戻り川心中 の商品レビュー
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大正・昭和の男と女を優美な花が彩るミステリー短編集。 どの物語も真実に近づいていくのが心地よく、ただ流れに身を任せて楽しんだ。 短編であるということを忘れるほど濃厚で没入してしまう。匂い立つ花の余韻を噛み締めながら、ずっと浸っていたい美しさ。 粋で情緒のある物語世界を堪能した。
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非情に評価の高いミステリー。恋愛小説か探偵小説かと言われるほど美してくて静寂な雰囲気。しかし、私にはこの静寂感が苦手です(笑)。謎というより真相はそうだったと言う解明部分は面白いところもあるのですが、何よりも苑田岳葉の行動に全く感情移入できなかったです。相性の問題だからしょうがな...
非情に評価の高いミステリー。恋愛小説か探偵小説かと言われるほど美してくて静寂な雰囲気。しかし、私にはこの静寂感が苦手です(笑)。謎というより真相はそうだったと言う解明部分は面白いところもあるのですが、何よりも苑田岳葉の行動に全く感情移入できなかったです。相性の問題だからしょうがないなあ。
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ミステリーを楽しむぞ〜ってより、各話の情景描写を味わう1冊だった。 というか、こういう文学的な話は読み慣れてないので、雰囲気を噛みしめるので、手一杯だった⤵︎ ︎。 私的なヒットは、藤の香 次点で桔梗の宿と戻り川心中かな
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皆さまが感想を書かれているように、文学作品であり、ミステリーである珍しい作品だと思いました。 文学っぽくはあるけどミステリー色が強いものは多いけど、ここまでバランスがとれているのは、この作品ならでは。 全体的に暗い時代背景のため、本や文字自体も寂しい雰囲気が漂っていて、元気が...
皆さまが感想を書かれているように、文学作品であり、ミステリーである珍しい作品だと思いました。 文学っぽくはあるけどミステリー色が強いものは多いけど、ここまでバランスがとれているのは、この作品ならでは。 全体的に暗い時代背景のため、本や文字自体も寂しい雰囲気が漂っていて、元気がない時に読むのは、やや危険な気もする。 心が、もっていかれそう。
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ずっと気になっていた作家の本。 とにかく「美しい」という評価がついていたけど、その通り。 こんなに美しい文体の推理小説は読んだことない。 ミステリーとしても極上。あっと驚く展開で引き込まれる。 読み終わるたびにため息をついてしまう。 一番好きなのは「桔梗の宿」 暴かれる真実のあ...
ずっと気になっていた作家の本。 とにかく「美しい」という評価がついていたけど、その通り。 こんなに美しい文体の推理小説は読んだことない。 ミステリーとしても極上。あっと驚く展開で引き込まれる。 読み終わるたびにため息をついてしまう。 一番好きなのは「桔梗の宿」 暴かれる真実のあまりの美しさに、最後だけ何回も読み直してしまった。
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大正から昭和初期の時代設定で雰囲気が良いです。5つ短編集なのに内容が濃くて読み応えがあります。 ミステリーですが、トリックとか犯人が誰なのかというよりもとにかく動機が衝撃的で面白い。 個人的には「白蓮の寺」が一番面白かったです。
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遊興町の裏手で男の死体が見つかった。その手には桔梗の花、何かを知るのは花街には相応しくない大人しい少女…(『桔梗の宿』)、私の記憶の中の、女が男を殺している姿がはっきりと残っている。あれはもしかして、母と父なのだろうか…(『白蓮の寺』)など全五編。 やっと読めた!物悲しくて、美...
遊興町の裏手で男の死体が見つかった。その手には桔梗の花、何かを知るのは花街には相応しくない大人しい少女…(『桔梗の宿』)、私の記憶の中の、女が男を殺している姿がはっきりと残っている。あれはもしかして、母と父なのだろうか…(『白蓮の寺』)など全五編。 やっと読めた!物悲しくて、美しい短編集。語り口がその当時のものなので慣れが必要だけど、だからこそ昭和の美しい映画のようで雰囲気が素敵。短編なのに一話ずつの世界観の作りが完璧で、謎も作り込まれていて解決も鮮やか。『桐の棺』と『白蓮の寺』が特に好きかな。そして図書館にあった本が単行本第一刷で驚き。
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藤の香 桔梗の宿 桐の柩 白蓮の寺 戻り川心中 初連城作品。 オールタイム・ベストにランクインしている短編というところに興味を持って手に取った。 一編一編は長さもなく、叙情的で美しい文章なのでスルッと読めるかと思いきや、恋愛小説のような読み心地からの謎解きへというどんでん返し...
藤の香 桔梗の宿 桐の柩 白蓮の寺 戻り川心中 初連城作品。 オールタイム・ベストにランクインしている短編というところに興味を持って手に取った。 一編一編は長さもなく、叙情的で美しい文章なのでスルッと読めるかと思いきや、恋愛小説のような読み心地からの謎解きへというどんでん返しや、その余韻で一編読んだ後次に取り掛かるのに時間がかかり、数日かけての読了となった。 口語体のためか読点が多いのが、私にはちょっとした癖のあるように感じられて、それも読むのに時間がかかった理由かもしれない。 どれも謎解き要素はとても論理的なのに、謎が謎じゃないようなどんでん返しの繰り返し。すごかった。 表題作の戻り川心中は、なるほど評価が高いわけだと納得。 苑田岳葉の歌人としての執念のようなものと、その蜘蛛の糸のような執念に掛かってしまった女性たちの物語に圧倒された。 一番ミステリ的だと思ったのは桐の柩かな。 こういう描かれ方じゃなければ、トリックとしてそう特筆すべきところがある感じではないんだけど、文章の流麗さで結末に驚かされた。 こういう推理小説もアリなんだな…
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その美しさで名高い本作の文章で綴られる大正~昭和初期の少し暗い時代の空気と人々の情念と悲しさにすっかりはまりこみ、ミステリーであることを忘れて読みました。
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