学校って何だろう の商品レビュー
特に印象に残ったのは「校則」について。 教師が校則を守らせたがる理由は何か? それによって生徒が学校の権威に服していることを示すことができるから。 学校への忠誠度を示すリトマス紙になるのが校則である。 だから、校則の内容自体は学校ごとに違ってよい。 「どういう校則を守るか」...
特に印象に残ったのは「校則」について。 教師が校則を守らせたがる理由は何か? それによって生徒が学校の権威に服していることを示すことができるから。 学校への忠誠度を示すリトマス紙になるのが校則である。 だから、校則の内容自体は学校ごとに違ってよい。 「どういう校則を守るか」より「校則に従うのかどうか」が、教員側にとっては重要なんだろう。
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【概略】 良い意味でも悪い意味でも常に話題に挙がる「学校」。「どうして勉強をしないといけないのか?」「なぜそんな校則を守らないといけないのか?」「先生って偉い存在なのか?」「最近の若い子はすぐキレる、なぜか?」・・・学校を軸にした疑問は枚挙にいとまがない。そんな「学校」について...
【概略】 良い意味でも悪い意味でも常に話題に挙がる「学校」。「どうして勉強をしないといけないのか?」「なぜそんな校則を守らないといけないのか?」「先生って偉い存在なのか?」「最近の若い子はすぐキレる、なぜか?」・・・学校を軸にした疑問は枚挙にいとまがない。そんな「学校」について、自分の頭で考えて、自分なりの答えを導き出すキッカケとして著者が置いた一冊。中学校を想定しての一冊。 2020年01月02日 読了 【書評】 (既に概略に書いたけど)「これは中学校・中学生を想定?」「自分だったらどうする?」を強く意識して書かれてるなぁ~と思ったら「あとがき」にそういう意図があった。この本は先生のみならず、親御さんの立場、または生徒自身も読んでみるといいかも。叶うなら、自身が生徒の時に読み、大学を卒業した時に読み、(まだいないけど 笑)親という立場になった時に読み、その時その時の自分の心境の変化を楽しみたい一冊かも。 (このあと読む予定だけど)「フィンランドの教育システムは素晴らしい。見習え」とか目にする。多分、正しくは、「フィンランドの腹の決め方を見習え」じゃないかなと思う自分。国家として、「ウチはこの方法で教育をしていくんだ!」という旗をしっかり立てたって意味では、見習う必要、あると思うのだよねぇ。 そういう「どんな旗を立てるか?」を考えるという意味では、国家だってそうだし、各学校だってそうだし、親としてもそうだし、自分自身としても当てはまる気がする。ごめんなさい、教育の世界については完全なる素人なので、明後日の方向を向いて書いちゃってるかも。私立の学校はまぁ、イメージできるとして、公立の学校ってのは、在任中、校長先生が国の理念に反しない範囲での方向性を打ち出すとか、できるのかな?各自の先生は?そして、親御さんは・・・?この辺り、自分が経験がないのが悔やまれるところ。 外側にいる立場の自分が、外側から眺めるにあたり、なんとなく「その全てを学校と先生に背負わせ過ぎてる」イメージがあるなぁ、と思う。国家としての方向性を定めるには、まぁ時間もかかるだろうし、そういった上流での作業はもっとなんというか・・・あんまり「国民」(あえてここでこの言葉を使った 笑)の顔色を窺わずにやってもらって、下流での臨機応変さを求められる部分は、まさしく柔軟に対応して、学校と先生の背負ってる(余計な)荷物を減らしてもいいような気がする。部活動しかり、生徒のメンタルケアしかり。 ちょっと話が逸れた。今回の本の中で、「おぉ~!!!これやってくれたら自分も授業参加したい!」と思ったのが、教科横断の授業。本書では「水」をキッカケにしてた。たとえば水の量や質などを学ぶには数学や理科、水道の水が各家庭にまわる仕組みや変遷などは公民、水を争って起きた紛争などは歴史、水の音を楽しんだり、水に関する音楽を学ぶのには音楽、そして水を取り扱った文学なら国語・・・というように特定の事柄(水でも土でもなんでもいい)から興味を各教科に広げるというもの。公立だと厳しいかぁ・・・大人になってからの再入学とかでやってくれないかなぁ、授業料かかってもいいから。・・・って、こういう教科横断も、やっぱり「好奇心」が根っこにないとなにも面白くないだろうから難しいだろうけどねぇ。うん、教育って難しい(そこ? 話題が逸れるけど、色んな人達が自身のバックボーンに沿って発言する訳ですよ。英語によって人生を変えてもらった立場の方達は「もっと英語の授業を増やせ」、古典に喜びを感じる方達は「古典は大事」等々。自分の興味ある科目、恩義のある科目、そりゃ愛着がある・・・から授業を増やせってなるよね。でも皮肉(というかここでも「好奇心」・・・または必要性?)なんだよね、たまに「英語英語!」って言ってる人が英検1級やTOEFLとかの試験と立ち向かうにあたり「自然科学の知識がないとヤバい」とか言っちゃうの。批判じゃないよ、これ。ただ、ここでも、教育とはなにか?日本の教育は、どう進めたらよいか?につながってるなぁって。どの教科が役に立つ?って話で物事決めちゃあかんよなって話ですよ。 今月にとある講演で話さないといけないってのがキッカケでこの分野の本を読ませてもらってて。講演で話す内容は全く浮かんできてなくて焦ってるのだけど、考える機会を与えてもらって本当にありがたい。
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中高生のときに読みたかった。 学ぶことの意味、学ぶことの楽しさを生徒には伝えていきたいし、彼ら彼女らに勧めたい1冊。
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中学校の子どもたちに 語りかけた一冊 「どうして勉強するの?」 「なぜ制服ってあるの?」 「教科書はなぜあるの?」 「隠れたカリキュラムって?」 「先生の仕事はどこまで?」 「生徒の演じ方」 …… 各章に立てられた「問」が 秀逸です 「学校」を 社会学的に分析して、 易しい言...
中学校の子どもたちに 語りかけた一冊 「どうして勉強するの?」 「なぜ制服ってあるの?」 「教科書はなぜあるの?」 「隠れたカリキュラムって?」 「先生の仕事はどこまで?」 「生徒の演じ方」 …… 各章に立てられた「問」が 秀逸です 「学校」を 社会学的に分析して、 易しい言葉で ひも解いて、 最終的には 「自分の頭で考えよう」 という部分に とても共感します
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2005年刊行。著者は東京大学大学院教育研究科教授。 主として中学生に向けて、授業、勉強、先生、さらには試験、教科書といった、学校生活のあれこれに関して、様々な問いかけを発していく。 ステレオタイプ的な学校のありようとは異質な側面からの回答が多い。 それゆえ、真摯に悩んでいる学生(高校生にも妥当)であれば、打てば響く内容だと考えられる。 もっとも、文章はやや高度で、冗長でもある。そのため、中学生が独力で読むのは、読書好きの子は別として、難しいかもしれない。 ナビゲーターを用意するか、少しずつ読む機会を増やしていくような配慮がいるだろう。
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時代とともに学校の在り方も変わってくる しかし、現代の人達は学校に求める事が多すぎる。 みんな一緒でありみんな違う。 個性は大事だが高校を卒業するまではまずみんな同じ基礎をしっかりと体に叩き込む必要がある。その後でも遅くはない。
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オックスフォード大学教授で教育社会学の著者が、中学生向け新聞に連載していたコラムを書籍化したもの。1998年に単行本で刊行され、2005年に文庫化するにあたってデータの更新と、内容の追加がされている。 「なぜ勉強するの?」「校則はなぜあるの?」といった疑問への著者なりの意見と、...
オックスフォード大学教授で教育社会学の著者が、中学生向け新聞に連載していたコラムを書籍化したもの。1998年に単行本で刊行され、2005年に文庫化するにあたってデータの更新と、内容の追加がされている。 「なぜ勉強するの?」「校則はなぜあるの?」といった疑問への著者なりの意見と、生徒の世界、先生の世界、社会とのつながりなどの説明がされている。 一方で専門家ならではの記述もあり、たとえば日本が経済成長していた時代に、海外からはナショナル・カリキュラムと呼ばれる国家統一型の教育が日本の強さの源泉ではないかと評価され、それを模倣しようとした国々があった一方で、日本は逆に「個性」を重視する教育へと舵を切り始めたという。 また、西洋は倫理や社会規範をキリスト教から学ぶのに対し、日本ではそれすらも教師・学校に責任を負わせていると指摘している。教員は100万人近く、人口の割合でいえば130人のうち1人が教員であり、その130人のうちトップ層が大企業社員や医師、法曹、国家公務員などになるであろうことを考えれば、「先生とは特別な人ではなく、普通の人が行っている」という前提でその責務を考えるべきだとしている。 ホンシェルジュに寄稿しました。 http://honcierge.jp/users/646/shelf_stories/54
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かつてみなさんが中学生だった頃、「学校の規則はなぜこんな細かいことまで禁止するのだろう」(p.13)とか、「大人になっても使いそうもないことを、なぜ勉強しなければいけないんだろう」(p.18)という疑問を感じたことはなかったでしょうか。大学生・社会人といった「大人」になった今でも...
かつてみなさんが中学生だった頃、「学校の規則はなぜこんな細かいことまで禁止するのだろう」(p.13)とか、「大人になっても使いそうもないことを、なぜ勉強しなければいけないんだろう」(p.18)という疑問を感じたことはなかったでしょうか。大学生・社会人といった「大人」になった今でも、こういった「なぜ?」に対して答えることはなかなか難しい・・・。 「このような『なぜ?』に答えるのが難しいのはどうしてなのか」、「実際にどのように答えを出していけばよいのか」そして「そのような『なぜ?』に対して、自分なりの答えを導き出すことがどのような意味を持ち得るのか」について、日本の教育社会学の第一人者である著者が、中学生にも理解しやすいよう平易な言葉で解説したものが本書になります。 一方で、これまで「そんなこと思いもしなかった」という人にとっても、「学校」や「教師・生徒」、「校則」、「教科書」といった近代教育制度を構成している諸要素の自明性を問い直す「見方」を示してくれる一冊だと思います。読了後にはきっと、これまで「当たり前」だと思っていた「学校教育」に対する「見方」が変わるでしょう。 教育社会学を学んでみたい方にもおススメの入門書です♪ (ラーニング・アドバイザー/教育 SAKAI) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1592156
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学者が子供に語りかける形式の本というと、文末が話し言葉であるのに、内容は子供にはぴんと来ないだろうなと思うものが多い。さすがの苅谷先生もこの通弊からはやはり免れていない。
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ずっと当たり前だと思ってきたことを疑ってみるというスタンスが面白かった。考えさせられました。 私自身勉強をすること・学校に行くことは必ずしもイコールじゃないような気がしていたので、学校に行く意義ってこんなにあるんだなぁと思いました。
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