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ポルノ惑星のサルモネラ人間 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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「自選グロテスク傑作…

「自選グロテスク傑作集」というだけあってグロテスクなお話が集めてあります。読みはじめるととまらない面白さです。

文庫OFF

中編「ポルノ惑星のサ…

中編「ポルノ惑星のサルモネラ人間」「偽魔王」他短編5編を収録している。グロテスクな描写が多いがユーモアもある。

文庫OFF

2024/02/09

「ポルノ惑星のサルモネラ人間」予想以上に最高だった。「すばらしい新世界」の系譜!快楽の追求に舵を取った平和共存の世界。人間どころか他の動植物まで徹底させてて面白いしむしろそこがメインだしで楽しかった。オチがまた文句なしの素晴らしさ。最低なんだけど最高って感じの傑作。「妻四態」一人...

「ポルノ惑星のサルモネラ人間」予想以上に最高だった。「すばらしい新世界」の系譜!快楽の追求に舵を取った平和共存の世界。人間どころか他の動植物まで徹底させてて面白いしむしろそこがメインだしで楽しかった。オチがまた文句なしの素晴らしさ。最低なんだけど最高って感じの傑作。「妻四態」一人称がいい。改行なしでドバーっと喋っていきなり数ヶ月単位で時間が飛ぶ。このジャンプ感が爽快で素晴らしい。内容の独特さ以上にこのリズミカルな文章に魅力がある。 「歩くとき」いきなり文章の途中で明後日なイメージ描写が突然挿入されてまた突然戻る展開が唐突な上、絶妙な内容で思わず噴き出す可笑しさ。本文(?)の歩くときの説明文も専門的過ぎるがゆえに難しすぎて笑えてくる二段構え笑。「座右の駅」ちょう最高!メタ的な話かと思ったら夢の話!視点とサイズが文章の途中で瞬間的に切り替わる文章の巧みさに痺れる。筒井短編はオチもいいんだけどオチに集約してない、設定だけでもない、全体で楽しませるバランスの良さが素晴らしい。 「イチゴの日」ブスがブスはとルッキズムの極北のようなグロテスクな台詞と展開で最低最悪な気分になっていたら一転、後半デウスエクスマキナ的な感じで前半の不快感がまた形を変えてディテール細かくグロテスクに着地する。凄いところに切り込んでるけど黙るしかないというか否定や批判を許さない視点だなぁと。いじめという単語を使っているだけあり、ここまで徹底されたルッキズムでなくとも万能感ある。 他人を勝手にジャッジし見下して笑う、人間の嫌な部分を不快なまでに拡大して見せ(物語的なオチはあっても)落とさないところが凄い。 「偽魔王」エログロって本当に苦手だわ。筒井康隆の描写ってタメも煽りもなく淡々と他の文章と全く同じテンションで飄々と書かれているからするすると読めちゃうんだけど気持ち悪いことには変わらない。文章美味すぎて脳内で自動再現されるのもオエー!!! でもこういう終わり方は好物。「カンチョレ族の繁栄」「ポルノ惑星のサルモネラ人間」と同様未開の地を探索し不可思議な動植物に遭遇する探検譚。未知の世界の常識を批判している側がむしろ「自己紹介乙」みたいになる流れも似てるんだけど、展開も後味も全く別物でそれぞれに面白い。

Posted byブクログ

2019/05/28

御大筒井康隆のグロさが炸裂する短篇集。表題作「ポルノ惑星のサルモネラ人間」は未開の惑星で妊娠してしまった女性隊員の秘密を探るべく、その謎を知る原住民の元まで決死の探検に挑む作品で、卑猥な生物群や下ネタ満載の植物など、とにかくエロとグロのオンパレードである。卑猥な生物に犯されかける...

御大筒井康隆のグロさが炸裂する短篇集。表題作「ポルノ惑星のサルモネラ人間」は未開の惑星で妊娠してしまった女性隊員の秘密を探るべく、その謎を知る原住民の元まで決死の探検に挑む作品で、卑猥な生物群や下ネタ満載の植物など、とにかくエロとグロのオンパレードである。卑猥な生物に犯されかける隊員というスラップスティックな楽しみもさることながら、下ネタがいやらしくなりすぎないように絶妙な配分になっているのも魅力。他にも冬眠、羽化、産卵、脱皮と次々に変容する妻を男の語りのみで描ききった「妻四態」もなかなかの快作である。説明が一切ないのに、なんとなくそれを受け入れる夫が味わい深く、また口語で語りかけているだけで物語が成立しているのも凄い。まさに筒井康隆の文章力のなせる技である。個人的に一番のお気に入りは「イチゴの日」で、ブスなのを隠してトップアイドルに仕立て上げられた女が、ブスだとカミングアウトされて笑いものにされる前に奇想天外な方法で復讐するというブラックコメディである。悪魔学で悪魔を呼び出して群衆もろともミルクの海に叩き込むという星新一ばりの突飛な復讐も面白いが、それが彼女の好物であるイチゴミルクになぞらえた復讐というのがたまらなく面白い。ミルクの海に溺れ、イチゴスプーンで潰されていく人間たちのイメージ喚起力は非常に高く、グロさとファンタジーのマリアージュが素晴らしい。「下品な舌なめずりの音がぴちゃぴちゃと響きわたる」という〆も良く、小説を読む楽しみを味わわせてくれた一本である。グロさとは執拗な描写だけではなく、イメージにダイレクトに訴えかけるものだということを教えてくれる一冊。特に触覚、聴覚、視覚、嗅覚等の五感への請求力は並外れており、筒井康隆のグロさをあますことなく味わいたいならオススメの一冊。

Posted byブクログ

2017/02/09

短編集。うむうむ。 ・・・表題作は読んだ。この手はダメだと思った。 次読んだ。ダメだ。。。 次も次も読みはじめた。だめだった。 体に合わなかったのかもしれない。 一応表題作は読み切った。★2つ

Posted byブクログ

2013/03/08

これはものすごいね… 何というかこの人にしかかけない、 という世界観は彼のためにあるのじゃないかしら。 わざと段落も句読点も消した作品があったり 着眼点がかなりユニークだったり 食後に読まないでください的なものがあったり… とにかくバリエーション豊富、飽きませんでした。 でも...

これはものすごいね… 何というかこの人にしかかけない、 という世界観は彼のためにあるのじゃないかしら。 わざと段落も句読点も消した作品があったり 着眼点がかなりユニークだったり 食後に読まないでください的なものがあったり… とにかくバリエーション豊富、飽きませんでした。 でも彼の文は好き嫌いは 絶対に分かれるのです。 嫌いな人はクドクドしていて ダメというかと思います。

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2011/10/28

さすが自選というだけあって、変態でグロい!!淫猥? スプラッター要素もつよいのに読めちゃう。おもしろいからなんだなぁ。

Posted byブクログ

2011/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ポルノ惑星のサルモネラ人間」は単純に面白い。読んでいくうちに引きずり込まれて、自分の価値観が転倒していく。 「歩くとき」は読むのに疲れる専門用語が並んでいるが、間に低俗な言説が挟まって、その分思わず笑ってしまう。 「イチゴの日」はブスを美女として育て続けるマスコミのプロジェクトという発想だけでなく、それを島川ユリエ本人が気づいてしまうという展開に驚いた。 「偽魔王」も展開の仕方は「イチゴ」と似ている。スプラッター要素が強い。 「カンチョレ族の繁栄」も探検ものとしては「ポルノ惑星」と同じようだが、グロテスクさの方向性と価値観の転倒の方向性が違う。気持ちの悪い動植物の表現については、椎名誠の方が独創的かもしれない。但し、それは「カンチョレ族」が戦前のニューギニアを舞台にした体とも言える。

Posted byブクログ

2010/09/08

・10/25 随分久し振りの筒井康孝だ.以前に読んでる筈なんだけどいまいち覚えてない.インパクトは強い作品ばかりだと思うんだけど... ・10/31 読了.結構おぞましいけど軽く読めた.やっぱり中身のグロテスクさよりもストーリーが面白いな.

Posted byブクログ

2010/04/22

数ヶ月前に、イギリスのラジオで、表題にもなった「ポルノ惑星のサルモネラ人間」がラジオドラマになったと聞いた。結局、聞けなかったけれど、これを放送するのかーとちょっと舌を巻く。 「偽魔王」や「イチゴの日」なんかは、スプラッタ過ぎて、逆に「グロテスク」ではないかも。ただし、単純明快な...

数ヶ月前に、イギリスのラジオで、表題にもなった「ポルノ惑星のサルモネラ人間」がラジオドラマになったと聞いた。結局、聞けなかったけれど、これを放送するのかーとちょっと舌を巻く。 「偽魔王」や「イチゴの日」なんかは、スプラッタ過ぎて、逆に「グロテスク」ではないかも。ただし、単純明快なストーリーなので、面白い。「妻四態」と「あるくとき」が、一番気持ちが悪かった。特に、「あるくとき」は、その文章の独特さ故に、一文進めるのに気力を根こそぎ持って行かれる感じ。 「座右の駅」は、閑話休題といった感じで、ほっとするところもありつつ、現実と夢?を自由に行ったり来たりする感覚、理性的でいながら少しずつおかしくなっていく様が、さすが筒井さん!

Posted byブクログ