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群青の夜の羽毛布 の商品レビュー

3.6

91件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    7

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    2

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2022/02/22

家族の幸せを描いたのかと手に取る。 姉のさとるの母親に従順さは自分と似たところがありどう母親に反発するのだろうかと興味を持つ。妹も反発しながらも家を出ず家族ごっこしているような印象を持つから母親には逆らえないのだろうと思っていたらとんでもない家族の事情に縛られて家を出れないでいる...

家族の幸せを描いたのかと手に取る。 姉のさとるの母親に従順さは自分と似たところがありどう母親に反発するのだろうかと興味を持つ。妹も反発しながらも家を出ず家族ごっこしているような印象を持つから母親には逆らえないのだろうと思っていたらとんでもない家族の事情に縛られて家を出れないでいる。 この先家族の問題はどうなっていくのだろう。ずっと縛られているのだろうかと思っていると姉の行動で今まで脆かった家族にヒビが入り壊されたのか解放と言ったらいいのか、臆病で何もできない姉が家族の再生をスタートさせる。ところで終わっている。 どの家庭にも足かせはあるけどそれを親が力で従わせるのではなくたくさんの選択肢を与えて子どもに選ばせれるようにレールをひいてあげなくては家族より一個人を大切にしないと…と思う。

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2021/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

得体の知れない家族間の闇に呑まれるようだった。 ただ少し厳しいだけの母かと思ったら、とんでもなかった。 家に縛り付けられた母娘3人の、ヒリヒリする不穏さに終始緊張感が漂っていて、これはホラーなのかしら、と何度か思ったほどだった。 家族とは何だろう。支え合うはずが縛り付け合い、お互いが枷となる。家族でも奥底に抱えたものは見えないし、真に分かり合うことは無いかもしれない。何かをきっかけに全てが反転することだってあり得る。 最後父親が幸せな頃の話をするのが、とても苦く切ない後味だった。

Posted byブクログ

2021/08/18

時として家族は残酷な存在 この作品の設定は過激で架空であるように思えるけれど それぞれの心の中にある黒いインクが一滴垂れると じわっと広がるような怖さを覚えました 構成が巧みで読み進めることができ あっという間に読み終えました

Posted byブクログ

2021/03/06

「犬を飼っていればな。」と思った。 この小説の一方の主人公「伊藤鉄男」は大学四年生。就職も決まり、卒業を待つ冬までの物語。 僕が鉄男の歳のころ、兄弟で住んでいた部屋には、絶えず誰かが遊びに来ていた。学校やバイトからの帰宅、玄関のドアを開けるのが毎日楽しみだった。兄も弟も外出中...

「犬を飼っていればな。」と思った。 この小説の一方の主人公「伊藤鉄男」は大学四年生。就職も決まり、卒業を待つ冬までの物語。 僕が鉄男の歳のころ、兄弟で住んでいた部屋には、絶えず誰かが遊びに来ていた。学校やバイトからの帰宅、玄関のドアを開けるのが毎日楽しみだった。兄も弟も外出中なのに、にぎやかな部屋。 「お邪魔してまぁ~すっ。」 スポーツで鍛えた、プロレスラーのように逞しい男が四、五人。彼らの試合を録画したビデオを観ていたり、 「おっ、良いところに帰ってきた。ちょっとキーボード弾いて。」 とデモテープの録音に参加させてくれたり、 どの兄弟の恋人だか判明しない女の子とテレビゲームで野球の試合をしたり。 そんなお客さんの一人、僕と同い年の女の子が、その部屋で語った 「愛犬の効用」 を思い出した。 家族と言っても、学校や会社、友達や同僚、それぞれ異なった時間を過ごしている。 「たまには子供と会話がしたい。」 と思っても、なかなか共通の話題が見つからない。そんな時、役に立つのが「愛犬」。 「今日、お天気が良かったでしょ。ポチったら、また道路の真ん中でお昼寝しててさ。」 簡単に家族の会話が始まる。 夏休みに酒屋でバイトした鉄男。彼がゲットした彼女は、酒屋と同じ敷地内で営業するスーパーマーケットの常連客。「毬谷さとる」家事手伝い。ちょっと年上。 二十四歳なのに、異様なほど午後十時の門限に怯え、デートの余韻を振り解き帰路に就く彼女。奔放な印象を与える三つ年下の妹「毬谷みつる」とは対照的だ。どちらかと言うと「みつる」の方がエキセントリックな存在である、彼女たちの家庭は、いわゆる敷居の高い家庭のご様子。父親の存在が不明。 「犬を飼っていればなぁ。」 と思ったのは、物語序盤。 読み進むに従い、 「犬を飼っていてもダメかもな。」 と思い直すストーリー展開。 毬谷家のただならぬ家庭の事情に 「リアリティーはあるのだけれど、リアリティーがあるだけで、この小説は面白いのか?」 と疑問すら沸いてくるほど、シリアスさが増殖してゆく物語半ば。 「ひきこもり」 や 「パラサイトシングル」 など、家庭内の問題が取りざたされたのは、一九九〇年代終盤。その数年前に執筆されたこの物語は、今思えば、話題を先取りしてリアリティー豊かに問題のある家庭を描いている。 でも、僕は小説に 「教訓」 や 「モラル」 を求めない。 いくら問題点が浮き彫りにされても、それだけでは楽しめない。 「このまま、面白くないまま、この長編は終わってしまうのか。」 と思いつつ終盤へ突入。 結論から言うと、たいへん面白かった。冒頭の心理カウンセリング客ふう独白の謎も、毬谷家の謎も、最後には解き明かされてスッキリする。 山本文緒作品の楽しみであるところの、ある種の心理サスペンス的な要素が、この物語では、より分かり易い形で楽しめた。 そして、男女間、親子を含めた愛情に深く思うところがあった。 「僕は小説に教訓を求めない」 とタイプしたキーのぬくもりも冷めないうちに、このように書くのは気が引けるのだけれども、三十を過ぎて独身、恋人も居ない自分の問題点を、この小説を読んで発見したような気がした。 「愛とは何か。」 を考えてしまった。 読書感想の域を超えて書きすぎるのは僕の悪い癖だとは思うのだけれど、この小説を正月に読み終えて思うのは、暖かい家庭を築いている友人、知人と僕の差異。正月という季節柄、久しぶりに会う友人や、親戚、家族写真で貰う年賀状など、どうしても、自分との違いを感じてしまう。その違い。 うまくいっている家族の関係、準家族としての恋人との関係は、ハタから注意深く観察すると、一種の依存関係がうまく出来ているように思える。僕だけだとは思いたくないのだけれど、人は、出来れば 「頼られる人間でありたい。」 と思う事が多いと思う。 もちろん、それは、悪い事では無いと思うのだけれど、家族に対しては、時には 「頼りたい。」 「頼ることが出来る」 相手への信頼が必要なんだなぁ。と思う。 考えてみれば、僕は 「一人でも、不自由なことは何も無い。」 「頼りたいことなんて、何も無い。」 と傲慢に思って毎日を過ごしているような気がした。 でも、そんなハズは無い。僕だって何かと人に頼って生きている。 感謝の気持ちが足りないと言うことか。 なんだか、この感想文は 「反省しました。」 と書いているようだけれど、この反省が 「良いことに繋がるかも」 と思える結末。僕はハッピーエンドとして読み終えたのだった。

Posted byブクログ

2021/03/01

喉がカラカラに乾いて、背中がゾワゾワするような何とも言えない読後感。 どこで踏み外したのか、はたまた絡まってほどけなくなったのか。 こういった話はあまり得意ではありませんが、少しずつ違和感が積み重なり、うわ~!!気持ち悪い!!という感情に繋がるあたり凄い作品だなぁと思います。

Posted byブクログ

2020/03/25

鉄男は、今まで付き合った女性たちとは一味違う恋人のさとる(女性)にどんどん惹かれていく。 さとるには陰があり、24歳なのに門限は10時、かなりの倹約家。妹のみつるも奔放なようで、家に縛られている。 謎が多い家庭だが、さとるの家族と接するうちにどんどん違和感は増えていき... ...

鉄男は、今まで付き合った女性たちとは一味違う恋人のさとる(女性)にどんどん惹かれていく。 さとるには陰があり、24歳なのに門限は10時、かなりの倹約家。妹のみつるも奔放なようで、家に縛られている。 謎が多い家庭だが、さとるの家族と接するうちにどんどん違和感は増えていき... 家族とは1つ間違えると呪いになるのだなと。 母親の異常さに鳥肌がたつけれどもどこかリアルであり、気の弱い長女が反発を感じながらも逆らえずに洗脳されている感じが怖すぎる。 1番最後のカウンセリングのくだりがよくわからず...

Posted byブクログ

2019/04/24

最初から最後まで胸糞が悪かったです。 でも不思議と読めてしまって、 その点と結末が気になったため★高めの評価です。 救いが見えなくて辛かったです。 読後感は大事だなと思いました。 ちょっと引きずりそうな内容でした。

Posted byブクログ

2019/01/30

病む。 娘を縛り付ける支配的な毒母、いや、父もなかなかのクズさ。さとるも読んでてイライラする。鉄男もなぜ母と。。(+_+)キモいなー。 家族ってなんでこんなにも難しいのだろう。

Posted byブクログ

2017/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めて読んだ山本文緒さんの作品。どこで見かけたのか思い出せないけれども、たぶんどこかでレコメンドされていたのだと思う。 母親の恐怖政治的な支配のもとで育った二人の娘とか、その父親など、複雑な家族関係が常軌を逸しているとは思うが、でも実際にこれに近しい家族は結構いるのではないかとも思う。家族の形態はいろいろあるなぁとも思えるし、家族は一番近い存在だけに非情にもなれるという点がこの話の根底にある気がする。なかなか面白かったので☆4つで!

Posted byブクログ

2017/05/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

サイコホラーかと思っちゃったよ。 というくらい、主人公さとるの思考回路がヤバい。 鉄男との結婚を思い詰めるところが本当に怖い。。。 母娘の関係の異常さも生々しい。 でもラスト前に母親が「私だってこんなに妥協してやってんのにあとどうすりゃいいっていうのよ!」「何でも私のせいかよ!」みたいに言うところは、確かにそうだよなあ、、、と思う部分もある。 次女という立場も大きいだろうけど、みつるは何とか育ってるわけだし。 鉄男と母親が何で寝たのか、っていうかその出来事ってストーリー上必要⁇とか思っちゃうけど、それでさとるがキレるわけだから必要か。 でもなんか唐突な感じがした。 そして鉄男が嘘をついてたっていうのも、は?ってなる。 結婚しようとか、今までのモノローグはなんだったわけ? やはり少し唐突に感じる。

Posted byブクログ