読む力は生きる力 の商品レビュー
子供には良い本を読むことが大切だという筆者の考えは、伝わってきた。 久しぶりに読んだ「物語ではない本」。 ちょっと疲れた。
Posted by
主張そのものはおおむね同意できるが、全体的に科学的根拠が弱く、「サンプル」が教え子だけの場合も多いなど不満が残る。本に比べて、映像、電子メディア(豪華な挿絵本も含む)に対する視線が厳しいのは著者の世代によるバイアスか。絵本から本格的な読書になぜ移行できないのか?という問題意識は興...
主張そのものはおおむね同意できるが、全体的に科学的根拠が弱く、「サンプル」が教え子だけの場合も多いなど不満が残る。本に比べて、映像、電子メディア(豪華な挿絵本も含む)に対する視線が厳しいのは著者の世代によるバイアスか。絵本から本格的な読書になぜ移行できないのか?という問題意識は興味深いし、多くの冊数を読めば良いわけではない、ダイジェスト版の文学性の喪失なども批判として正当だ。 ・子どもを意識した本を作ったのは18世紀中ごろのイギリスのニューベリー。それまで本を読むという習慣は子どもにはなかった。日本でも明治から出版文化が発達し、読書は教養スキルとなった。 ・社会のなかで「伝えること」「受け継ぐこと」「手渡すこと」に学ぶ意味もある。自分のことを考えているだけでは意味は見いだしにくい。 ・アフリカではいまも昔も本を読んでいない。昔は物語の国だったから。本はヨーロッパのもので自分たちのものでなかったから。しかし、その語りも南アフリカでは崩壊しつつある。テレビのせいで。 ・本が普及するようになってから、昔ながらの共同体の力は弱まったが、本は世界中の人を結び、過去と現在をむすびつけて、大きな共同体が育ってきたとも言える。 ・映像が子どもの発達に与える影響については、まだまだわからないことだらけ。でも、けっして内容の善し悪しだけの問題ではなさそうだ。(#「メディアはメッセージ」だ?) ・読むことの独自性。映像メディアに対して。1.話し言葉ではなく、書き言葉レベルの言葉を使う力。2.想像力。3.全体を見渡して論理的に考える力。(#1.と2.は関連している。メタ認知の視点。3.は本のアフォーダンスに関して。論理的には考えることは、本というメディア、読書という行為から必然として導かれるものではないだろう。技術によって変わる部分が大きい。アメリカの教育者ハーリーの論文の引用も電子メディアが具体的に示されていないので、根拠として弱い。) ・「作者への信頼感がもてる」「距離を置いて外から眺めながらも登場人物と一体になれる」ことは、児童文学作品を見分ける時の大切なポイント。
Posted by
「読む力は生きる力」 著者の読書支援活動を通して得た結論が、この一言に集約されている。 子どもの成長段階ごとに、どのように「読む」事と向き合っていくか理解でき、多少なりとも読書支援をしている身としては、いちいちうなづける部分が多い。 ただし、コンピューターの操作に関する...
「読む力は生きる力」 著者の読書支援活動を通して得た結論が、この一言に集約されている。 子どもの成長段階ごとに、どのように「読む」事と向き合っていくか理解でき、多少なりとも読書支援をしている身としては、いちいちうなづける部分が多い。 ただし、コンピューターの操作に関する記述(p.150)は、実はTVゲームで育った身としては、しっくりこない所もあります...。
Posted by
読書がいいということはよく知られていますが、どうしていいのかということは、あまり説明されていない気がします。そういう疑問に、ずばっと答えてくれています。私も息子と娘に本を読んであげなければ…そう思わせてくれた1冊でした。子育て中のお父さん、お母さんにお薦めです。
Posted by
言っていることは、まぁ、そうなんだけど・・・。 その主張の根拠が結局筆者の経験談に終始してしまっていて、強い説得力がない。 一般的にいわれている読書のよい点、テレビなどの映像メディアの悪い点をまとめた本、と考えるならいいかもしれない。
Posted by
実にまどろっこしいが・・・ P28 ブックスタートの本来の趣旨は、Share books with your baby P134 (子どもにとって本当にいい本とは、)読んだそのとき「ためになる」、あるいは「ためになったような気がする」だけの本ではなく、あとになって本離れする原因に...
実にまどろっこしいが・・・ P28 ブックスタートの本来の趣旨は、Share books with your baby P134 (子どもにとって本当にいい本とは、)読んだそのとき「ためになる」、あるいは「ためになったような気がする」だけの本ではなく、あとになって本離れする原因になったりしない本、つまり、読む力を育ててくれる本であるべき P140 読書の価値は何かというと、それは読まれる内容にあるのではなく、読むという精神活動そのものにある・・・まず書き言葉レベルの言葉を使う力であり、次に想像力であり、第三に全体を見渡して論理的に考える力だ
Posted by
ノートルダム清心女子大教授の脇明子さんが、子どもの読書について書いた本。 今の学生さんたちのなかで、書かれた文章を理解してレポート等を書き上げるだけの能力があるにも関わらず、物語の本を一冊読み通すことのできない人がいるそうです。このことについて、児童期によい本と巡りあってこ...
ノートルダム清心女子大教授の脇明子さんが、子どもの読書について書いた本。 今の学生さんたちのなかで、書かれた文章を理解してレポート等を書き上げるだけの能力があるにも関わらず、物語の本を一冊読み通すことのできない人がいるそうです。このことについて、児童期によい本と巡りあってこなかったこと、本の質ではなくただ冊数を読ませる学校での読書指導があったのではないかと指摘されています。 またよい本は、自分で想像力を掻き立てる、物語を自分のなかで描きあげることにより、自分が主人公に同化すると同時に、俯瞰で物語全体を見渡すことができるものだそうです。 話し言葉のレベルでなく書き言葉とレベルの文章、抽象的な物事を理解し表現する能力は、よい物語を読み自分で物語の世界を想像することによって、伸びてゆくのではないかともいわれています。 自分の読書を振り返ってもいえることですが、脇さんがあげているような質のよい本に巡りあえていたらよかったなあと感じます。 今からでも遅くない、例えば「あしながおじさん」「宝島」「くまのテディ・ロビンソン」など、古典的な名作を、ダイジェストでない完訳で読んでみたいです。
Posted by
読み聞かせについて「子どもは、本を読んでくれる大人の価値観を、知らず知らずのうちに受け入れていくことになる」 本を読むことについて「肝心なのは、一文字一文字を読むことではなく、言葉をもとに想像力を働かせ、内容を理解し、物語の展開についていくこと」 本のおもしろさに(本の選び方)つ...
読み聞かせについて「子どもは、本を読んでくれる大人の価値観を、知らず知らずのうちに受け入れていくことになる」 本を読むことについて「肝心なのは、一文字一文字を読むことではなく、言葉をもとに想像力を働かせ、内容を理解し、物語の展開についていくこと」 本のおもしろさに(本の選び方)ついて「読むうちに人物や世界が見えてきて…期待や不安に胸をふるえはじめたとき…先を読まずにはいられなくなり、次々にページをめくっていきます」 さぁ、図書館へ行こう!そんな気持ちになります。読み語りについてのひとつの指針を示してくれました。
Posted by
岡山の大学で教鞭をとりながら「岡山こどもの本の会」代表をされている著者が子供になせ本を読むことが必要か、ただ本を読むだけでなく子供の想像力を膨らませたり、生きる力になる本はなにかとかを伝えた本。
Posted by
テレビ中心の生活をしてきた者にとって、ズキッと胸が痛くなる話もたくさん。メディアと関わりすぎた子育ての危険さなど、わかってはいたものの、ビデオやテレビに子守りさせていた自分をつくづく反省。でも、読んでみてよかった。娘になんでもいいから本を読めと言ってきたことが間違いかも知れないこ...
テレビ中心の生活をしてきた者にとって、ズキッと胸が痛くなる話もたくさん。メディアと関わりすぎた子育ての危険さなど、わかってはいたものの、ビデオやテレビに子守りさせていた自分をつくづく反省。でも、読んでみてよかった。娘になんでもいいから本を読めと言ってきたことが間違いかも知れないことなど、知れてよかった。娘の好きな本を尊重しつつ、これからは、私が感動できた、よい物語を薦める勇気も沸いてきた。絵本の読み聞かせでも、なるべく一人読みへの手助けになるような、物語性のあるものを選んでいきたい。 本を読むことによる、メタ認知能力、疑似体験、想像力、そういうものを培うことは、確かな生きる力になるにちがいない。 ついつい子供受けする本や絵本を選んでしまわないように、自分自信も勉強 していかなければ!
Posted by