1,800円以上の注文で送料無料

グロテスクな教養 の商品レビュー

3.1

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

題名から受けるイメー…

題名から受けるイメージとは異なり、前半は戦前の旧制高校、帝大の学生の描写であふれている。戦争に突入して「人生二十年」時代になったときに、教養はかつてないほどの人気を享受したのだというくだりは考えさせられるものがあった。秀才とか優等生という言葉はもっとも侮蔑的な言葉であるというのは...

題名から受けるイメージとは異なり、前半は戦前の旧制高校、帝大の学生の描写であふれている。戦争に突入して「人生二十年」時代になったときに、教養はかつてないほどの人気を享受したのだというくだりは考えさせられるものがあった。秀才とか優等生という言葉はもっとも侮蔑的な言葉であるというのは面白かった。

文庫OFF

2018/05/28

これまで読んできた教養主義本の最高傑作。著者曰く「展覧会」であり、教養主義を歴史的かつ多面的に考察している。これまで男性目線で語られてきた教養主義を女性ならではの視点で論じているのも興味深い。 本著を受けて、『君たちはどう生きるか』が大ブームになっている現代を、あらたな教養主義の...

これまで読んできた教養主義本の最高傑作。著者曰く「展覧会」であり、教養主義を歴史的かつ多面的に考察している。これまで男性目線で語られてきた教養主義を女性ならではの視点で論じているのも興味深い。 本著を受けて、『君たちはどう生きるか』が大ブームになっている現代を、あらたな教養主義の復権として問うべき課題になりえるのか否か。

Posted byブクログ

2017/01/01

読了。図書館で借りた本。学歴コンプレックスからつい借りてしまった。面白かった。引用されてる本も難しそうだが読んでみたくなったが、やめておこう。積ん読を少し減らしたい。ブクログのレビューも結構あった。

Posted byブクログ

2014/03/30

 旧制高校時代から戦争をはさみ、ニューアカまで……「教養」や「教養主義」についての言説をちょっと意地悪な視線で俯瞰するのが本書。筆者のときに照れたようなときにひねたような、愛憎半ばするその文体が魅力的だ。今、「教養について語ること」そのものがグロテスクなのを重々承知しながら、愛ゆ...

 旧制高校時代から戦争をはさみ、ニューアカまで……「教養」や「教養主義」についての言説をちょっと意地悪な視線で俯瞰するのが本書。筆者のときに照れたようなときにひねたような、愛憎半ばするその文体が魅力的だ。今、「教養について語ること」そのものがグロテスクなのを重々承知しながら、愛ゆえに語らざるをえない……というのが萌え。 「教養」が常に人を磨くとは限らない。それどころか今「教養主義」と言えば、素直に悪口ととったほうがいい。人より多少本を読んだからといって何がエラいの? それより求められているのは「コミュニケーション能力」なんだよ! (というのが現代なんだろうが……、その「コミュニケーション能力」ちうのもそうとういやったらしい言葉だとオレは思う)  エリートが、「いかに生きるべきか」(=これこそ“教養”の正体)を独占してきた時代は終わり、誰も彼もが……いやむしろニートであるからこそ「自分探し」に狂奔するようになった。その「教養」と「自分探し」の間に横たわるものについて、すこし考えてみたくなる本だった。

Posted byブクログ

2013/05/21

自分自身の教養コンプレックスを自覚することができた。 教養コンプレックスとブルジョアコンプレックスの違いも確認できた。 ひとびとが教養と呼ぶものの正体も掴むことができた。 これでもう怖いものはない。

Posted byブクログ

2013/03/25

おもしろいけどまどろっこしい。勇ましいようで、実は現有の強い人(あるいは集団)への批判を綺麗に避けている。社会学でいう「役割距離」の無難な援用。 ただ、アマゾンのレビューにはこんな意見もあった。要約すると、「筆者の甘さは選択された戦略。批判や勇ましさを媒体とした自己言及のいやら...

おもしろいけどまどろっこしい。勇ましいようで、実は現有の強い人(あるいは集団)への批判を綺麗に避けている。社会学でいう「役割距離」の無難な援用。 ただ、アマゾンのレビューにはこんな意見もあった。要約すると、「筆者の甘さは選択された戦略。批判や勇ましさを媒体とした自己言及のいやらしさを指摘するのが目的である以上、筆者の無難さを批難するのは場違いなのでは」。

Posted byブクログ

2013/01/03

教養に対する様々な言説を紹介・分析している。ただ他の読者も指摘しているように読みづらい部分があるのも事実。一度読む価値は十分にあると思う。

Posted byブクログ

2013/11/08

多くの教養論のレビューした本書はもっと早い段階で読んでおきたかった。社会階層、文化資本、育ちの良さ、学歴社会、そして学力の議論をひっくるめた神聖喜劇のような状況を「グロテスクな」とした表現には、清々しさを覚えた。個人的にこの表現があてはまるものが一つある。それは「大学」だ。 大...

多くの教養論のレビューした本書はもっと早い段階で読んでおきたかった。社会階層、文化資本、育ちの良さ、学歴社会、そして学力の議論をひっくるめた神聖喜劇のような状況を「グロテスクな」とした表現には、清々しさを覚えた。個人的にこの表現があてはまるものが一つある。それは「大学」だ。 大学には思いつくだけでも次のような意味が付与されている。(1)学問的に認識し、精神的に生きようとする人々を集めたもの 、(2)教養教育を含む大学教育、(3)大学ないし大学院における研究を通じた教育、(4)教員・研究者による研究、(5)大学は研究と方法の態度の訓練の場、(6)職業教育、(7)中等学校と同じようなカレッジの側面、(8)専門職大学院、(9)サービスステーションの性格、(10)その他の専門教育。これらを含む「大学」を、さらに一つの文書・チャンネルで監理しようとすると、その手段が余計にグロテスクになる。著者の言葉を借りると「厳粛と言っていいのか滑稽と言っていいのか、笑っていいのか泣くべきなのか分からない」という状況だ。このように、教養と大学には共通項があると思えた。 しかし、その先に考えるヒントも与えてくれている。「教養は、自分自身をどう見るか、他者にどう見られたいか、他者をどう見るか、ということと結びついている(233頁)」。結局教養は自分で定義するしかない。だとすると大学も大学自身で規定するしかないのだと考えることができる。 自己規定するために、まず必要なのは「教養」であるはずなので、それを身につけなければならない。と考えてしまうあたりで、いつものループに陥っている自分がいる。旅はまだまだ続く。

Posted byブクログ

2012/04/20

教養についてあんま考えたことないでしょ? 私も教養なんて大学か就職んときぐらいしか使わない語だと思う 内容は、男子校の頂点であった伝説の「一高」という所では、「秀才たちのレベルでの」競い合いが必要になって、哲学や文学に没頭する「教養」が出てきたこと、でも今の東大生はガリ勉じ...

教養についてあんま考えたことないでしょ? 私も教養なんて大学か就職んときぐらいしか使わない語だと思う 内容は、男子校の頂点であった伝説の「一高」という所では、「秀才たちのレベルでの」競い合いが必要になって、哲学や文学に没頭する「教養」が出てきたこと、でも今の東大生はガリ勉じゃないってことを強調したがること、そしてとって付けたように女の子の教養―良妻賢母型、と結婚の話に持っていかれる。 筆者の、男でも女でもない立場からの視点はよいと思うが、やたらめったら他の本から引用しまくってるのはどうかと思う。 なんかアイロニカルじゃん?

Posted byブクログ

2012/03/17

多くの内向的な文系男子(今は中高年)がとらわれている病を、冷徹にしかし(たぶん)愛をもって指摘。指摘されて自分が嫌になるが、でも、もう一度読みたい気もする。そんな一冊。

Posted byブクログ