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わがタイプライターの物語 の商品レビュー

3.8

12件のお客様レビュー

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2022/01/14

なんだかよくわからないが、アーティスティックでかっこいい本。 タイプライター、時々骨董屋さんでみかけてほしくなるがそのたびに自制しているものの一つである。

Posted byブクログ

2020/01/02

アメリカの作家ポール・オースターのエッセイ。 海外の作家の必需品と言えば、昔はタイプライター、今はパソコンでしょうか。手書きの人もいるのかどうかは知りません。 ポール・オースターは30年以上、ひとつの中古のタイプライターを愛用しており、すべての作品がこの機械で書かれたものです。パ...

アメリカの作家ポール・オースターのエッセイ。 海外の作家の必需品と言えば、昔はタイプライター、今はパソコンでしょうか。手書きの人もいるのかどうかは知りません。 ポール・オースターは30年以上、ひとつの中古のタイプライターを愛用しており、すべての作品がこの機械で書かれたものです。パソコンを使おうとした時期もあったそうですが、初期のパソコンは不安定で、せっかく書いた作品が瞬時に消え去るという体験を聞いて以来、新技術には目を向けず、この古いタイプライターを使い続けています。 絵の具を塗りたくったような面白いサム・メッサーの絵と、この古いタイプライターとのエピソードが綴られた楽しいエッセイです。

Posted byブクログ

2013/11/05

自分がずっと、何年も何十年も使ってきた「モノ」が他人に惚れられる、というのはどういう気分なのだろう。 しかもそれが芸術家(この場合は画家)、それも才能ある魅力的な作品を作る芸術家であり、その芸術家が自分の「モノ」を何度も何度もモデルにして作品を作ったとしたら。 これはそんな、オ...

自分がずっと、何年も何十年も使ってきた「モノ」が他人に惚れられる、というのはどういう気分なのだろう。 しかもそれが芸術家(この場合は画家)、それも才能ある魅力的な作品を作る芸術家であり、その芸術家が自分の「モノ」を何度も何度もモデルにして作品を作ったとしたら。 これはそんな、オースターがずっと使い続けているオリンピア・タイプライターの話。このタイプライターに一目惚れをしたサム・メッサーの絵が、39点収録されている。 オースターは作中で、自分が使い続けたタイプライターがサム・メッサーに何度も何度も描かれるようになって、「モノ」から「彼」へと変化したと綴っている。 そう言われてみると、サム・メッサーの絵がまるで、タイプライターそのものへのラブレターのように見えてくるのだから不思議だ。 内容自体は特に目新しいこともなく、文章もとても淡々としたものだが、その「出会い」は幸福なものだったのだろうな、と思うとなかなか味わい深い一冊だった。

Posted byブクログ

2013/08/30

 原稿用紙と万年筆もカッコイイけど、やはりタイプライターで執筆というシチュエーションに勝るものはないでしょう。しかし日本語で物を書く場合は、絶対にクリアーできない問題です。  村上春樹さんは、デビュー作をタイプライターで打ちたくて、出だしは英語で書いていたが、途中で止めた、と言う...

 原稿用紙と万年筆もカッコイイけど、やはりタイプライターで執筆というシチュエーションに勝るものはないでしょう。しかし日本語で物を書く場合は、絶対にクリアーできない問題です。  村上春樹さんは、デビュー作をタイプライターで打ちたくて、出だしは英語で書いていたが、途中で止めた、と言うのを何かで読んだ記憶があります。村上さんでも、そうしたいくらいタイプライターは魅力的なのでしょう。

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2012/09/14

絵 サム・メッサー/訳 柴田元幸。 小説というよりもどちらかと言えば画集と言った方が適切だと言える作品。 1974年以来、長年使っているオースターのタイプライターを見染めたサム・メッサーの絵が素晴らしい。ずっとタイプライターを使っているオースターの人となりと愛着が窺い知れますし、...

絵 サム・メッサー/訳 柴田元幸。 小説というよりもどちらかと言えば画集と言った方が適切だと言える作品。 1974年以来、長年使っているオースターのタイプライターを見染めたサム・メッサーの絵が素晴らしい。ずっとタイプライターを使っているオースターの人となりと愛着が窺い知れますし、彼の性格をわかった上でメッサーがタイプライターを見染めたのは間違いないでしょう。作者とともにいろんなところ(東京、パリなど)を旅したオリンピア製のタイプライターの何枚もの絵が素晴らしいのですが何と言ってもラストのニューヨークをバックに描かれた絵が個人的には一番気に入りました。 ポール・オースターに“ニューヨーク”、そして“タイプライター”は良く似合う。 メッサーとオースターとの絆は本作を通して深まったのでしょうが、このタイプライターでもって物語が紡がれているのかと、読者とオースターとの距離もわずか10分足らずで縮まった気がする感慨深い読書となりました。

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2011/04/09

こういう本って好きだなー。タイプライターへの愛が感じられる。 サム メッサーさんの油絵のタッチも素敵です。

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2011/03/07

捲れど捲れど出現するタイプライターの絵。 一筆一筆、絵の具が糸を引くまでたっぷりと載せられ伝わってくる愛、愛、愛、愛、愛という気持ちがものすごく愛おしかった。この世のもの全て、大切にされて尚一層輝くものしかないのである。 タイプライターにしかり、本にしかり、人間だってそう。 果た...

捲れど捲れど出現するタイプライターの絵。 一筆一筆、絵の具が糸を引くまでたっぷりと載せられ伝わってくる愛、愛、愛、愛、愛という気持ちがものすごく愛おしかった。この世のもの全て、大切にされて尚一層輝くものしかないのである。 タイプライターにしかり、本にしかり、人間だってそう。 果たして自分はこれほどまで一つのものに愛をたっぷりぶつけることが出来るのだろうか。

Posted byブクログ

2011/07/19

Pipoさんにとっては図書館本ということでしたが、私の現在の生活圏内(というか、長距離移動するか家に籠るか、いずれかの極端な生活をしているものでして)に「定期的に通えるちゃんとした図書館」がないもので、ネット古書で探しました。お蔭様で、スリップ入りの新本を、かなりの安価で手に入れ...

Pipoさんにとっては図書館本ということでしたが、私の現在の生活圏内(というか、長距離移動するか家に籠るか、いずれかの極端な生活をしているものでして)に「定期的に通えるちゃんとした図書館」がないもので、ネット古書で探しました。お蔭様で、スリップ入りの新本を、かなりの安価で手に入れることができました(ほんとうにこんなんでいいのかな、書籍流通?)以上、前口上。いろんなことを考えました。ポール・オースターが、今でも(少なくとも2005年現在)、手書き原稿をタイピングしているということ。筆記具によって文章が違ってくることは、皆様ご承知のことでしょう。手書きだと筆跡まで微妙に変化しますものね。以前「柴田元幸訳に対する微妙な違和感」なんて話をしたはずですが、この書についてはそんなことは感じませんでした。サム・メッサーの絵も見事、この書は彼との「共著」と言うべきほどのものですね。タイプラターについて「それ」が「彼」に変わった、って、よくわかります。私は自分の持ち物に、ほとんど人称代名詞をもって呼びかけます。名前のついているものもかなりあります。相棒であるところの「モノ」には、そのように接するのが自然ではないでしょうか。「日本語入力システム」ということを考え合わせてみると、タイプラターはいいなあ、とも思います。(現在、「とても優秀ではない」入力システムを使うことを余儀なくされているので、尚更そう感じます)。それでも、文字を「刻んだ」時代から考えると、われわれは如何ほどラクをしていることでしょう。功罪いずれもでしょうが、「よいこと」が多いのも、認めます。でも、駄文をオンラインで撒き散らすばかりではなく、じっくり読む、とかじっくり書く、とか(たまには紙に書きなぐる、とか)とにかくわれとわが身の中でバランスを取らねばなあ、などとも考えたことでした。…、と、あれこれ書きました(これは書いたのか打ったのか?)が、なかなか愛らしい1冊です。私にも、オースターのタイプラターが「彼」に見えてきました。カヴァーもいいけど、それを剥がした体裁は、素敵ですね、この本に限っては、カヴァーを外した状態で配架しようかしら。以下は、余談。わが「恩師」と仰ぐ先生は、「丸善二百字詰め原稿用紙にペンで縦書でないと、論文とは認めない」って方でした。すでに学生が個人のワープロを持ってるのがほとんど当然の時代に、です。(さすがに、今は学生にそんな無茶は言ってないみたいですが)。それで、御本人はいまでも原稿は万年筆手書きです、お見事。もう一人、原稿用紙に鉛筆書きを貫いている先生も知っています。周囲はそれなりに苦労していますが、それもまた苦にならぬほどの、立派な先生方です。

Posted byブクログ

2009/10/04

 オースターが、絵日記を書けばこのようになるって感じの一冊。しかし彼のファンにとっては、見逃せない一冊。

Posted byブクログ

2009/10/07

誰もがデジタルに改宗するなかで、私は最後に1人残った異端の徒のようになっていった。でも気にしなかった…。オースターとオリンピア・タイプライターとの睦まじい関係を綴る本当の話。カラー挿画とスケッチ39点も収録。

Posted byブクログ