日記のお手本 の商品レビュー
アラーキーの写真はいつもあたしには猥雑で饒舌で、リアル過ぎた。奥さんの陽子さんが作った料理を撮った写真を見て、初めてアラーキーの写真が好きになったんだ。なんてことのない家庭料理を、でも陽子さんがすごく丁寧に作ってるのがわかったし、アラーキーも真剣に撮っていた。単なるトマトサラダが...
アラーキーの写真はいつもあたしには猥雑で饒舌で、リアル過ぎた。奥さんの陽子さんが作った料理を撮った写真を見て、初めてアラーキーの写真が好きになったんだ。なんてことのない家庭料理を、でも陽子さんがすごく丁寧に作ってるのがわかったし、アラーキーも真剣に撮っていた。単なるトマトサラダが、圧倒的に綺麗でエロチックだった。陽子さんは亡くなる直前で、料理ひとつ作るのも丁寧になり、とても優しかったそうだ。その頃の日記がこの本には収められている。アラーキーはまるで呼吸するのと同じように易々と写真を撮る。病院から陽子さんの容態の急変を告げられ、病院に駆けつけるときにも、玄関先で猫のチロを撮り、それから出かけるのだ。奔放な暮らしのそこここに、対象への溢れんばかりの愛おしさがちらばっていて、読んでいて辛いくらいだ。日記って、本人の意図した以上のことが不用意に伝わってしまうものだからね。
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