ソクラテスの弁明・クリトン の商品レビュー
文字も大きくて、読みやすい「ソクラテスの弁明」 最近ふと読み返して見たところ、何度読んでも新しい魅力の発見があり、 もう一度、平明であって、深い問いかけに自分を見つめなおされる。 「善く生きる」ということは果たして何でしょうか。 ソクラテスは、今ここに生きている私たち...
文字も大きくて、読みやすい「ソクラテスの弁明」 最近ふと読み返して見たところ、何度読んでも新しい魅力の発見があり、 もう一度、平明であって、深い問いかけに自分を見つめなおされる。 「善く生きる」ということは果たして何でしょうか。 ソクラテスは、今ここに生きている私たちに問いかけてきているのではないでしょうか?
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表題作2編はプラトンが2400年ほど前に、ソクラテス裁判やその後行なわれたソクラテスとその弟子クリトンとの対話の様子を書いたもの。 本書には、プラトンと同じくソクラテスの弟子だったクセノポンによる「ソクラテスの弁明」も所収。 私は最初、ソクラテスは自分が助かりたいからクドクドと...
表題作2編はプラトンが2400年ほど前に、ソクラテス裁判やその後行なわれたソクラテスとその弟子クリトンとの対話の様子を書いたもの。 本書には、プラトンと同じくソクラテスの弟子だったクセノポンによる「ソクラテスの弁明」も所収。 私は最初、ソクラテスは自分が助かりたいからクドクドと言い訳をいっているのではないかという予断を持ったが全くそのようなことはなかった。 真実を大衆に訴えるために丁寧に告発者の主張に対して反駁を重ねていくその姿勢はすばらしかった。 また、「死を経験した者が死を語ったことはないのだから死は分からないものであり、害悪ではなくてむしろ良いものかもしれないので恐れるに足りない」という主張はシンプルではあるが、知を信頼するものとしての力強さのようなものが感じられる。 そしてクセノポン版「弁明」やその解題において、ソクラテスがこの先老いて苦しむよりも今死んだ方がラクだという現実的な判断をしていたことが指摘されていて、そこには軽い驚きを覚えた。 ほかにも、高校の倫理の教科書などでは分からないソクラテス独特の高言(自慢話)があったりして面白かった。 講談社学術文庫版の本書は2人の訳者による。 「弁明」2編は三嶋輝夫氏が、「クリトン」は田中享英氏がそれぞれ担当している。 それぞれの作品の解題では、三嶋氏が比較的新しい他の解釈者の文献・解釈を多数引用して論じているのに対して、田中氏はテキストを読み込むことによってソクラテスその人と向き合い、やや主観的に論じているのが対照的だ。 しかしいずれにせよ訳注・解題とも非常に充実しており、文庫本としては良書の部類に入るだろう。
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大学時代以来です。とても面白かった記憶がありましたが、今回は、面白さを感じたポイントがずれているような感じがしました。昔は、ソクラテスの論理展開が面白く頷きながらだったのですが、今回は「それは詭弁じゃね」なんてね……。何故、そのような道を選択するのか、ソクラテスの本心は純粋だった...
大学時代以来です。とても面白かった記憶がありましたが、今回は、面白さを感じたポイントがずれているような感じがしました。昔は、ソクラテスの論理展開が面白く頷きながらだったのですが、今回は「それは詭弁じゃね」なんてね……。何故、そのような道を選択するのか、ソクラテスの本心は純粋だったのか、計画通りだったのか……。
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「よく生きる」ことを基底に、宗教性と哲学的懐疑、不知の自覚と知、個人と国家と国法等の普遍的問題を提起
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ソクラテスさん、もう黙ってぇぇ!って言いたくなります 自分が幸福になるため神を利用しているのでは、という読み方もできます。 法律の意義についても考えさせられる一冊です ソクラテスの危険因子っぷりをお楽しみ下さい!
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「無知の知」で有名な哲学者ソクラテスの公開裁判での弁明と、彼を脱獄させようとした友人のクリトンとの言論対話からなる古典文学。『神託の通りに自分が最も知恵があるのかどうか』を賢人達を訪ね歩き吟味することによって、自分が『何も知らないという事を知っているという事が優れているのだ』と考...
「無知の知」で有名な哲学者ソクラテスの公開裁判での弁明と、彼を脱獄させようとした友人のクリトンとの言論対話からなる古典文学。『神託の通りに自分が最も知恵があるのかどうか』を賢人達を訪ね歩き吟味することによって、自分が『何も知らないという事を知っているという事が優れているのだ』と考える。それと同時に賢人が『実は何も知らないのに知っているのだと思い込んでいる』事を暴き、彼等に恥をかかせた。それらの事で憎まれたソクラテスは公開裁判にかけられるが、自分の死が近付いているというのに彼はそれらの事を一切捻じ曲げず、死後の事さえも知らないのだからそれが私にとって本当に罰となるのかも分からないと言う。 クリトンとの対話では、亡命を勧め説得するクリトンを、それが本当に“正義く生きる”事になるのだろうかと逆に説得し、結局彼はそのまま死刑を受け入れた。哲学の古典文学は難しいので少しずつ読むつもりが意外にも面白くて一気に読んでしまいました(笑)
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ソクラテスの弁明は有名だが、実際読んでみると、その内容は哲学というより倫理学的な印象を受けた。ほとんどソクラテス一人称の弁明が延々と繰りひろげられる。個人的には「クリトン」のほうが共感でき、好きである。最後にクセノフォンの資料も読めて興味深い。解説は丁寧で、作品の考察に導いてくれ...
ソクラテスの弁明は有名だが、実際読んでみると、その内容は哲学というより倫理学的な印象を受けた。ほとんどソクラテス一人称の弁明が延々と繰りひろげられる。個人的には「クリトン」のほうが共感でき、好きである。最後にクセノフォンの資料も読めて興味深い。解説は丁寧で、作品の考察に導いてくれる。
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この本を手に取ったのは、大学で、「クリトンの視点で、ソクラテスを脱獄させられるよう論展開せよ」とゆー課題が出されたから。「悪法も法である」というソクラテスをひっくり返すために、小股潜りのような論しか思いつけなかった苦い過去の象徴ですが、読み物としては純粋に面白かった。思い出せば、...
この本を手に取ったのは、大学で、「クリトンの視点で、ソクラテスを脱獄させられるよう論展開せよ」とゆー課題が出されたから。「悪法も法である」というソクラテスをひっくり返すために、小股潜りのような論しか思いつけなかった苦い過去の象徴ですが、読み物としては純粋に面白かった。思い出せば、うちの大学の先生たちって、結構面白いひとが多かったんだなあ(ブックレビューと関係ない)。
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クリトンの友情とソクラテスの信条に涙する「クリトン」 「ソクラテスの弁明」は現代語訳がたいへん読みやすかったです
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訳がいい。「考えることのない人生は人間にとって生きるに値しない」という有名な一言。 ソクラテスは社会を生きていなかったことが如実に伝わってくる。
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