1,800円以上の注文で送料無料

藤田嗣治「異邦人」の生涯 の商品レビュー

4

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/05/02

「藤田の猫」が好きで (表紙の猫もいい顔してる) 藤田に関するあれこれ 本人側と一般に言われてる側と 両方を丁寧にピックアップ されていたので 自分の中で藤田の性格を 考察出来て良かった 軽井沢にある藤田の美術館に いつか行ってみたいな 岐阜駅本の市にて購入

Posted byブクログ

2022/11/20

本人が全てを語っているわけではないので、何が真相なのかは謎のまま。だけど、作品のもつ美ではなく作者の人間性を追っているからか、作風の変化に納得できた気がする。良書。

Posted byブクログ

2021/12/25

藤田嗣治は5回結婚したと言われているが、フランス人との結婚は全て藤田が捨てられ、別れても金銭や生活の援助をしたそう。パーティーでの奇行も有名だが、酒が飲めず素面で美術界で残る為の必死のパフォーマンスをしていたそうな。解説本は3冊読んだが、藤田の印象がそれぞれ違った。こちらは良い面...

藤田嗣治は5回結婚したと言われているが、フランス人との結婚は全て藤田が捨てられ、別れても金銭や生活の援助をしたそう。パーティーでの奇行も有名だが、酒が飲めず素面で美術界で残る為の必死のパフォーマンスをしていたそうな。解説本は3冊読んだが、藤田の印象がそれぞれ違った。こちらは良い面を知れる本。

Posted byブクログ

2021/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美術館で絵を見た。年譜に沿って進む展示された絵は、年を追うごとに表情が変わっていた。添えられた彼の紹介文には、いつも別の名の女性が居た。移り気な画家なのだろうか。フランスで若かりし時を過ごしたかと思えば、メキシコやアメリカや中国を見る。面白そうな人生だ。そう感じて知りたくなり、手に取った本だった。  読み終えて感じたのは、彼は人生を通して芸術に真摯だったということ。それ故の変化であり、大胆に見える行動であり、いで立ちであった。彼を知ることができてよかった。それだけで嬉しいと思ってしまった。わたしがまだ、彼のエコール・ド・パリを過ごした年齢ほどであるからだろうか。  彼が見た日本と、フランス、そして世界は、絵を通してであったが、それがまごうことなき世界そのものであった。この本を通じて垣間みることができ、貴重な体験をしたように思う。 

Posted byブクログ

2019/03/06

藤田嗣治の人生の軌跡を辿ったノンフィクション。 予備知識の無い状態で読んだため、最後まで非常に興味深く読めた。 藤田のモンパルナスでの著名な画家との交流や活躍を知り非常に驚いた。 日本帰国後は第2時世界大戦中に戦争画を描いた事により、同僚の集まりであるはずの日本美術会から戦争犯罪...

藤田嗣治の人生の軌跡を辿ったノンフィクション。 予備知識の無い状態で読んだため、最後まで非常に興味深く読めた。 藤田のモンパルナスでの著名な画家との交流や活躍を知り非常に驚いた。 日本帰国後は第2時世界大戦中に戦争画を描いた事により、同僚の集まりであるはずの日本美術会から戦争犯罪者にリストアップされる。 その後フランスに帰化し平穏な日々を過ごせた事が救い。終生日本画壇での評価の低さや軋轢に苛まれた人生であり、藤田を批判し続けた当時の日本画壇に苛立ちを感じた。

Posted byブクログ

2019/01/19

以前は個性的な画風があまり好きではなかったのだが、フジタ氏の人生に興味が湧き、購入してみた。異国に居れば日本人であることをいやでも意識せざるを得ない。それなのに日本では国賊のような扱い。寄る辺ない魂を受け入れてくれたフランスに帰化したのは必然だった。 やはり画家の人生を知ると絵の...

以前は個性的な画風があまり好きではなかったのだが、フジタ氏の人生に興味が湧き、購入してみた。異国に居れば日本人であることをいやでも意識せざるを得ない。それなのに日本では国賊のような扱い。寄る辺ない魂を受け入れてくれたフランスに帰化したのは必然だった。 やはり画家の人生を知ると絵の見方、感じ方は変化する。今では大好物だ。

Posted byブクログ

2018/10/25

きっかけは上野で開催されていた、没後50年藤田嗣治展。 時の流れとともに、描く対象がかわり、タッチがかわる様子を見て、藤田嗣治さんの人生や人となりに興味をもった。 日本に捨てられたとかんじながらも、日本を愛していた藤田嗣治さん。遠い人のように感じるが、奥様が最近までご存命だったと...

きっかけは上野で開催されていた、没後50年藤田嗣治展。 時の流れとともに、描く対象がかわり、タッチがかわる様子を見て、藤田嗣治さんの人生や人となりに興味をもった。 日本に捨てられたとかんじながらも、日本を愛していた藤田嗣治さん。遠い人のように感じるが、奥様が最近までご存命だったと知ると、さほど昔の人ではないように感じるから不思議。もっと彼のことを知りたいと思った。また違う角度から彼を語る作品も読んでみたい。フランスには興味がなかったけど、彼の愛し迎えてくれたフランスにも少し興味がわいた。ぜひ彼が作った教会や晩年のアトリエにも訪れてみたい。モアフジタ!もっともっと!と思わせてくれる良書。

Posted byブクログ

2018/09/19

ピカソ、マティス、シャガールと並び称された近代の日本美術の巨匠、藤田嗣治の伝記。 だいぶ前に吉祥寺のデパートで藤田嗣治展を観た時に長年展覧会を拒否してきた夫人が亡くなったので開催出来るようになったと説明されたのを覚えています。それから美術館で企画展がある度に観に行って、2年前の...

ピカソ、マティス、シャガールと並び称された近代の日本美術の巨匠、藤田嗣治の伝記。 だいぶ前に吉祥寺のデパートで藤田嗣治展を観た時に長年展覧会を拒否してきた夫人が亡くなったので開催出来るようになったと説明されたのを覚えています。それから美術館で企画展がある度に観に行って、2年前の府中市美術館での藤田嗣治展で戦争画を観て驚嘆したのを覚えています。そして今年箱根のポーラ美術館で藤田嗣治の特別展示を観ると同時にこの本を読了しました。読んで夫人が拒否してきた背景がよくわかりました。 パリで成功した藤田を悪意を持って拒絶した日本の画壇とメディア、そして戦後は画壇、メディアに加えて友人にまで裏切られ、日本を去りフランス国籍を取得、日本国籍を抹消するまでに至った心情に共感し、日本の美術界に怒りをおぼえます。現代のスポーツ界(レスリング、アメフト、ボクシング、体操等)の古い体制擁護の問題と同じ構図を感じます。 来週は東京都美術館で開催されている藤田嗣治展に行って、是非レオナールフジタの世界を楽しみたいと思います。

Posted byブクログ

2017/12/28

日本人に生まれながら、晩年フランス人に帰化した藤田。 渡仏して名が売れ出せば、批判され、日本のためにと思って戦争画を書けば、批判され、日本では不遇の扱いを受けた。そんな日本に対して、当てつけのために帰化したと思っていたが、どうやらそうではなさそうだ。 それにしても、当時の日本美術...

日本人に生まれながら、晩年フランス人に帰化した藤田。 渡仏して名が売れ出せば、批判され、日本のためにと思って戦争画を書けば、批判され、日本では不遇の扱いを受けた。そんな日本に対して、当てつけのために帰化したと思っていたが、どうやらそうではなさそうだ。 それにしても、当時の日本美術界の人々などの彼に対する扱いは、腹が立つほどである。 嫉妬からなのか、醜いばかりである。 藤田といえば、「乳白色の肌」で有名であるが、あれはキャンバスに細工をしているようだ。 非常に研究熱心であることに驚いた。 以前、藤田の戦争画を見たことがあるが、戦意高揚のために書かされたのだと思っていたが、本書を読み、絵を見返してみると戦意高揚のメッセージを受けることはない。 彼自身が語っているように、それらは政治的色彩を持たず、純粋に芸術として書かれたもののようである。 藤田の絵の良さを最近感じることがあり、本書を手に取ったが、その人となりも、神秘的で魅力的だったのだろう。 本書はとにかく読みやすかった。

Posted byブクログ

2015/11/22

実にオモシロかったです。そして、帰国子女体験がある人には、ちょこっと身につまされる、人生の物語。 藤田嗣治さんというと、パリでフランス人化してしまった、「猫」の画で有名なヒト。…という以上の知識は無かったのですが、衝動買い。 買ってから、作者がNHKのドキュメンタリーのディレク...

実にオモシロかったです。そして、帰国子女体験がある人には、ちょこっと身につまされる、人生の物語。 藤田嗣治さんというと、パリでフランス人化してしまった、「猫」の画で有名なヒト。…という以上の知識は無かったのですが、衝動買い。 買ってから、作者がNHKのドキュメンタリーのディレクターさんである、ということを知りました。 藤田嗣治さんの「一般的に知られている像」を検証して覆す訳です。 ただ、僕もそうですが「一般的に知られている像」を知らない人が読んでも面白いように書かれています。 戦前の人です。それなりに裕福な家に育ち、画家を志す。若くして渡仏。 1920年代、「ベル・エポック」と呼ばれた、二つの世界大戦の間の幸せな時期のパリで大活躍。 ※ウディ・アレン監督の映画「ミッドナイト・イン・パリ」の世界ですね。 ヘミングウェイやらマン・レイやらと、パリの社交界の寵児に。 モデルをはべらせ、和服で奇行の数々。東洋趣味でゴシップ記事に。 一部(特に日本人)からは、やっかみ半分、「日本の恥」と。 戦前戦時中に日本に帰国。「戦争画」と呼ばれる絵を大量に描く。 従軍したり、情報を聴いて、基本線として「日本軍、かく勝った」という画を描いて戦意高揚に努める。 戦後はGHQと仲良くする。 「戦犯」「戦争責任」「恥知らず」と言われる。 晩年はまたパリに移住。フランス国籍を取って、日本国籍を破棄。 そのままそれなりの巨匠として死亡。 …というのが、「一般的に知られている像」であるわけです。 これを、検証していく。 戦前、1910年代に渡仏して、画家になる苦労。まず画家の社交界に認められる苦労。 目立つための奇行は確かにあった。だがそれ以上に、物凄い画家としての研鑽。技術力。 想像を絶する貧しい20代の日々。その中で培われた友情や交流。 何より絵画にオリジナリティを追求する姿勢。西洋のど真ん中で、日本人としての独自性を探っていく。 そしてたどり着いた、日本画でも西洋のマネでも無い、フジタの画、の技法。 そして、最晩年まで拘束された、「軍医の息子」としての血の重み。父への想い。母への想い。 結果論ではなく、同時代で想像していくと、ごくごく自然に戦争画へと向かって行く。 そしてその戦争画も、必ずしも戦争という行為を賛美している訳ではない。 「ノモンハンの画」が実は2枚あった。もう1枚は戦争の悲惨を描いていた、というミステリー。 戦争画、というジャンルすら結果論であって、日本の人々の励みになる、日本の人々に影響を及ぼしたい、という、日本人としての意識。 そして戦後。価値観がひっくり返る中での、政治的すぎる批判。 フランスに戻ってからの、ベル・エポックの慣れの果ての風情と、キリスト教に帰依しての晩年。 そして最後までの複雑な日本への想い。 書き残した、自分の生涯の告白。 日本でも、フランスでも、所詮は異邦人であったという。これ、帰国子女にはちょこっと共感しやすい内容(笑)。 いやあ、これは実に面白い本でした。ある種の20世紀という歴史に記録でもあり、昭和時代という時代の裏面史です。もちろん、ベル・エポックってどういう時代?というナルホドも楽しめます。 そして、電子書籍で読んだのですが。 見たことない絵画を、題名で検索してネットで画像で見れる(笑)。これ、実はモノスゴい愉しさでした。

Posted byブクログ