凍りのくじら の商品レビュー
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感動した。本気で感動した。小説で泣きそうになったのは初めてだ。素晴らしすぎる。 ページの3分の1ほどですでに感動していた。主人公にものすごく共感できる。 冷房の風が苦手なことも、人と話しているとどこか一歩引いて聞いてしまうところなど。自分も大人数の輪では、いつもどこか孤独だ。 大人びた女子高生にはありがちかもしれないが、そこに自分は共感を感じた。自分もこんな感じだなぁって思う。そんな人が割と多そうで安心もする。 生きる上での大切さを学ぶ。みんな何かに耐えて食いしばってそれでも生きている。しかし、人間は独りで生きていくのは怖くて、誰かとくっついたり、善悪は抜きにして誰かの話をして自分を保とうとする。他人を求めて求めた結果の上に自分が成り立って存在している。その姿がとても美しくて儚いように感じた。 シリアスなシーンは多いが、フィクションに感じない。これくらいの事は起こるだろうと思ってしまう。主人公は賢いが優等生ではない。危ない世界に片足を突っ込んでいた。その結果はいい結果を生まなかった。女子高生らしい失敗にも感じる。背伸びをしてその足元を掬われてしまう。ここまでシリアスではないし種類も違うが、同じように背伸びをして良くない結果を生んだ同級生がいた。その同級生と主人公が少し重なる。 人間は等身大以上にはなれない。ハリボテに耐久性はない。誤魔化しきれない時が必ず来る。それをもの凄く学んだ。地に足つけて、しっかり生きる。それが生み出す結果は決して悪い方向には転ばない。自分はそう信じていたい。
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筆者のドラえもん愛がすごいです。こんな道具あったんだと感心させられました。りほこのように人を斜めから見る時期って、誰にでもあるような気がします。でも、周りの人のおかげで、彼女はその存在の大切さに気付けて良かったなあと。母が編集した写真集のコメントは泣けました。娘は本当に愛おしい存...
筆者のドラえもん愛がすごいです。こんな道具あったんだと感心させられました。りほこのように人を斜めから見る時期って、誰にでもあるような気がします。でも、周りの人のおかげで、彼女はその存在の大切さに気付けて良かったなあと。母が編集した写真集のコメントは泣けました。娘は本当に愛おしい存在ですね。
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スロウハイツにでてくるフォトグラファー芦沢理帆子の高2の頃の話なのかなって読んでて少し不思議な物語。まわりの人達を「S」と「F」でカテゴナイズする遊びが少し俯瞰で鼻につきましたし、読むのに時間かかってしまいました。 未来では脚本家の環の知りあいなハズだから、チヨダコーキとゆう人気...
スロウハイツにでてくるフォトグラファー芦沢理帆子の高2の頃の話なのかなって読んでて少し不思議な物語。まわりの人達を「S」と「F」でカテゴナイズする遊びが少し俯瞰で鼻につきましたし、読むのに時間かかってしまいました。 未来では脚本家の環の知りあいなハズだから、チヨダコーキとゆう人気作家のことも話題にでるかなって期待してたんですが、こちらの世界はチヨダコーキが存在しないパラレルワールドみたいで、「もしもボックス」使った形跡があるんですよね。それに時空間の歪みが検出されてるし「どこでもドア」と「タイムマシーン」も使ってますね。 理帆子のはうはドラえもんの藤子先生を敬愛してました。自分も中学の頃、ドラエもんと銀河鉄道999の影響で、部屋の押入れ空けると地下鉄のホームに繋がっていてそこから何処でも行ける世界を創造したことがあるのですが、電車には乗らずベンチに腰掛けて眺めているだけだったなあ。まあ中二病が抜けきれずにいた感じなんですけど。 この作品、ドラえもんの道具になぞらえた遊びがなければ途中下車してたかもですが、あてもなく車窓の景色眺めてて時折トンネルに入って反射する自分の姿が理帆子にみえたり元カレの若尾にみえたり。ため息吐いて消したくなる。ちょっと不愉快。 そんな感じで何度も寝落ちしてしまいました。 中盤すぎてようやく触手が伸びてきてサラッとした感覚が粘着質な状態になって最後は昇華されていくようでした。 ドラえもんの映画はあまり観たことないのでピンとこない部分もあったのですがオマージュしてる部分とかもあるのかなってところで、別所あきらってどうなってるのか謎でした。裏でドラえもん絡んでますよね? てか、 1日置いたら「おやっ?」って謎が増えてきました。 なんで高校生? 理帆子しか見えてない? 「すっごく不親切」で疲れてしまいました。 私は少しフレンドリーって言われてた美也がよかったな。家族のこと嘘つかれてたのに葬儀の時、バカって、泣きながら理帆子に「今まで、気づかなくってごめん」ってもう良い子すぎる。 私も寄り添っていたけど(最初は共感できなかったけど) 聡明な彼女なら別所あきらのこと気づかないはずないと思うんですが、 説明面倒だから、はぐらかしてたのかなあって 人に話しても信じてもらえそうにないし、 私も「今まで、気づかなくってごめん」って気持ちになっちゃった。
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歪んだ性質を持った主人公と、強烈なインパクトを残した若尾。個人的には、あまり理解出来ずに読み進めるのが大変だった。とにかくドラえもんをじっくり読みたくなった。
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本の途中で感想を書くことはあまりないのだけど若尾が嫌すぎてどうしようもないのでこれを書いている。若尾からのメールが、途中から主人公の理帆子がモノローグで感想を語ることなく、ただ挟まれることがある。これが非常にしんどい。受け止めてくれる誰かがいないので私が受け止めるしかないのか……と息苦しさを覚えてしまった。 あと自分が若尾みたいな人間だったらどうしようと怖くなっちゃった。
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ドラえもん好きのお父さんの影響でドラえもんが好きな主人公、 ひみつ道具がみえかくれするストーリーと彼女の心の変化がとても素敵だった オススメ度: ★★★★★ さんろく 所蔵情報: 品川図書館 913.6/Ts44
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中盤から手が汗でびっしょり。 終盤にかけて、タイトルの伏線回収も見事。 生きること。生き延びること。それがどれだけ過酷でも。 死してなお生きることも大きなテーマだった。
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私にとって初めての辻村深月作品。 辻村作品は読む順番が存在すると聞いていたので、 講談社文庫おすすめの順番に従って、まずはコレをチョイス。 登場人物に全然感情移入できないし、「偶然が過ぎるやろ!」と突っ込みたくなる場面も多く、中々読み進まなかったが、、、クライマックスは圧倒され...
私にとって初めての辻村深月作品。 辻村作品は読む順番が存在すると聞いていたので、 講談社文庫おすすめの順番に従って、まずはコレをチョイス。 登場人物に全然感情移入できないし、「偶然が過ぎるやろ!」と突っ込みたくなる場面も多く、中々読み進まなかったが、、、クライマックスは圧倒された。著者が影響を受けたという綾辻作品を彷彿させるエッジの効かせ方に、才能の片鱗を感じる。 久しぶりにドラえもんが読みたくなった。
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なるほど〜「すこし不思議」か… ドラえもんはあまり詳しくないから、今作はどうかなぁと思ってました。 ちょっと調べてみたら、辻村作品の順番はクジラだ! と…メロリン師匠あってますか?笑 ドラえもんの道具も無知、主人公はちょっと苦手なタイプ、物語の着地点が分からず…そんな読み始め...
なるほど〜「すこし不思議」か… ドラえもんはあまり詳しくないから、今作はどうかなぁと思ってました。 ちょっと調べてみたら、辻村作品の順番はクジラだ! と…メロリン師匠あってますか?笑 ドラえもんの道具も無知、主人公はちょっと苦手なタイプ、物語の着地点が分からず…そんな読み始めでしたが_φ(・_・ あ〜〜別所くんってアレだなぁ…と途中から腑に落ちたら俄然面白くなりました(^ ^) 18年前の作品なんですね…才能溢れる作品でした。 わたしは何だろう…「すこし俯瞰」かな
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自分以外を見下し、誰とでも打ち解けられるが、心から仲が良い友達はいない理帆子。 海底鬼岩城、天の川鉄道の夜、どちらも好きなドラえもんの話です。 海底でも宇宙でもどんな場所であってもテキオー灯で照らしてもらった理帆子は大丈夫。
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