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風味絶佳 の商品レビュー

3.7

214件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    84

  3. 3つ

    66

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

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2016/08/28

「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。孫にグランマと呼ぶことを強要する祖母・不二子は真っ赤なカマロの助手席にはボーイフレンドを、バッグには森永ミルクキャラメルを携え、70歳の今も現役ぶりを発揮する――。  鳶職の男を隅から隅まで慈しみ、彼のためなら何でもする女、「...

「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。孫にグランマと呼ぶことを強要する祖母・不二子は真っ赤なカマロの助手席にはボーイフレンドを、バッグには森永ミルクキャラメルを携え、70歳の今も現役ぶりを発揮する――。  鳶職の男を隅から隅まで慈しみ、彼のためなら何でもする女、「料理は性欲以上に愛の証」とばかりに、清掃作業員の彼に食べさせる料理に心血を注ぐ元主婦など、お互いにしかわからない本能の愛の形を描いた珠玉の6篇を収録。  山田詠美が作家生活20年目に贈る贅を尽くした最高傑作。 小説は、ままならない恋そのものである。

Posted byブクログ

2016/05/08

風味絶佳、これは森永ミルクキャラメルの宣伝コピーだそうです。良い言葉ですね、六篇の短編集に登場する人間のかもし出す風味、たたずまい、何とも言えぬ香ばしさ、まさに絶佳。詠美フリークだからかも知れませんが、心が落ち込んでいる時に、詠美さんの本を読むと、心がぬくぬくとしてくるのです。

Posted byブクログ

2015/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋愛の短編だと思って読み進めていたら、作者のあとがきを読んでびっくり。 まさかキーワードが「職人」だとは思わなかった……! 読み返してみると、職人というよりガテン系?のような気がする。 要するに肉体労働者の恋物語ってわけですね。 「間食」 職業:大工 二股をかける雄太。浮気相手の花にたっぷりとした愛情をかける傍ら、本命の加代にはどっぷり愛され甘やかされている雄太。その甘やかされっぷりは、見ていてこっちがはずかしい。スイカの種くらい自分で取れよ、と突っ込みたくなる。愛され過ぎて愛すことが出来ないからといって、余りまくった愛情をぶつける捌け口に花を使っている雄太が人間のクズにしか見えない。変人扱いされている仕事仲間の寺内は、少し不気味だけど中々魅力的。 「夕餉」 職業:ゴミの作業員 旦那と別れ、同居する絋のため料理を作る美々。 その料理にかける情熱は執念と言ってもいい。 その美々の作る料理はとても美味しそうで、読んでるとお腹が空いてくる。 一緒に暮らしてる絋が、少し子供っぽさがが残るけどチャーミングで優しくて素敵。 このお話が一番好き。二人の間に流れる時間が暖かくて心がほっこりする。まるで出来立ての美味しい手料理を食べたときみたいに。 「風味絶佳」 職業:ガソリンスタンドの店員 アメリカかぶれのグランマにふりまわされる史朗。 このグランマがまた強烈で、70歳なのに真っ赤なカマロを乗り回し、孫とたいして歳の変わらない男をボーイフレンドとして隣に置いてる。しかも彼女のいうボーイフレンドは、寝た男に与える称号らしいのだ。このグランマはわりと読者の方には人気らしいが、私はどうも好きになれない……。確かに見ていて飽きないし面白いけど、実際こんやお婆ちゃんがいたらちょっと恥ずかしいかなぁ…。 グランマに仕込まれたレディファーストを持て余してる史朗が、少し哀れでした。 「海の庭」 職業:引っ越し屋業者 離婚した母とその幼なじみの作並君が、こどもの頃の初恋をもう一度やり直す話。「大人が初恋やり直すっていやらしくて最高だろ?」っていう作並君が色っぽくて素敵だった。 このお母さんと作並君の会話が、その台詞の前まではいじらしくて可愛いなぁ、と思って見ていたのが、一気に淫靡なものに見えてきて、さすがは山田詠美さん。 主人公の日向ちゃんはこの作並君に恋しちゃうわけだけど、こういうおじさんがいたら多分このくらいの年齢の女の子は好きになっちゃうのも分かる気がする。というのも、作並君ってそれなりに歳を取ってるから、変に尖ったりすることもないし、いつも自然体でいるんだよね。若い者に対して見栄を張ったり張り合ったりすることもないから、気楽に付き合えるというか…。上手くいえないけど、思春期のささくれた少女が心を許すのは、きっと自然体で向き合ってくれる寛容な大人なんだと思うわけで、それが作並君何だよね、きっと。 「アトリエ」 職業:下水の清掃員 ディープすぎてこどもの私にはよく分からない……。 多分、どちらも30は過ぎてるのよね? してることが赤ちゃんプレイを見てるようで、気味悪かったのしか記憶がありません……。 「春眠」 職業:火葬員 これも中々……。大学時代好きだった友人が自分の父親と結婚しました!というとんでもない内容から始まる。主人公の章造はイライラモヤモヤしながらも、二人と過ごしていくのだが、ある日家族旅行に出掛けた際にそれまでの不満が爆発してしまう。 いや、これは爆発しても、仕方がないよ……。男手ひとつで育ててくれた親父が、若い嫁貰ってデレデレするところなんぞ見たくないし、ましてやそれが同級生で、しかも想い人となると心の葛藤は生半可なものではないだろう。しかもそのイチャイチャが見ていて非常に不愉快……。 母さんが可哀想だ!というところも、凄く同感。親父も少しは元妻のことを労ったらどうだなんだ~! 多分私は、歳の離れた恋愛ものが苦手なんだろうなぁ……。片想い、とかならいいんだけど、付き合っていく、となると何故か気持ち悪い……と思ってしまう……。まあ、恋愛は人それぞれですもんね!私は無理だけど、他人にがする分には別にいいんですけどね!

Posted byブクログ

2015/01/17

「哲学の基本でしょ?」「プリモピアットはラザニア」「なんというイディオットな」「死っていうのがいつも隣にあったんじゃないかな」・・・山田詠美節炸裂の短編集だった。二十歳の頃はこういうの大好きだったんだけどね、今はもうキツいという事が解った。あと、すごい年下と交際したり結婚したりす...

「哲学の基本でしょ?」「プリモピアットはラザニア」「なんというイディオットな」「死っていうのがいつも隣にあったんじゃないかな」・・・山田詠美節炸裂の短編集だった。二十歳の頃はこういうの大好きだったんだけどね、今はもうキツいという事が解った。あと、すごい年下と交際したり結婚したりする人間は男女問わず、かなり地雷だから注意して!って感じだった。

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2015/01/08

肉体労働の男との恋愛話6編。 昔は3Kといって嫌われた肉体労働が、草食男子が増えた昨今、逆に人気のようですね。 佐川男子なんて言葉もあるし。 でもやっぱり男には多少なりともワイルドさが必要でしょ。 だから「風味絶佳」の志郎は振られちゃったんだよね。 ジェントルなだけではつまらない...

肉体労働の男との恋愛話6編。 昔は3Kといって嫌われた肉体労働が、草食男子が増えた昨今、逆に人気のようですね。 佐川男子なんて言葉もあるし。 でもやっぱり男には多少なりともワイルドさが必要でしょ。 だから「風味絶佳」の志郎は振られちゃったんだよね。 ジェントルなだけではつまらないから。

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2015/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

詠美さんらしい恋愛短編集。中でも表題作の「風味絶佳」が絶品!孫に自分のことをばぁばではなく、グランマと呼ばせるアメリカンなセンス。名言の数々。恋愛観。また、読み返したくなるんだろうなぁ。ただ、この本を読む前に「シュガー&スパイス」として映画化されたのを観たので、グランマのビジュアルは夏木マリさん、孫は柳楽優弥さんで固定されてしまいました。映画のグランマ、まさに私の理想どおりのグランマでした。

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2014/09/10

風味絶佳、海の庭、春眠が好きです。共通してちょっと切ない。 風味絶佳は、女性側から見ていると感じる。シュガーとスパイスの配分はセンスと経験かな。グランマの孫にしては志郎センスないな。 海の庭は、日向子の本当の初恋物語。夏と海と青色の物語。 春眠の弥生は、生涯において奇跡的に出逢う...

風味絶佳、海の庭、春眠が好きです。共通してちょっと切ない。 風味絶佳は、女性側から見ていると感じる。シュガーとスパイスの配分はセンスと経験かな。グランマの孫にしては志郎センスないな。 海の庭は、日向子の本当の初恋物語。夏と海と青色の物語。 春眠の弥生は、生涯において奇跡的に出逢うべき人と出逢えた。それが居場所だってことは自分だからこそわかるんだろうな。

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2014/08/23

海の庭、アトリエ、が好みだった。 作並くんのようなおじさんは素敵だと思う。歳とともに積み上げてきたものは確かにあるだろうに、それを感じさせない気負いのなさは少女が恋するに十分だという気がする。情けなさが愛おしいの表現も非常に共感できる。 アトリエはちょっと怖かった。どっちもおかし...

海の庭、アトリエ、が好みだった。 作並くんのようなおじさんは素敵だと思う。歳とともに積み上げてきたものは確かにあるだろうに、それを感じさせない気負いのなさは少女が恋するに十分だという気がする。情けなさが愛おしいの表現も非常に共感できる。 アトリエはちょっと怖かった。どっちもおかしい。彼女の気鬱は不幸への憧れのようなもので、幸福を与えることで抜け出せるようなものじゃない。痛めつけて不幸と思い込ませた方が彼女は幸せだったと思う。

Posted byブクログ

2014/01/13

1つ1つの短編は読みやすい。ただ、読後に印象が残るかというといまいちどれもいまいちしっくりくるものが無かった。 最後が、ぼやけて終わっている話(余韻を残す?)が多い。

Posted byブクログ

2013/10/28

きっと、まだこの小説たちの良さを、わたしはわかりきれていない。(文学的に良い意味で)気持ちわるい。すぐにではない、また読みたい。自分で納得のいく結論を見出せるくらい大人になってから。

Posted byブクログ