コクと旨味の秘密 の商品レビュー
あらゆる食物で感じ…
あらゆる食物で感じられる「コク」とは何か、科学者の目で探る。誰もが感覚的にイメージしている「コク」を見事に定義する。
文庫OFF
タイトルに惹かれた衝動買い。 予想以上に科学的に書かれた堅い本だったので好感が持てました。 もっと“五感”を大切にしなきゃと思えた一冊でした。(2010.8.25)
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分かっているようで、その正体については曖昧にしか捉えていなかった『コク』。 なるほど!と納得できた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
久々の「ネタ本」シリーズ。日本人が美味しさの表現方法の1つとして使う「コク」というものが何なのか?を様々な観点から考察した本。正直いってバカげているが、その突き抜け感が最高に良い。 日本人にとって「コクがある」という表現はあまりにも乱用されすぎている。食品の美味しさを表現する時に、濃いめの味付けがされているものや、味わい深いものに対してはおしなべて「コクがある」と表現されることが多いが、実際問題コクの意味を正しく理解して使っている人は殆どいないと思う。旨味があることの総称としてコクという表現を使うが、そのコクの正体に迫ったというかなり挑戦的な内容だ。 とはいえ、著者は食品・栄養化学を専門としているので、本来はコクや旨味よりも食物の栄養価について詳しい専門家といえるのだが、この2つが密接に絡み合っているという点が非常に面白い。 著者曰く、コクは3層構造となっており、中心部をなす「コアーのコク」と、その周りを取り囲むように「第二のコク」「第三のコク」があるという。 コアーのコクは、「糖分」「脂肪」「ダシ(旨味)」の2つであり、それらは全て生命にとって重要な栄養素を含んでいる、これら3つの要素のうち単独あるいは複数の組み合わせによってコクは成り立っていると著者は見ている。動物実験でも他の栄養素には固執しなかったにも関わらずこの3要素だけには固執する性質が見られるようで、人間にとってはまさに無意識に、本当としてコクに惹かれている、というわけである。面白のは、コレ以外の成分、たとえば塩分や酸味には、動物実験のマウスも執着しないという点。味を整えるのに塩やお酢を使ってもコクを深めることにはつながらない。 食品の美味しさを追求していくと最終的に必ずこの3要素に行き着くことは料理人や食品関係者の間では常識中の常識だそうで、料理に深みを与えるためには、砂糖か油かダシを足すのは必然。もし著者の言う通り、コクが生物学的に欲している ものだとしたら、我々が塩分や香りがやたら強い欧米の食事を日本人が好まないのは、日本人がよりコクに執着的であり、生物として飢餓の期間が強かったのかもしれない。 第2のコクとは「食感、香り、風味」だが、これは人類が経験的に学習した第一のコクにつながる「連想」でしかない。それ単体ではコクとは呼べず、第二のコクは第一のコクとつながってはじめて意味を成す。たとえばとろみや粘り、甘い香りなどといったものだが、この分類をきちんと分けている点はかかり面白い。 そして更にその外側にある第3のコクとは「精神性の世界」。味という枠を飛び出して、たとえば「コクのある演技」「人生のコク」といった表現の世界を指す。この食品と直接結びつかない世界にも定義を置いている点も面白かった。 他にもエピソード形式でいろんなお話を織り交ぜて語ってくれる本なので非常に読みやすい。薄いので一気に読み切ってしまったのだが、本来読みたいビジネス系・自己啓発系・史実系の合間にこの手のネタ本を挟むと脳がほっこりする。 他にもいくつか似たようなネタ本を積ん読してあるのでまた機会を見て読んでいきたい。
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食や、おいしさを構成するさまざまな要素の中から、‘コク’に目を向け、科学的知見を中心に詳しく解説した内容。その‘コク’という観点でいうと、長く親しまれている食事にも合点がいき、とくに日本の伝統的な調味法は優れたものであり後世に継承すべきものだとしている。欧米式の‘油によるコク’も...
食や、おいしさを構成するさまざまな要素の中から、‘コク’に目を向け、科学的知見を中心に詳しく解説した内容。その‘コク’という観点でいうと、長く親しまれている食事にも合点がいき、とくに日本の伝統的な調味法は優れたものであり後世に継承すべきものだとしている。欧米式の‘油によるコク’も含め前向きな見解を中心としているが、その一方で欧米式の食事の流入による日本食の淘汰も懸念しており、とくに第三層のコクに関しては幼少期からの食生活に左右されるもので、失われてからでは取り返しのつかないことになるように思われる。大人だけでなく子供の時期から、それと同時に子供だけでなく大人ももっと食への認識を深めて質の高い食文化に触れるべきだとしている。 最後の章の今後の食についての大胆予言はウィットに富んだものだったが、似たような現象が実際に加工食品業界で起こっていることもあり、あながちフィクションとして軽視することが出来ないように思えるし、筆者もそう思っているかもしれない。食の変化を時代の流れによる当たり前のこととしてないがしろにするのではなく、時には立ち止まって見直すことも大切だ。
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日経新聞での連載で興味を持ちました。 コクや甘味はエネルギーとして認識するから 美味しいと感じるし止められなくなるのだと納得しました。 効率の良いエネルギーを摂取するための本能なんだなと。 読みやすい文章で、味覚や脳について知ることが出来ます。 最後の章の近未来のコクは面白い...
日経新聞での連載で興味を持ちました。 コクや甘味はエネルギーとして認識するから 美味しいと感じるし止められなくなるのだと納得しました。 効率の良いエネルギーを摂取するための本能なんだなと。 読みやすい文章で、味覚や脳について知ることが出来ます。 最後の章の近未来のコクは面白い発想でした。
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「コク」という、分かるようで分からないもの、好きだけど正体不明のものを、科学的に分析してみよう、という一冊。 *ネズミも人間もコクのある食事は共通して食べ過ぎてしまうようです。人間の食事はおいしすぎるのかも知れません。 *私たちがコクと感じているものは、エネルギーが確かめられ...
「コク」という、分かるようで分からないもの、好きだけど正体不明のものを、科学的に分析してみよう、という一冊。 *ネズミも人間もコクのある食事は共通して食べ過ぎてしまうようです。人間の食事はおいしすぎるのかも知れません。 *私たちがコクと感じているものは、エネルギーが確かめられているものと言えます。ノンカロリーでコクがあるものはありません。
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『コク』という わかっているようで わかっていない 食の中での 重要な役割を果たす 言葉 を 科学的 および 実験的 および 文化的 なアプローチをする。 旨味とは おいしさと 一緒ではない。 おいしさは 総合的なのだ。 コクの構造とは、三層になっている。 コクとは 『甘さ ...
『コク』という わかっているようで わかっていない 食の中での 重要な役割を果たす 言葉 を 科学的 および 実験的 および 文化的 なアプローチをする。 旨味とは おいしさと 一緒ではない。 おいしさは 総合的なのだ。 コクの構造とは、三層になっている。 コクとは 『甘さ アブラ 旨味』の 複合体である。 そのコクを 『とろみ ねばり 香り』 が包んでいる。 さらに 精神的な文化 が 発揮する。 ネズミが 執着する 味を 実験的に 解明しながら ニンゲンの 味に関する メカニズム を解明しようとする。 常日頃 アブラが おいしさに どう関連しているのかが よくわからなかった。 『味細胞に アブラに 特異的に応答する受容体らしきものがある。 味としてではなく 脳を興奮させる刺激として おいしさに関係している。』 『わかりやすい強烈なコクのおいしさに満足せず、わざわざ物質的には 淡いコクを求めるのがなぜ大人の味覚なのか?』 花をのみ 待つらん人に 山里の雪間の草の春を見せばや 花は盛りに 月は隈なきをのみ 見るものかは 快感の絶頂 『実際においしい食べ物を口に入れる瞬間には、最高潮のおいしさの快感を用意しているように見えます。そして、驚いたことに、食べ始めると潮が引くように遺伝子の動きが終わってしまうのです。』 おいしさへの 洞察が ふかくなる第一歩ですね。 著者は サービス精神が旺盛ですね。
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引用部分に掲載したのが主に響いた点。 その他は栄養素の名前等が頻出しており、自分は 日常の食と直結しやすい実践的な分野に関心があるので 個人的には引き込まれなかった。
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