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戻り川心中 の商品レビュー

4.1

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

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2021/12/07

美しい文章に引き込まれ、推理することも忘れ淡々と読んでしまいました。 ちゃんとストーリーはミステリーなのですが、ミステリーを読んでいないかのような感覚に陥りました。(自分でも何を言ってるのかよくわかりません笑) 恋と花をモチーフにした短編が5つ収録されていますが、どれも本当に...

美しい文章に引き込まれ、推理することも忘れ淡々と読んでしまいました。 ちゃんとストーリーはミステリーなのですが、ミステリーを読んでいないかのような感覚に陥りました。(自分でも何を言ってるのかよくわかりません笑) 恋と花をモチーフにした短編が5つ収録されていますが、どれも本当に面白い! トリックよりも動機に重きを置いているのが好みです。 なかでも「桔梗の宿」が好きです。

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2021/11/08

以前読んだ『夜よ鼠たちのために』という短編があまりにも素晴らしく、是非他の作品も読んでみたいと思っていた。 大正から昭和にかけて、まだ女性がモノのように売られたり買われたり、それが当たり前だった時代のお話。 モノのような扱いを受けたって、人間なのだから感情はある。体が女になれば、...

以前読んだ『夜よ鼠たちのために』という短編があまりにも素晴らしく、是非他の作品も読んでみたいと思っていた。 大正から昭和にかけて、まだ女性がモノのように売られたり買われたり、それが当たり前だった時代のお話。 モノのような扱いを受けたって、人間なのだから感情はある。体が女になれば、まだ子どもといえる年齢でも、気持ちも女になっていく。 今のように、男性も女性も同等の権利を持つ(または持つことが当たり前とする)社会しか知らない人から見たら、こんな世界はきっとおぞましいおとぎ話みたいに思えるのかもしれない。 花にまつわる・・・という話ではない、でも物語の中で情景の一部である花たちは、そのどれもが哀しい美しさを纏い、わたしたちの胸を苦しくさせる。 ミステリーと呼ぶにはあまりにも文学的過ぎる、泉鏡花を彷彿とさせるような短編集。 それが故に、普通に読むには難しい、または退屈だ、物足りないとさえ思うかもしれない。することをすべて済ませてしまった夜に、お酒でも飲みながらじっくり向き合いたい本だと思う。

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2021/10/11

「屍人荘の殺人」に出てきたので読んでみたシリーズ これは・・・すごい!! こんなに美しい文章とミステリーが両立するなんて! でもトリックとかそんなんじゃない、でも立派にミステリー これが花葬シリーズ!!てなった

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2021/10/02

舞台は明治から昭和。慣れない文体だったが、綺麗な文章ですっと入ってきた。罪、推理小説でも「花」がテーマになっていて、どこか切なく美しく、儚さが漂っていた。

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2021/09/26

5つの短編から構成されている。 どれも花と犯罪が結びついており、花葬シリーズとして有名だそう。本書を読む前に屍人荘の殺人を読み、その一文で「館シリーズといえば綾辻行人、では花葬シリーズといえば?」と聞いた明智に対して主人公は連城三紀彦、と答える。恥ずかしながら連城三紀彦の名すら知...

5つの短編から構成されている。 どれも花と犯罪が結びついており、花葬シリーズとして有名だそう。本書を読む前に屍人荘の殺人を読み、その一文で「館シリーズといえば綾辻行人、では花葬シリーズといえば?」と聞いた明智に対して主人公は連城三紀彦、と答える。恥ずかしながら連城三紀彦の名すら知らず、さっそく図書館で取り寄せました。 ここ最近サラサラと読書していましたが、この本は何と言っても時間がかかる。そして短編とは思えない重厚感。ずっしりとしています。時代背景が大正前後の物語というのもあるとはいえ、書かれている内容にのめり込もうとすればすれほど、疲労感を覚えました。(マイナスの意味ではなく、しっかりと理解しようと読み進めた結果、1話ごとに眠気が訪れるほど私にはなれない文体と言葉遣いでした) 単なる推理小説というより、詩のような美しい言葉や繊細な情景表現が組み合わされた本だと思います。5話全ての風景が鈍色で、対照的にそれぞれのモチーフの花が色濃く輝いているように感じました。好きな話は藤の香です。

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2021/03/14

<花葬シリーズ>と銘打たれた短編集。連城氏の紡ぐ文章の美しさは当然知っていたものの、大正という前時代の日陰を生きる登場人物達の姿と相まって、無常感がより一層際立っている。全編【悲恋】がテーマで、前半三作品は思わず『切ないなぁ…』と口に出してしまった程。型破りなトリックが違和感なく...

<花葬シリーズ>と銘打たれた短編集。連城氏の紡ぐ文章の美しさは当然知っていたものの、大正という前時代の日陰を生きる登場人物達の姿と相まって、無常感がより一層際立っている。全編【悲恋】がテーマで、前半三作品は思わず『切ないなぁ…』と口に出してしまった程。型破りなトリックが違和感なく溶け込む舞台設定を作り上げる構成力には思わず感服。トリッキーな表題作が成立し得るのも世界観の積み上げあってこそ。それ故に書き込みが不十分な「白蓮の寺」は奇抜さの方が目に付いてしまった。年明け早々凄い作品を読めて幸先良いスタート。

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2021/12/30

知人に強く薦められて読みました。 良くできてるな~とは思いましたが、そこまでです。 短編集ですが、表題となっている最後の作品があまり受け入れられませんでした。

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2020/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大正・昭和の男と女を優美な花が彩るミステリー短編集。 どの物語も真実に近づいていくのが心地よく、ただ流れに身を任せて楽しんだ。 短編であるということを忘れるほど濃厚で没入してしまう。匂い立つ花の余韻を噛み締めながら、ずっと浸っていたい美しさ。 粋で情緒のある物語世界を堪能した。

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2020/11/04

非情に評価の高いミステリー。恋愛小説か探偵小説かと言われるほど美してくて静寂な雰囲気。しかし、私にはこの静寂感が苦手です(笑)。謎というより真相はそうだったと言う解明部分は面白いところもあるのですが、何よりも苑田岳葉の行動に全く感情移入できなかったです。相性の問題だからしょうがな...

非情に評価の高いミステリー。恋愛小説か探偵小説かと言われるほど美してくて静寂な雰囲気。しかし、私にはこの静寂感が苦手です(笑)。謎というより真相はそうだったと言う解明部分は面白いところもあるのですが、何よりも苑田岳葉の行動に全く感情移入できなかったです。相性の問題だからしょうがないなあ。

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2020/10/13

ミステリーを楽しむぞ〜ってより、各話の情景描写を味わう1冊だった。 というか、こういう文学的な話は読み慣れてないので、雰囲気を噛みしめるので、手一杯だった⤵︎ ︎。 私的なヒットは、藤の香 次点で桔梗の宿と戻り川心中かな

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