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向田邦子の恋文 の商品レビュー

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42件のお客様レビュー

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2020/09/23

向田和子 著「向田邦子の恋文」、2005.8発行。昭和56年8月22日土曜日、向田邦子さん台湾で航空機墜落事故で死去。遺品の整理。恋人の13歳年上で妻子あるカメラマン(昭和54年死去)との往復書簡。さらっと一読しました。

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2018/01/24

飛行機事故により51才で突然この世を去った向田邦子という作家、ずっと気になっていたが、脚本家、放送作家ということで小説はあまり残っていないので今まで読んでは来なかった。(映画『あ・うん』は感動で涙したけれど) でも今回この本に巡り会えて良かった。 彼女が残した5通の恋文やお相手の...

飛行機事故により51才で突然この世を去った向田邦子という作家、ずっと気になっていたが、脚本家、放送作家ということで小説はあまり残っていないので今まで読んでは来なかった。(映画『あ・うん』は感動で涙したけれど) でも今回この本に巡り会えて良かった。 彼女が残した5通の恋文やお相手の日記から、溢れ出る思いや、家族には見せない意外な面を、妹である著者が語る。 かわいい女性だったんだな、そしてとても強くて優しい女性だった。

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2017/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋文自体の公開はどうかと思ったんだが、のぞき見趣味的な気持ちで読了。 驚くべきは向田邦子さんのすさまじい公私すべてにおける働きっぷりである。寝てんのかこの人! しかも全然怒らないらしい。私は『怒りが俺を生かしている』(byジョン・ライドン)状態で日々ぷんぷん生きてます。邦子さんすげーなーと感じるとともに、結局そういう彼女に周囲の人(特に家族)がめっちゃ依存してたのが分かりまたしても怒りが湧いて来るのだった! 『忙しいのは分かってるけど、話がしたくてつい何度も電話する母にイヤな顔せずに対応する姉(邦子)』とか美談風に書いてるけどそれ美談じゃないわ。止めろ母を。

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2017/05/27

妹の和子さんから見たお姉さんの姿。長女として母からも「娘でありながら、それを超越していた」と言わせるほど凛として「できた長女」だった家族の中での向田邦子さん。愛するN氏との書簡のやりとり。愛する人を失った廃墟のような喪失感さえエネルギーに変える。死ぬことは容易いこと、でもだからこ...

妹の和子さんから見たお姉さんの姿。長女として母からも「娘でありながら、それを超越していた」と言わせるほど凛として「できた長女」だった家族の中での向田邦子さん。愛するN氏との書簡のやりとり。愛する人を失った廃墟のような喪失感さえエネルギーに変える。死ぬことは容易いこと、でもだからこそ向田作品の中の登場人物はもがきながら「生きて」いる。 飛行機事故で亡くなったが、その前に乳癌と血清肝炎を患い、入院していた際に書いたのんきな遺言状———父の詫び状の背景を知ると、大好きな作品たちが、さらに味わい深く感じる。知れば知るほど、向田邦子という人がとても好きになる。 —————————————— 秘密のない人って、いるのだろうか。誰もがひとには言えない、言いたくない秘密を抱えて暮らしている。そっとして、こわしたくない秘密を持ちつづける。日々の暮しを明るくしたり、生きる励みにしたりする。そんな秘密もある。秘密までも生きる力に変えてしまう人。向田邦子はそういう人だった、といまにして思う。 ——————————————

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2017/01/26

トットチャンネル以降、向田邦子さんを読んでみたくて、小説とこちらを選んだけのだけど、最初に読むにはセレクトを間違えたかもしれない。 人の秘め事を明かすなんて、という抵抗感みたいなものはたしかにあったけど、全然それだけではなくて、でもそれ以上でもなくて。 なにより向田邦子さんとい...

トットチャンネル以降、向田邦子さんを読んでみたくて、小説とこちらを選んだけのだけど、最初に読むにはセレクトを間違えたかもしれない。 人の秘め事を明かすなんて、という抵抗感みたいなものはたしかにあったけど、全然それだけではなくて、でもそれ以上でもなくて。 なにより向田邦子さんという人となりの凄さがあますことなく伝わってくる。 内容という意味だけでなく、初っ端からとんでもないものを読んでしまった感じ。 なんて人なんだろう。若いときに読まなくてよかった。 なにかを読んでこんなに心がザワザワドキドキしたの久しぶり。もっと読みたい。エッセイでも小説でも。どうしよう。 太田光さんによる後書きまで素晴らしいです。

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2016/03/12

愛の言葉を紡がなくても愛を伝えることは出来るんだなあ、とつくづく思う。N氏にあてた手紙の中にたくさんかわいいが詰まっている。

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2014/08/24

【本の内容】 脚本家への道を歩みはじめ、徹夜続きで仕事に打ち込む姉・邦子を慈しみ支えた一人の男性がいた。 一途で切ない、秘密の恋だった-。 邦子が急逝して二十年、妹・和子は遺品の中から、亡き二人が四十年近く前に送りあった手紙をみつける。 遺された文面から今なお香り立つ想いが...

【本の内容】 脚本家への道を歩みはじめ、徹夜続きで仕事に打ち込む姉・邦子を慈しみ支えた一人の男性がいた。 一途で切ない、秘密の恋だった-。 邦子が急逝して二十年、妹・和子は遺品の中から、亡き二人が四十年近く前に送りあった手紙をみつける。 遺された文面から今なお香り立つ想いが、遠い日をよみがえらせ、妹は姉にそっと語りかけ始める…。 幾つもの想いが響き合う、姉と妹の「最後の本」。 [ 目次 ] 第1部 手紙と日記 第2部 姉の“秘め事”(帰ることのない部屋で;遺品の整理;茶封筒のなかの“秘め事”;『父の詫び状』へのお詫び;故郷もどきへの“嫁入り”;『ままや』の暖簾をたたむ;私の知らない姉;N氏との出逢い;父のよそ見;母の率直な思い ほか) [ POP ] 秘めた恋を貫いた向田邦子。 病のせいで落ち込みがちな恋人N氏を励まそうという思いやりにあふれた手紙には、いつも天真爛漫、ユーモラスに振る舞う彼女の日常と、N氏への労りの言葉が綴られている。 その一途さが可愛らしく、恋のセンスはこういう心意気に出るのだと感心。 一通目の手紙に目を通した時、何かいけないものを見てしまったような気がして、すぐに本をとじてしまった。 そこにあらわれたむきだしの気持ちに戸惑った。 いっぺんに読んでしまうのは、とてももったいないと思うほどの、飾らない感情があった。 向田邦子が心に秘めて愛したのは、妻子持ちの男性だったという。 そのN氏と交わされた手紙と電報と彼の日記が、活字ではあるが何も変えられることなく収められている。 仕事やその日に食べたもの、相手への気遣いなど内容は平凡なのに、お互いを思いあう様が目に見えるようだ。 遠距離恋愛ではなかったので、多忙にもかかわらず邦子はちょくちょく彼に会いに行っていたようだ。 二人の間で交わされた手紙は、今でいえば携帯でちょっとしたメールを送りあうようなもの。 だけど、なんでもない内容の裏側にあれだけの思いを込めることはできないだろう。 思わず誰かに宛てて便箋に思いをしたためたくなった。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2014/05/17

たまにはノンフィクションも読まなければと思って。前半の手紙のやりとりで、邦子からN氏へ送った手紙の、締めの挨拶がとても好き。「愛してる」とかそういう言葉ではなく、「手足を冷やさないように」とか「みかんを大いに食べるべし」とか、きっと手紙の内容よりも、この最後の“挨拶”が、恋文の本...

たまにはノンフィクションも読まなければと思って。前半の手紙のやりとりで、邦子からN氏へ送った手紙の、締めの挨拶がとても好き。「愛してる」とかそういう言葉ではなく、「手足を冷やさないように」とか「みかんを大いに食べるべし」とか、きっと手紙の内容よりも、この最後の“挨拶”が、恋文の本題なんだと思う。ほとんどメールの文化しか知らない私、この“挨拶”を切り捨ててしまった気がして少し淋しくなった。 太田さんの文章まで読了後、女でいることの責任感みたいなものを勝手に感じてる。強く生きなきゃだめなんだなって。

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2014/02/08

向田邦子の長女らしい文章や感覚が好きで殆どの作品を読んでるけど、これは初めて。 このタイミングにこの本は文選を誤った。 2人のやりとりがひたひたと染み入る。 やっぱり向田邦子の感覚はとても共感できて、大好きな物書きさんで、女性だ。 「誰かさんみたいに、こなくても平気だよ、なんて、...

向田邦子の長女らしい文章や感覚が好きで殆どの作品を読んでるけど、これは初めて。 このタイミングにこの本は文選を誤った。 2人のやりとりがひたひたと染み入る。 やっぱり向田邦子の感覚はとても共感できて、大好きな物書きさんで、女性だ。 「誰かさんみたいに、こなくても平気だよ、なんて、ひどいことはいわないもん。」スタバで泣かされた。

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2013/12/11

向田邦子さんは、ものすごく人を尊重できる人だったのだなあと感じた。 決して人との距離が遠い訳ではなく、すぐ側であたたかい眼差しを向け、相手の言葉をしっかりと受け止めて、話をする。 そんな印象をうけた。 N氏が外国の本を買ったり、新聞を読んだりしているのをみて 本は旅なのだ、なん...

向田邦子さんは、ものすごく人を尊重できる人だったのだなあと感じた。 決して人との距離が遠い訳ではなく、すぐ側であたたかい眼差しを向け、相手の言葉をしっかりと受け止めて、話をする。 そんな印象をうけた。 N氏が外国の本を買ったり、新聞を読んだりしているのをみて 本は旅なのだ、なんてことも感じたりした。 そんな旅をして、邦子さんのことが好きでも、あるいは、だからこそ、 どんどん認められて行く彼女を見つめながら、身体の不調と生きていくのは辛かったのかなあ。 太田さんのあとがきにもあるけれど、「〜誰かさんみたいに、こなくても平気だよ、なんて、ひどいことはいわないもん」 という一文がすさまじく心に残る。 男の弱さ、強がり、に対する憎しみと赦し。

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