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風味絶佳 の商品レビュー

3.7

214件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    84

  3. 3つ

    66

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

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おすすめ

味覚を刺激される恋愛小説って珍しい、気がする。肉体労働に従事する男、その男を愛する女。6つの短篇はそれぞれ味わいが違うけど、どれも「舌触り」というか「匂い」というか、そんなものを感じさせる。おいしい物語、だ。

tt

2023/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山田詠美さんの作品が読みたくなって谷崎潤一郎賞受賞したというこの作品を取り寄せた。 表紙はキャラメルを並べたイラスト福井紀子氏 鳶職、ごみ収集、ガソリンスタンド、引っ越し、汚水槽清掃、火葬場という業種に働く方々の生き生きとした様子が心情と四季を含めた街の風景と馴染むように物語が進む。登場する男性は狼狽困惑する場面が多く、女性の芯の強さとの対比が印象深い。 人間の嫌な部分やずるい部分、少し救われる部分などドキッとさせられる。それぞれの物語の色合いが題名とともに違いを楽しめる。台詞がまた要所要所でスパイスになっている。 鳶職の同僚寺内さんの仕事ぶりを見てみたいし、美々さんの料理でお出迎えされたい、不二子さんのお店に行って説教されたい、日向子さん実家の庭を覗きたい。アトリエだけはですます調で哀しさが増すような気がした。

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2021/04/06

短編6編を収録しています。 表題作の「風味絶佳」は、アメリカかぶれの祖母と孫の青年の物語。カッコいいおばあちゃんだな、と思いながらも、著者の作品の登場人物にしてはずいぶんキャラクター性が強いようにも感じました。どことなく谷村志穂の作品に登場しそうな気がしています。 「春眠」は...

短編6編を収録しています。 表題作の「風味絶佳」は、アメリカかぶれの祖母と孫の青年の物語。カッコいいおばあちゃんだな、と思いながらも、著者の作品の登場人物にしてはずいぶんキャラクター性が強いようにも感じました。どことなく谷村志穂の作品に登場しそうな気がしています。 「春眠」は、章造という青年の物語です。想いを寄せていた弥生という女性が、彼の父親と結婚することになり、彼の心はかき乱されることになります。短い物語のなかで、さまざまな方向に感情が揺さぶられて、密度の濃さを感じる一編でした。一貫して章造の視点から物語が語られていますが、ほかの登場人物の視点からだとどのようにストーリーがえがかれることになるのだろうかということが気になります。ただ、すべての登場人物たちの全貌をとらえているとおぼしき章造の妹の視点からえがかれた物語だけは、ちょっと想像がつきません。こういった登場人物は、しばしば物語の測深器のような役割を果たすことになって、個人的には白けたような気分にさせられることがあるのですが、この作品にかんしては短編ということもあり、あまり抵抗を感じることなく読むことができました。

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2021/01/29

内容は★★★ 文体で★★ 「間食」「風味絶佳」「春眠」は面白く読んだ。 ただ、何度も読むのを途中でやめようと思った。 文体が苦手。私は個人的に苦手な川上弘美さんみたいだった (内容や人間観察の鋭さはとても面白いけど、文体が苦手)。好きな方にはすみません。いや、好きな人は好きだと...

内容は★★★ 文体で★★ 「間食」「風味絶佳」「春眠」は面白く読んだ。 ただ、何度も読むのを途中でやめようと思った。 文体が苦手。私は個人的に苦手な川上弘美さんみたいだった (内容や人間観察の鋭さはとても面白いけど、文体が苦手)。好きな方にはすみません。いや、好きな人は好きだと思う。 全編肉体労働者を主人公としているのが興味深い。とても多くの調べ物をされたんだろうなと思う。 ただ、そのパートナーは全体的に女として好きになれなかった。 時間をおいて読み返したら、また違うかもしれない。

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2019/07/14

センスの良い短編。最後の火葬を仕事とする人の話が良かった。 恋愛は頭でするものじゃなくて、肌でするもの、情緒、という作者のポリシーが伝わる。 翻って私達は頭を使いすぎていると思う。条件、とか目的とか、そんなことがすぐ先に来ちゃうのは貧しい。 想定もオシャレ。

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2018/06/25

そういえば、キャラメルってあんまりすきじゅないんだな。甘ったるくて。 この本に出てくる人たちが恋愛にうつつを抜かしていて、地に足が着いていない気がした。地に足が着いていない人の、余生の様な話に共感するには、まだ早いかな。70歳ぐらいなら楽しめそう。

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2018/03/30

肉体労働者の男性との恋愛を描いた短編集。 本の帯に「原材料名」「賞味期限」「保存方法」「成分栄養表」など書いてあるから、てっきり食べ物関係の話だと勘違いしてしまった。 色々な風味が味わえるということなんですね。 恋愛話と言ってもどれも甘すぎるわけではなく、なんとも言えない後味が...

肉体労働者の男性との恋愛を描いた短編集。 本の帯に「原材料名」「賞味期限」「保存方法」「成分栄養表」など書いてあるから、てっきり食べ物関係の話だと勘違いしてしまった。 色々な風味が味わえるということなんですね。 恋愛話と言ってもどれも甘すぎるわけではなく、なんとも言えない後味が残るものが多かったです。 ただ、"どの話が"と言ったものは残っていないかな?

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2018/03/29

短編の恋愛小説が綴られていて、そのうちの1つの風味絶佳が共通のテーマとなっている。 映画を観て、この作品を手に取って見たけれど、やっぱり原作はとてもいいなあとおもった。 そしてなによりグッときたのは、山田さんのあとがき。 風味で始まり絶佳に終わる。

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2018/03/29

上手い。なのに、この人の本って、★5だ!って思ったことないんだよなぁ。ふしぎ。 短編集なんですが、そのうちのひとつは、映画の原案になってます。

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2017/12/31

タイトルから、ふわっとした綿飴のようなストーリーを想像してたら、違った。 人間って複雑。それ故におそろしくも感じた。至って普通に見える人が一番こわいのかもしれない。世の中にはこんな人がわんさと生きてるんだなぁ。

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