読む力は生きる力 の商品レビュー
個人的にはたしかにそうだなと思う部分もあり、今後の気づきにはなったけれど、「お母さんを追いつめる本」にも思えた。
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今の大学生の中には、絵本を読み聞かせてもらって育ったのに、「絵や写真のある本を見るのは好きだけど、文字だけの本は見る気がしない」という活字離れ傾向が感じられるそうです。 その原因の一つに、絵本の挿絵のきらびやかさをあげていました。「絵本は小さな総合芸術だ」という思想のもと、大人が楽しめたり、作者の自己表現を目的とした絵本が増えているのでは?絵があまりに鮮明で詳しすぎて、子どもの想像力を奪っているのでは? なるほど、そうかもしれません。私自身、絵の美しい物に惹かれます。名作と言われる『どろんこハリー』に惹かれない‥メディア漬けの弊害かもしれません。 今年から小学校の読み聞かせのボランティアを始めました。少しそのへんを意識しながら、読む本を選んでいきたいと思いました。 我が子には小さい頃から絵本を読んでいます。今、小学3年生の長女にどんな本を与えていったら良いか思案していました。自分で好きな本を図書館で借りて読んでいますが、まあ、本人が楽しめれば良いのかな?ぐらいに思っていましたが、少し違うのかな?と思わせてくれる本でした。 「なんでもいいからたくさん」の害‥ 小学校の図書館などで、冊数を競わせる傾向を危惧していました。子どもは冊数をかせぐために、ページ数が少なく絵が多く文字が大きい本を選ぶので、一刻も早く読み終えることだけに夢中になってページの上に目を走らせただけでは想像力は働かず、それまでに読んだことを突き合わせて理解するといった思考力も働かない。そのため、小学校高学年から中学校ころになって、年齢相応に文字の多い本を読もうとすると歯が立たなくなり、本離れにつながる。 私自身、あまり児童文学を読んできていませんので、娘と一緒に読んでいこうかと思いました。 最近、「名作アニメ」も成立たないという指摘もされていました。子ども達が次回まで一週間待てない、一回にひとつの事件が起こる読みきり方式ならよいが、これまでの出来事や以前出てきた人物などを覚えておく必要のあるものはついてきてもらえないそうです。「名作アニメ」にさえ子ども達の想像力がついていけないというのは、かなり深刻な事態です。 私の子どもの頃は、「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」「ペリーヌ物語」「赤毛のアン」「小公女セーラ」などのアニメが一年くらいかけて放送され、毎週楽しみでした。そういえば最近、無いですね。 子どもの読書について考えさせられる本でした。
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ゲームをしていて思う通りにいかない場合、プレイヤーは壁を殴ったり、時にはゲーム機を壊したりする。でも『宝島』のような本を読んでいて、意に反する展開になったとしても、本を投げたりはしない…なぜか?という問いにハッとさせられた。 なぜかと言うと①作者に対する信頼感②物語を一段上から...
ゲームをしていて思う通りにいかない場合、プレイヤーは壁を殴ったり、時にはゲーム機を壊したりする。でも『宝島』のような本を読んでいて、意に反する展開になったとしても、本を投げたりはしない…なぜか?という問いにハッとさせられた。 なぜかと言うと①作者に対する信頼感②物語を一段上から見ている、からなんだそうだ。メタ認知力のトレーニングになっている。
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「本を読みなさい」と子供に言ってはみたものの、「どうして本を読んだ方がいいの?」と問われると答えに詰まってしまう、そんな大人にとっての救世主となる本。子供が成長する上で大切な感情や、認知能力を如何に本が育んでくれるのかという事を、作者が推奨する本を交えながら、とても分かりやすく丁...
「本を読みなさい」と子供に言ってはみたものの、「どうして本を読んだ方がいいの?」と問われると答えに詰まってしまう、そんな大人にとっての救世主となる本。子供が成長する上で大切な感情や、認知能力を如何に本が育んでくれるのかという事を、作者が推奨する本を交えながら、とても分かりやすく丁寧な言葉で教えてくれる。 そもそも現代の親は、子供に与える食事や栄養には、オーガニックや無添加とやたら気を遣っているのに、かたや本となると何故、キャラクター物や、絵が綺麗で分かりやすい絵本ばかりを選ぶと分かって居て、子供に自由に選ばせるのか。それは、食事で言うところの子供の大好きなスナック菓子ばかりを与えている状況と変わらないのではないか、という意見には大いに共感した。 この本を読んで、本の持つとても大きな可能性を知る事が出来た。
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「読書は本当に大切か」という問題提起に筆者が向き合った一つの答え。 「いい本」とは、「ちゃんと読みこなせば、まんがよりもアニメよりもゲームよりもおもしろい」もので「人間や世界について基本的に前向きの姿勢を持つもの」とし、 「読む」精神活動にて①書き言葉レベルの言葉を使う力 ②想像力 ③全体を見渡して論理的に考える力を育み、思春期を支え、大人になる手助けをする。 「なんでもいいからたくさん」という指導、「名作を」という強要。 藤原和博氏の「本を読む人だけが手にするもの」にも指摘あったように、「本の世界に自分自身を投影できるかどうか」が大切なので その年頃にあった本を息子たちと一緒に手にして読んでいければと思う。 内容は非常に深く賛同できるのだが、根拠となる記述が弱いのが残念。
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頷ける内容に富んでいた。単に読書礼賛ではなくて、自尊心を支える文化、そのひとつとしての読書の重要性を基盤として、子どもと本をめぐる諸問題を考察する。特に、文字が読めても本が読めないという問題についての指摘は重要。大学生たちの等身大の報告からの分析は興味深い。また、子どもにとってい...
頷ける内容に富んでいた。単に読書礼賛ではなくて、自尊心を支える文化、そのひとつとしての読書の重要性を基盤として、子どもと本をめぐる諸問題を考察する。特に、文字が読めても本が読めないという問題についての指摘は重要。大学生たちの等身大の報告からの分析は興味深い。また、子どもにとっていい本とは何か、大人が真剣に考え、導くことが必要だという考えには同意。想像力や「書き言葉レベル」の言葉を使う力、メタ認知能力など、まさに生きていくのに必要不可欠な力を育てる読書を楽しむことを子どもへ教えていきたい。
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本書は本の解説ではなく、本を読むことに関する本である。 なぜ読書が大切なのか、子どもに絵本から児童書までをどのように読ませればよいか、そして時代は本を読まなくてもやっていけたひと昔前からデジタル化の進む現代かけてどう変化してきたのか、について丁寧に温かみのある文章で説明してくれ...
本書は本の解説ではなく、本を読むことに関する本である。 なぜ読書が大切なのか、子どもに絵本から児童書までをどのように読ませればよいか、そして時代は本を読まなくてもやっていけたひと昔前からデジタル化の進む現代かけてどう変化してきたのか、について丁寧に温かみのある文章で説明してくれる。 (特に児童の)読書について、この本ほど親身に教えてくれる本は他にない。絵本についても詳しくなれる。 子どもがいて本とどう関わらせていけばいいかわからない、という方に特におすすめの一冊。
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子どもたちに読書がなぜ必要かをひもといていく本 多様化する社会に対応するために、読書で培われる自尊心が逆境にさらされたときも自分を助けてくれる、本が視野を広げるだけでなく時空を越えた人間理解を可能にしてくれる などとてもわかりやすく書いている
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自分の中で、電子メディアと活字、本の関係をうまく整理するのに非常に腑に落ちた。 子どもへ伝えるメッセージが散りばめられており、ひとつの参考となった
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児童サービス論の参考図書として借りたもの。参考図書は流し読みすることが多いのだけど、本書は子どもと本の関わりについて大変温かみのある目線で述べられていて、自身の家族との関わり方についても考えさせられた。また子どもに必要と思われる物語の本質について述べられていることが、参考になった...
児童サービス論の参考図書として借りたもの。参考図書は流し読みすることが多いのだけど、本書は子どもと本の関わりについて大変温かみのある目線で述べられていて、自身の家族との関わり方についても考えさせられた。また子どもに必要と思われる物語の本質について述べられていることが、参考になった。勉強をきっかけによい本に出会えたと思う。
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