせたりする描写が上手いです。 非科学的なネタだと思って読んでいたら、実はそうでもなさそうな感じの展開になり、さらに読み進めるとやっぱり非科学的に終わる、というなんとも(良い意味で)振り回されるお話でした。 恩田さんの作品としては“広げた風呂敷が上手にたたまれた”と感じられる、ある意味珍しい本でした。(失礼?) まぁ最初からオカルト風味な内容だということを覚悟したうえで読み始めたからかも知れないけど。 最後はちょっと意外な感じで終わります。 意外な人がキーパーソンで、その人が一連の出来事に係わっているのかもと予測できる描写がちゃんとありました。 ありましたが、何せオカルト風味なのでオチを“予測”はできても、ちゃんと“推理”できる人は少ない・・・というかいないんじゃないかなぁ、と思います。

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2010/05/28

相変わらずこの人の複線の張り方は面白い…し、最後の最後まで分からない。秒とお姉ちゃんがかなりのキーになってて驚きました。

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2010/03/02

2010.02.03 こういう言い方はあまり好きじゃないが、恩田陸の初期の作品の匂いがするなあ、と感じた。 途中で、犯人(と表現していいのかな)がわかってしまったのがあれだった。 でも楽しめた。 この人の作品ってだんだんだんだん面白くなってきてる気がする。あまり居ないなあこうい...

2010.02.03 こういう言い方はあまり好きじゃないが、恩田陸の初期の作品の匂いがするなあ、と感じた。 途中で、犯人(と表現していいのかな)がわかってしまったのがあれだった。 でも楽しめた。 この人の作品ってだんだんだんだん面白くなってきてる気がする。あまり居ないなあこういう人、とふと思った。

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2009/11/24

いつもながら文章が綺麗で読みやすい。 ストーリーも伏線がきちんと張られていて、自然な流れ。 安心感があります。 11月24日読了。

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2009/10/31

 ま、祥伝社だからねぇ。と、変に納得する。でも、絵や他の小道具の使い方は上手いし、相変わらずの切なさがある。結末は、なかなかブラックだ。  主人公の上司の大学教授も、主人公の幼馴染みも、主人公自身も、とても推理小説の登場人物しているので、シリーズものにすればいいのになぁ。

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2009/10/04

何年振りかに再読。初読の時はあんまりおもしろかったイメージがないんだけど、再読すると思いのほかちゃんとまとまっていて面白い作品でした。 初期の恩田さんっぽくって、いい意味でこじんまりしていておもしろかった。 ラストに含みを持たせるのもさすがって感じだし。 それにしても、高槻倫子...

何年振りかに再読。初読の時はあんまりおもしろかったイメージがないんだけど、再読すると思いのほかちゃんとまとまっていて面白い作品でした。 初期の恩田さんっぽくって、いい意味でこじんまりしていておもしろかった。 ラストに含みを持たせるのもさすがって感じだし。 それにしても、高槻倫子はすごいよね。後半メロドラマっぽくなったのがちょっと衝撃でした。なんていうか、もう少しきれいな人でいてほしかった。 そしてラストのどんでん返しは衝撃でした。ははぁ、そういう風につながるのかぁって納得。 まさかパスタ製造器がそこでからんでくるとは!! さすがだなー。

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2009/10/04

読んでいるときはタイトルの『不安な童話』に反応しなかったけど、後半(先生が犯人をあてていくところ)は話が重くなっていってしかも怖いし、 『不安な童話』って言葉がまさにぴったりだと思った。 センセーショナルな女流画家高槻倫子の生まれ変わりではーー 彼女の絵を見て、前世での記憶(...

読んでいるときはタイトルの『不安な童話』に反応しなかったけど、後半(先生が犯人をあてていくところ)は話が重くなっていってしかも怖いし、 『不安な童話』って言葉がまさにぴったりだと思った。 センセーショナルな女流画家高槻倫子の生まれ変わりではーー 彼女の絵を見て、前世での記憶(?)が呼び覚まされる主人公の万由子。 そこから、勤め先の大学の天才(?)先生と、依頼した倫子の息子の高槻秒と3人で、倫子の遺書通りある4人に彼女の遺作を渡しにいくところから 事件は始まりーー。 面白い。単純に、えっほんとに生まれ変わりなの?って純粋な疑問(不思議な謎)もあるし、そこから起こる奇妙な事件、得体の知れない者の悪質ないたずら。。 もうね、恩田さんらしくプロローグから始まり、5つの章名がいいの。「遠い海への道のりはある日突然に始める」「海に向かう道は長くねじれている」「すべての道が、海につながっているように見える」 「中には、海を見ずに終わる者もいる」「海に続く道」 素敵ーーー!これだけでも話の流れがわかるし、きちんとそれぞれの章の話にリンクしてる。 遺作を渡してほしいといわれた4人のうちの1人の女の人(女学校の校長先生)が、高槻倫子に『月の裏側にいる・お月さま』とからかわれていたとか(揶揄されたのか) これって、恩田作品の『月の裏側』じゃん!なんんてちょっと興奮気味に、一人見つけたわ〜って気分になっちゃったそこだけ。 最後には、倫子は不倫相手の愛情を、自分たちの子供に奪われているという狂気ともいえる嫉妬から子供を道連れに無理心中を海で図る。 しかし、万由子の姉、万佐子が偶然(この偶然にもきちんと最後に伏線があって姉の告白でわかるんだけど)、秒に貸したハサミで倫子の首を刺してしまう。 というのが真実だった。。。 重いな明かされた真実は。 万由子は、姉がハサミを秒に渡した理由など知るはずもなし、温泉で海を見ながら前向きな気分で終わる--。 今感想書いてて思ったけど、天才肌な先生は実は、万佐子が秒にハサミを渡した理由、その時に秒に言った言葉なども思い当たってたりして。 図書館で借りたこの本、寄贈です。 寄贈されなければ読むことはなかったでしょう。 ありがたい!

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2009/10/04

恩田さんの長編推理小説。 謎解きしながら裏を読みながら進めていくハラハラドキドキ感はたまりません。 しかし、そんなあさはかな読みでは解くことはできず、しっかりとやられて しまいました。

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2009/11/12

恩田さんらしい雰囲気で、複線がきちっとはってあって、ラストのどんでん返しもこの作品は成立してると思います。 恩田さんのは青春もののラストはたいていすごく好きなんだけど、こういう系のラストはちょっと失敗したかい!?な時があるきがするので。 でも、好きですけどね。 いつもどういうジャ...

恩田さんらしい雰囲気で、複線がきちっとはってあって、ラストのどんでん返しもこの作品は成立してると思います。 恩田さんのは青春もののラストはたいていすごく好きなんだけど、こういう系のラストはちょっと失敗したかい!?な時があるきがするので。 でも、好きですけどね。 いつもどういうジャンルになるんだろうと考えるけど、何だろう。ミステリー?ホラー(もしくはオカルト)?まぁ、なんでもいいけど。 付け足すなら、この作品は登場人物があまりひかれなかったかなぁ…。というか倫子さん怖すぎ。

Posted byブクログ