夢十夜 の商品レビュー
黒澤明の「夢」を思い出すが、内容はこっちの方がぶっ飛んでいる。「白い男の袖の下に自転車の輪が見えた」夢のクオリティは作家の力量を推し量る指標かもしれない。夢って無意識の暗喩だと思うから。どれだけ違う材料を引っ張ってこれるかということじゃないかと。
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20年くらい前、学校の教科書に載っていたのを読んだきりだったので、 久し振りに読んでみたけれど、 当時は運慶の話がとても気に入りましたが、 やはり大人になってみても運慶の話が一番しっくりきたかなァ。 全体的に怖くて不思議できれい、そんなイメージを 金井田さんの版画が引き立てていま...
20年くらい前、学校の教科書に載っていたのを読んだきりだったので、 久し振りに読んでみたけれど、 当時は運慶の話がとても気に入りましたが、 やはり大人になってみても運慶の話が一番しっくりきたかなァ。 全体的に怖くて不思議できれい、そんなイメージを 金井田さんの版画が引き立てています。
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ーー自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 夏目漱石の不思議なオムニバス集。ストーリーがあるわけじゃないんだけど、読んでいると薄皮一枚の裏の世界にふわっと入り込むような気持ちにさせ...
ーー自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 夏目漱石の不思議なオムニバス集。ストーリーがあるわけじゃないんだけど、読んでいると薄皮一枚の裏の世界にふわっと入り込むような気持ちにさせてくれます。夜寝る前になぜか2、3編見てしまうこともあり。 文庫本も出ているけど、オススメは「パロル舎」版の装丁、上質な挿絵。高くても価値あり。
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本書を読み終わり、なぜかおかしくて笑えたのである。決しておかしい内容ではないが、そのおかしさは際立つ。漱石がこの作品を書いた背景には、何らかの意図があるのだろうが、その意図自体もまたおかしいと感じる。さまざまなイメージや場面が不思議なほど浮かび上がり、夏目漱石はどこかに突き当た...
本書を読み終わり、なぜかおかしくて笑えたのである。決しておかしい内容ではないが、そのおかしさは際立つ。漱石がこの作品を書いた背景には、何らかの意図があるのだろうが、その意図自体もまたおかしいと感じる。さまざまなイメージや場面が不思議なほど浮かび上がり、夏目漱石はどこかに突き当たっているように思える。それは、彼自身にもわからないことなのかもしれない。 本作『夢十夜』は、1908年(明治41年)7月25日から8月12日にかけて「朝日新聞」に掲載されたものである。以下に内容の概要を示す。 1. 「百年を待つ」という意味を考えると、なんとも楽しくなってくる。 2. 和尚と武士の闘いが描かれている。 3. 息子を背負って歩く父親の話は、最後の結末が恐ろしい。 4. 爺さんは手ぬぐいを蛇に変える。 5. 生け捕りになった大将を、白い馬に乗った女性が助ける。 6. 運慶の話は、古典的な落語のようにオチがきちんと用意されている。 7. 自分は船に乗って、日を追いかけようとする。 8. 床屋に行き、鏡に映る風景を描写する。10円札を一生懸命に数える女子が印象的であり、金魚屋が象徴的に登場する。 9. お百度参りを行うお母さんの姿。 10. 庄太郎が行方不明になったときの物語では、豚が豚だらけになって襲ってくる。 夏目漱石の文章は、読みやすいリズムを持っている。フロイトは「夢は、ある(抑圧され、排斥された)願望の充足である」と述べている。ふむ、願望とは性的なものだけではないはずである。この作品は、漱石の深い思索を含んだ、夢と現実、願望と抑圧が交錯する興味深い作品である。
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夢十夜・・・・ 何度か読んでいるのに、今夏の夢十夜は一味違う 「ブクログ・すずめさん」のご紹介で、読んでみましたが・・・・ なるほど、絵がつくと、また、世界が変わりますね・・・ くるくると落ちていく豚、こんなにかわいいのにね ひととき、夏の夜の夢でした
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言わずと知れた漱石の短編小説。これは版画の挿絵入り。新潮文庫とはまた違った印象があったりする。第三夜と第十夜がお気に入り。
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絵が美しいのが何よりもよいところ。自分が夢十夜に対して持っていたイメージをさらに膨らませることが出来たと思う。第一夜が一番好きな話。
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夏目漱石の作品の中で、読みやすい。 夢の曖昧な感じが好き。 挿絵も作品の雰囲気に合っていてすごく良かった。
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教科書で少し読んだから全部読みたくなって読んだ!全体的にちょっとこわかった…盲目の子供の話が1番こわかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夏目漱石の夢十夜。 前にも書いたのだけど、私は日本文学が読めない。 途中で絶対面白くなくなるからだ。。 でもこれは怖かった! ホラーとも違う、なんか日本に伝わる、 妖怪や日本独特のおどろおどろした雰囲気を持つ怖さ。 一夜一夜持つ怖さが違う。私は三夜が一番怖かった。 夏目漱石ってこんな怖い小説も書いてたのですね。。。。 しかし、やっぱり日本文学は難しい。。。。 檳榔樹、冷飯草履、鮫鞘などなど知らない言葉だらけ。 でもそんな発見も楽しかったりして。 たまにはまた読んでみようかな。。
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