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安徳天皇漂海記 の商品レビュー

3.8

33件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

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2009/10/07

2007.09.弟1部が入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話.第2部はマルコ・ポーロとクビライ・カーンに追われる宋の最後の幼帝.そして安徳天皇と宋の幼帝との話.とっても難しかったけど、それなりに面白い.

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2009/10/04

 直木賞候補。  面白かったけど、あんまりしっくりこなかった。なんかベタ褒めされてるレビューをよく見るんやけど、あたしはいまひとつ入っていけなかった。古典的な教養がゼロだからいけなかったのかもしれない。  文体も味はあったけど、素直に頭に入ってこないで読みにくかった。これも教...

 直木賞候補。  面白かったけど、あんまりしっくりこなかった。なんかベタ褒めされてるレビューをよく見るんやけど、あたしはいまひとつ入っていけなかった。古典的な教養がゼロだからいけなかったのかもしれない。  文体も味はあったけど、素直に頭に入ってこないで読みにくかった。これも教養がないからあかんのかもしれない。  設定だけ抜き出して書くと「日本版ダ・ヴィンチ・コード」かなぁ。内容違うし、もっと「小説」やっているのでこれだけを見ると誤解されそうやけど。  あんまりオススメしません。

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2009/10/04

●ひとり1ジャンル作家・宇月原晴明氏による本作は、『高丘親王航海記』を下敷きにして、壇ノ浦の戦いから元寇までを読み替えたもの。 こう言う特殊なタイプの作家さんは、決して一般受けはしませんが、ハマる人はハマります。 歴史・神話・古典文学・神秘的・特殊能力的・バロック的(?)な幻想小...

●ひとり1ジャンル作家・宇月原晴明氏による本作は、『高丘親王航海記』を下敷きにして、壇ノ浦の戦いから元寇までを読み替えたもの。 こう言う特殊なタイプの作家さんは、決して一般受けはしませんが、ハマる人はハマります。 歴史・神話・古典文学・神秘的・特殊能力的・バロック的(?)な幻想小説が好きな人に、向いてるのではありますまいか。 私は別にファンてわけではないんですが、皆川博子さんが絶賛していたので、読んでみました。  ●『信長 戴冠せるアンドロギュヌス』の時も感じましたが、こう言う形式の小説は、ベースになるお話とリンクさせる歴史ネタがいかに綺麗に対称化するかで、自分の評価は五割確定。 後の五割は、元ネタを生かしつつ、どれだけ元ネタ越えをしてくれるか。 この元ネタ越えですねえ・・・・。 評価の定まった小説を元にしてるから当然とは言うものの、やはりヘリオガバルスや高丘親王越えは難しい。 多田智満子さんの神秘ゴージャス訳文の見事さは比類ないし、天下の澁澤は言わずもがな。 宇月原作品は決して悪かないし面白いはずなんだけど、どうしても比較しながら読んでしまうよなあ。残念。  ●一般的に評価は高いようなので、時間の無駄ってことにはならないでしょう。 幸福な出会いを味わえるかもしれません。

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2009/10/04

第1部は、入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話を実朝側近の目から描いた話。 ◆ 吾妻鏡や古典の文章を引用しているので多少読みづらかったものの詩人王実朝の哀しみがひしひしと伝わってきました。 ◆ 第2部では一転して中国へ。マルコ・ポーロとクビライ・カーン、そしてカ...

第1部は、入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話を実朝側近の目から描いた話。 ◆ 吾妻鏡や古典の文章を引用しているので多少読みづらかったものの詩人王実朝の哀しみがひしひしと伝わってきました。 ◆ 第2部では一転して中国へ。マルコ・ポーロとクビライ・カーン、そしてカーンに追われる宋の最後の皇帝趙へい。 ◆ 二人の哀しい天子の運命。 ◆ 情景の美しさと言葉の美しさ、そして史実をファンタジーとしてまとめ上げた想像力。例の受賞作より面白かったです。 ◆ 実朝を描く作品を探して読みたくなりました。

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2009/10/04

あれ?何が面白いのか全然わかりませんでした。物語はスイスイ読み進めましたが、「いつ面白くなるんだろう?」と思ってる間に読み終わってしまった。もうちょっと、読み応えがあるほうが、私は好きです。 「安徳天皇」と聞くと、諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズ『海竜祭の夜』を思い出してしまいま...

あれ?何が面白いのか全然わかりませんでした。物語はスイスイ読み進めましたが、「いつ面白くなるんだろう?」と思ってる間に読み終わってしまった。もうちょっと、読み応えがあるほうが、私は好きです。 「安徳天皇」と聞くと、諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズ『海竜祭の夜』を思い出してしまいます。 装丁は、ミルキーイソベ。この人の装丁は、最初は好きだったけど、どれも一緒ですよね?

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2009/10/04

安徳天皇と大宋最後の皇帝の触れ合い、それを見届けるマルコ・ポーロ。二人の悲劇の皇帝の行く末に、かなり引き込まれました。

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2009/10/04

タイトルが澁澤の「高丘親王航海記」に似てると思い奥付見たらちゃんと名前が挙がっていたので、ああわざとか、と。とりあえず読んでみようと読み始めたら、なにこれ?面白すぎる!ということで半日で読了。二部構成で、一部は源実朝の近習の一人称、二部はマルコ・ポーロ視点の三人称で書かれている。...

タイトルが澁澤の「高丘親王航海記」に似てると思い奥付見たらちゃんと名前が挙がっていたので、ああわざとか、と。とりあえず読んでみようと読み始めたら、なにこれ?面白すぎる!ということで半日で読了。二部構成で、一部は源実朝の近習の一人称、二部はマルコ・ポーロ視点の三人称で書かれている。帯を読んで改変世界もの?と思ったのだけど違った。史実と神話とfictionを巧みに融合した上質のファンタジー、といったところか。文章を読んで浮かんでくるイメージの美しいこと豊かなことといったらもう! 今のところ2006年読んだ本のナンバーワン。読んだ後で山本周五郎賞受賞。直木賞は残念でした。

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2009/10/04

ジパングの若き詩人王は詠い、巡遣使マルコ・ポーロは追う。神器に封じられた幼き帝を 壇ノ浦から鎌倉、元、滅びゆく南宋の地へ。海を越え、時を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。 【感想】 http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50690806...

ジパングの若き詩人王は詠い、巡遣使マルコ・ポーロは追う。神器に封じられた幼き帝を 壇ノ浦から鎌倉、元、滅びゆく南宋の地へ。海を越え、時を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。 【感想】 http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50690806.html

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2009/10/04

幻想歴史小説(?) 装丁がまずいい!!歴史に翻弄され、彷徨う魂は気高く悲しい。とても映像的な作品だと思いました。

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2011/09/07

 第19回山本周五郎賞受賞作の本書。 題名からして澁澤龍彦『高丘親王航海記』へのオマージュなのでしょうか。 素晴らしい!!!ただただそのひと言。史実と虚構が見事に絡み合っていて、夢幻的な物語を紡ぎ出しています。 壮大で豪奢で幻想的な作品世界に酔いしれ、そして滅び行くものへの哀切で...

 第19回山本周五郎賞受賞作の本書。 題名からして澁澤龍彦『高丘親王航海記』へのオマージュなのでしょうか。 素晴らしい!!!ただただそのひと言。史実と虚構が見事に絡み合っていて、夢幻的な物語を紡ぎ出しています。 壮大で豪奢で幻想的な作品世界に酔いしれ、そして滅び行くものへの哀切で、胸が締めつけられる作品です。嗚呼(涙)。  何がすごいって、壇ノ浦での平家滅亡から詩人将軍実朝の死、南宋滅亡、そして元寇まで、時空を超えてずずずずずーーーーーーっと幼帝・安徳天皇で繋がってるってこと。源氏(盛者)への尽きぬ恨み、まだ見ぬ波の彼方の都市への憧れを抱いて神器に封じられて眠る少年天皇の設定が、すんごくいいのよね。鳥肌が立ちました。(三種の神器で行方不明である草薙剣への言及。なるほど!こんな解釈が!) 第1部は側近の人物のモノローグによって綴られる鎌倉最後の将軍である実朝のエピソード。実朝の死の裏には実はこんなことがと、史実の隙間を奇想で膨らませ魅せてくれて、つい信じてしまいそうになります。すごく説得力があるんですよね。今まで見知っていた実朝像とはまるで違う聡明な詩人将軍の姿を見て満足。そしてその非業の死がこう繋がって、そうくるのか!で驚くのと同時に、1章の最後のページで、胸の奥からこみ上げてくるものが。嗚呼。 1章を読んでいて最大の謎は、「この語り手は誰で、なぜなんために誰に対して物語っているのか」だったんですが、2章のマルコ・ポーロ篇で疑問氷解。と同時に、1章がまるごと2章への伏線になっている構成の妙と、その繋ぎ方の滑らかさに舌を巻きました。 2章の前半でメインとなるのは、波の彼方の都市へ向う途中で巡り合った安徳天皇と同様に国なき少年皇帝との交感、そしてその最期。すべてを奪い取られた少年皇帝同士、二人の姿が重なって見えてしまって、ただただ切なくて悲しかったです。 読んでいるうちに次第に強くなってくるのは「安徳天皇の魂は、どうしたら救われ、安らかになるのか?」という思い。広げに広げた風呂敷を、いかに美しく畳むのかと、固唾を飲んで見守っていたんですが!なるほど!そうそう、確かにこの作品は澁澤龍彦『高丘親王航海記』へのオマージュとしての一面も持ってましたもんね!あの人物まで登場させてしまうなんて!と驚きながら、幻想的で荘厳なクライマックスではただただ感動。このクライマックスを見守るためにカーンの目、カーンの耳たる巡遣使マルコ・ポーロが配されていたのね、と納得しました。感動で胸が震えながらも、頭を過るのは「諸行無常、盛者必衰」の平家物語冒頭の言葉。平家を倒した源氏も三代で滅び、源氏に代わった北条氏も、元寇を企て宋を滅ぼした元もまた…。(そうそうマルコ・ポーロと言ったら「黄金の島ジパング伝説」なんですが、上手に作品に取り込んでますな!解釈の仕方に、思わず脱帽です。) 今までに読んだ宇月原作品では『聚楽』が一番好きだったんですが、史実の縛りがあるゆえか、クライマックスがイマイチ盛り上がらなくって不完全燃焼でぶすぶすだったんですが、いやー。この作品は素晴らしいわ! 胸締めつける印象的なエピソードを積み重ねて、最後でどーん。お見事&感涙!滅びゆくものへと投げかける作者の温かい眼差しの存在を感じて胸が熱くなり、そして幻想的かつ壮大なスケールの伝奇ロマンに、ただ酔いしれました。心の琴線までかき鳴らしてくれて、ものすご〜〜く素晴らしい作品ですっ!現時点で、2006年マイ・ベスト1作品で決まり!直木賞は難しいかもしれないけど(おい)、私は好き好き大好きです、この作品(はぁと)。(2006.7.4読了)

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