ウは宇宙船のウ 新版 の商品レビュー
短編集。他の短編集「刺青の男」や「太陽の黄金の林檎」と同一の作品があります。本書が読みづらい場合は、他の短編集で読むと訳の違いで少し印象が変わるかも。本書の和訳は戯曲っぽいと言うか、古典な印象を受け難しいなと感じました。 ただ、収録作「宇宙船乗組員」はこちらの方が好きです。妻の悲...
短編集。他の短編集「刺青の男」や「太陽の黄金の林檎」と同一の作品があります。本書が読みづらい場合は、他の短編集で読むと訳の違いで少し印象が変わるかも。本書の和訳は戯曲っぽいと言うか、古典な印象を受け難しいなと感じました。 ただ、収録作「宇宙船乗組員」はこちらの方が好きです。妻の悲しさが目立ち、この短編の好き度合いが上がりました。訳の違いってこう楽しめるんだなと知れうれしい。 特に好きなのは 宇宙狂の夫を引き留めたいながらもどこか諦めている妻「宇宙船乗組員」、雨が降り続く金星の描写が印象的な「長雨」、太陽が近すぎる場所で暮らすが故に8日間で死んでしまう生物「霜と炎」、「宇宙船」のくじ引きのシーンです。ぜひ。
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約3年ぶりのブラッドベリ。 肌寒くなってくるころに彼の小説が恋しくなりますが、できればゆったりとした精神状態で読みたいところ。ここ数年はドタバタしていたので中々手に取る気分になれませんでしたが、ちょっと落ち着いてきたので、こちらの作品を読了。 タイトルどおり(?)、宇宙に関する...
約3年ぶりのブラッドベリ。 肌寒くなってくるころに彼の小説が恋しくなりますが、できればゆったりとした精神状態で読みたいところ。ここ数年はドタバタしていたので中々手に取る気分になれませんでしたが、ちょっと落ち着いてきたので、こちらの作品を読了。 タイトルどおり(?)、宇宙に関する作品が多く掲載。宇宙に対する憧れや恐怖、理不尽さや故郷への哀愁など、様々な思いが繊細な筆致で描かれます。 「『ウ』は宇宙船の略号さ」、「初期の終わり」と、初っ端から宇宙への憧憬を描く作品が続き、なんだか純粋な気持ちに。ただ、その後は「宇宙船乗組員」や「長雨」、「この地には虎数匹おれり」といった、宇宙の理不尽さや脅威、残されたものの焦燥感を描く作品も。また、「霧笛」や「雷のとどろくような声」は宇宙とは直接関係ありませんが、どちらも趣がある作品。前者は、未知のものがあらわれる情景がまざまざと浮かびますし、未知のものへの恐怖ではなく、その孤独さに心を打つ作品。わずか20頁ながら素晴らしい作品だなあと。後者はバタフライエフェクトを描く古典的作品。 個人的にすごい興味を抱いたのは、最後に収録される「駆けまわる夏の足音」です。これ、単に新しいテニスシューズの履き心地は最高だ!って感じの作品で、物語だけを追うと何ともない作品なのですが、そんな微細な感情をここまで豊かに描くのだなぁと感心。これは解説にも助けられました。
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SF。短編集。 ノスタルジックで優しい話もあれば、ブラックな話、ハードなSFもあり、バラエティ豊か。 有名な「霧笛」はもちろん良い。 「「ウ」は宇宙船の略称さ」「初期の終わり」「宇宙船」「宇宙船乗組員」の4作品は、とても優しく、感動。 「雷のとどろくような音」のブラックな結末と、...
SF。短編集。 ノスタルジックで優しい話もあれば、ブラックな話、ハードなSFもあり、バラエティ豊か。 有名な「霧笛」はもちろん良い。 「「ウ」は宇宙船の略称さ」「初期の終わり」「宇宙船」「宇宙船乗組員」の4作品は、とても優しく、感動。 「雷のとどろくような音」のブラックな結末と、あまりにも息苦しい「長雨」も印象的。 個人的ベストは、中編の「霜と炎」。 8日間しか生きられない人類の物語で、世界観が好きすぎる。
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なんか面白くないなと思ってしまったのは、これをSFとして読もうとしていたからかも。現実的でないし、そんなことは科学上ありえないと感じ、すべてが茶番に見えてしまった。 そこに描かれるのはある種の比喩的なもので、こういう世界になったとき、人間はどのような行動をとり、どのような心理にな...
なんか面白くないなと思ってしまったのは、これをSFとして読もうとしていたからかも。現実的でないし、そんなことは科学上ありえないと感じ、すべてが茶番に見えてしまった。 そこに描かれるのはある種の比喩的なもので、こういう世界になったとき、人間はどのような行動をとり、どのような心理になるか、という人間物語が美しい世界観とともに描かれている。そう思って読んだら、ちょっと楽しくなった。
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ずっと昔に読んだんだよね。 表紙のデザインが好きだった。 あんまりSFとか読んだことなかったんだけど 漫画家の萩尾望都が レイ・ブラッドベリが好きだ、ということで読んでみたくなって読んだんだ。
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『ス』の方は手元になかったのでこちらだけ読む ブラッドベリはSFの中でも そこに宇宙があるからそこへ行く 未知なるものを知ろうとせずにはいられないから それを知ろうとするという点のみを取り出して ファンタジーすなわち空想物語のほうへ開いているので SFとは違うんではないかと思わな...
『ス』の方は手元になかったのでこちらだけ読む ブラッドベリはSFの中でも そこに宇宙があるからそこへ行く 未知なるものを知ろうとせずにはいられないから それを知ろうとするという点のみを取り出して ファンタジーすなわち空想物語のほうへ開いているので SFとは違うんではないかと思わないでもないような気もするが 広く捉えればやはりSFでもある ジャンルSFの中でこそこの形式が光るという意味で
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訳:大西尹明、解説:牧眞司、原書名:R IS FOR ROCKET(Bradbury,Ray) 「ウ」は宇宙船の略号さ◆初期の終わり◆霧笛◆宇宙船◆宇宙船乗組員◆太陽の金色のりんご◆雷のとどろくような声◆長雨◆亡命した人々◆この地には虎数匹おれり◆いちご色の窓◆竜◆おくりもの◆霜...
訳:大西尹明、解説:牧眞司、原書名:R IS FOR ROCKET(Bradbury,Ray) 「ウ」は宇宙船の略号さ◆初期の終わり◆霧笛◆宇宙船◆宇宙船乗組員◆太陽の金色のりんご◆雷のとどろくような声◆長雨◆亡命した人々◆この地には虎数匹おれり◆いちご色の窓◆竜◆おくりもの◆霜と炎◆タイム・マシン◆駆けまわる夏の足音
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オリジナルは1962年の出版ということで、さすがに古さは否めないものの、発想や設定のブッ飛び方は評判に違わず、後進のSF作家たちに大きな影響を与えたであろうことが容易に理解できる。 おそらく藤子・F・不二雄氏等も大いに感銘を受けたのでは? また、これを自薦したレイ・ブラッドベリ氏...
オリジナルは1962年の出版ということで、さすがに古さは否めないものの、発想や設定のブッ飛び方は評判に違わず、後進のSF作家たちに大きな影響を与えたであろうことが容易に理解できる。 おそらく藤子・F・不二雄氏等も大いに感銘を受けたのでは? また、これを自薦したレイ・ブラッドベリ氏が、宇宙への進出というものに対して多大な憧憬を抱いていたことも窺い知ることができて興味深い。 現代にそぐわない表現や直訳風の拙い文章などが散見されるので、全面新訳等仮に出せば、さらに著者の魅力とスケールが伝わるだろう。 僭越ながら表題はこれよりも「ロはロケットのロ」の方がよかったんじゃないかとも思うのだが…。
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なんとも贅沢な短編集。SF世界を舞台として、ノスタルジィ、叙情、怪奇、幻想、ホラー、冒険、少年の心、家族の想いなどなどが詰まっています。しかもそれがSF世界に実に自然に描かれているので、SFと聞いて難しそうと尻込みする人にこそ勧めたい作品となっています。 巻頭に収められた「「ウ」...
なんとも贅沢な短編集。SF世界を舞台として、ノスタルジィ、叙情、怪奇、幻想、ホラー、冒険、少年の心、家族の想いなどなどが詰まっています。しかもそれがSF世界に実に自然に描かれているので、SFと聞いて難しそうと尻込みする人にこそ勧めたい作品となっています。 巻頭に収められた「「ウ」は宇宙船の略語さ」で宇宙船乗りになるために旅立つ少年の心を描き、続く「初期の終わり」では旅立つ息子を想う親の心を描く。世界が変わろうとも時代が変わろうとも不変のものとして描かれる心の機微が胸を打ちます。そして心を鷲掴みにされ、ブラッドベリの世界に入り込みます。 その後も絶望感や焦燥感に胸が締め付けられ、宇宙に挑む物語に胸が踊り、奇妙な世界に胸がざわめきます。ありとあらゆる想いが満ちている、実に贅沢な作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 幻想と叙情の詩人ブラッドベリの魔法の力で、読者はこの世には見えないものを見せられ、触れられないものに触れることができる。 読者は、あるときは太古の昔に誘なわれ、またあるときは突如として未来の果てまで運ばれてゆく。 「太陽の金色のりんご」「霜と炎」「霧笛」など、ブラッドベリ自身が16編を自選した珠玉の短編集。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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