まんが パレスチナ問題 の商品レビュー
世界史を習ったことがない、何も知らない27歳です。今世界で起こっている現状を少しでも知っていきたいと思い、この本を手に取りました。 非常にわかりやすいですが、なにせ何の知識もないので、まずは宗教というもの自体を学ぶところから今は始めています。『教養としての宗教入門』や『はじめて...
世界史を習ったことがない、何も知らない27歳です。今世界で起こっている現状を少しでも知っていきたいと思い、この本を手に取りました。 非常にわかりやすいですが、なにせ何の知識もないので、まずは宗教というもの自体を学ぶところから今は始めています。『教養としての宗教入門』や『はじめての聖書物語』、『ホロコースト』、『物語 フランス革命』、『物語 エルサレムの歴史』、『世界史の中のパレスチナ問題』を同時に読み進めながらですが、まだまだ最初の方の章で止まっています。 十字軍やインディアンの歴史、ローマ帝国についてもさらに知りたくなりました。始まりは全て同じ宗教であったはずなのに、なぜこうも歪んでしまったのか。絵が可愛くて読みやすいですが、この裏にある沢山の残酷な歴史を思うと、これくらい可愛くないと心が潰れてしまいそうです。
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2023年のイスラエル・パレスチナ間の問題について勉強・知識不足故に背景が全くわからず問題の理解が進まないため、少しずつでも知っていくためにまず、読みやすそうなこちらを手にしました。 まんがとタイトルにありますが、コマ割りの漫画ではなく挿絵がたくさんあるもので本以上漫画未満(絵...
2023年のイスラエル・パレスチナ間の問題について勉強・知識不足故に背景が全くわからず問題の理解が進まないため、少しずつでも知っていくためにまず、読みやすそうなこちらを手にしました。 まんがとタイトルにありますが、コマ割りの漫画ではなく挿絵がたくさんあるもので本以上漫画未満(絵が入っているという意味で)という感じです。 挿し絵があることでイメージしやすく、一通り流れを追って読むことができました。 また、語り手がパレスチナ人、ユダヤ人の少年と不思議な猫という複数の視点のものであるから偏りすぎずに読める点も良かったです。 長い今までの歴史があり、そして今なお続く因縁関係における出来事の一つが最近の報道なのだとわかりました。 ガザ地区への攻撃、子供の被害など胸が痛むもので何故こんなことを?と不思議で全く理解できませんでしたが、この本を読んで、大まかな経緯はわかりました(共感できる、納得できるという意味ではないです)。 対岸の火事のようにただ他人事のようにみていて火の粉がかからない位置から平和を祈るだけ、というのは何もしていないのと同等ではないか?とロシアのウクライナ侵攻についての小泉さんの本を読んで思い至りました。 ガザ地区への攻撃をやめてと言って止まるのなら、とっくに止まってますよね。 声を上げることが意味がないとは思いませんが、それを言うだけ、というのは安全地帯から憂いて平和を願う大人が行う行為としては力がない気がします。 イスラエル、パレスチナ間の和平交渉の場を設け、話し合いを進めていくことも大事なのは、この本で語られる過去の和平交渉の機会やノーベル賞受賞などからもわかりますが、話が進んでも、パレスチナ側に民主主義的視点から国を率いることができるリーダーの資質を持つ人材がいないこと、絶望が蔓延して諦めてしまっていることなどから、学問の教育だけでない政治の指導が必要なのではないかと思えました。 またイスラエル側の暴力に対して暴力で対応する姿勢について、それを止める倫理観の教育が必要なのではないかと思うのですが。信仰する宗教故に価値観倫理観は変え難いのでしょうか。 多様性尊重が叫ばれる世の中で、それに従わないとキャンセルカルチャーが蔓延してる西側諸国。 多様性尊重の気配がないイスラエル・パレスチナ問題、と思ってしまいました。 そもそも、、、最初の神話的な話って、作り話なのではと、無宗教の人は思うのではないでしょうか。 罪のない人を殺してまで尊重する価値がある神秘とは思えないです。 その根本的な聖書の話に突っ込むのは、またイスラエル・パレスチナ問題とは違うと思いますが、疑問に思わずにはいられませんでした。 自爆テロをする人に対して理解できませんでしたが、この本を読んでその行為に至ってしまう絶望の引き金、理由を知ることができました。 帰る家どころか国もない未来もない、と思って、自分の行動で天国に行け、家族にお金が入るから、敵は殺して良いと吹き込まれ続けたら、病んだ心はそれに傾いてしまうのだろう。とんでもなく悲しいことだ。 そんな人たちがいたなんて。 民族紛争解決のポイントは「憎しみや恨みを忘れて、テロと報復の連鎖を断ち切ること」と、「隔離や分離をしないで他民族が平和に融合した社会を目指すこと」(P.263) 確かに、と思う反面、自分の国で自分の周りで、と考えた時に果たして多くの外国人を受け入れられるかと思うと複雑である。日本の未来を考えて、受け入れなければ難しいと言うのはわかっていても、価値観倫理観は日本ベースであって欲しい。かといって、外国人の人たちそれぞれの母国の文化を貶したり無くしたい訳でもない。だけど、、日本では日本を優先して欲しいって言うのも、衝突になるのかな。 同じ人間だから、もっと大雑把に?ってなるのかな? でも、同じ人間でもバラバラの性格、考えを持つ人たちで協力して社会を作っていく中で協調性とか勤勉さとか、日本の考えは効果的と思うこともある。悪いところもあるけれど。色んな国の良いところ、を混ぜてがいいのかな。 でも国のトップはそういう悠長なことは考えずに、利益と外交で決めていくのだろう。 映画は政治的なものと常々思ってはいたが、映画が所々に引用されているのをみて改めて映画は政治を描いてきたのだなと何だか映画好きとして誇らしくなってしまった。
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パレスチナ問題に関して無知である自分にとって、最初に読む本としてベストだった。 ただ、この本を読んでパレスチナ問題が何重も何重も何重も複雑であるため、一度読んで「理解した」と言える問題では無いと感じた。 2000年の間、迫害や離散を迫られたユダヤの人が、パレスチナに戻り、やられた...
パレスチナ問題に関して無知である自分にとって、最初に読む本としてベストだった。 ただ、この本を読んでパレスチナ問題が何重も何重も何重も複雑であるため、一度読んで「理解した」と言える問題では無いと感じた。 2000年の間、迫害や離散を迫られたユダヤの人が、パレスチナに戻り、やられた事をやる側に回った(回らざるを得ない感情)のは複雑。 この本を読み、テレビとかで見る戦争の問題に対して、 暴力が起きている背景(宗教、環境、感情など)を踏まえないといけないと感じた。
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少しだけアカデミックに現在進行形の時事問題の背景を理解したくなり、この本を購入しました。合わせて続編も手に入れ一気に読了。(「まんが」で手短に理解しようとしたのは大きな間違いでした。やはり難しい。) 中東の問題といえば、宗教絡み、石油絡み、そして第二次対戦後米国主導で国連決議の...
少しだけアカデミックに現在進行形の時事問題の背景を理解したくなり、この本を購入しました。合わせて続編も手に入れ一気に読了。(「まんが」で手短に理解しようとしたのは大きな間違いでした。やはり難しい。) 中東の問題といえば、宗教絡み、石油絡み、そして第二次対戦後米国主導で国連決議の下に建国されたイスラエルという国が大きく絡んでいます。 今、テレビニュース等で報道されているガザのハマスとイスラエルとの争い。今のニュースだけを切り取ってみると、ガザのハマスがイスラエルの一般市民にロケット弾を撃ち込み、イスラエルが反撃し市民を巻き添えに!というもの。しかし、国連で、「とりあえず停戦しろ」といっているが、米国は拒否権を発動。イスラエルはハマスを根絶やしにすると息巻いている。一方、道徳的な観点から、、、、 このイスラエルvsハマスの対戦は今に始まったことではなく、十年以上前から同じような攻防戦が何度も何度も定期的に繰り返されているのですね。ガザの極貧生活もイスラエルの閉じ込めによりすでに何年も続いています。イスラエルもハマスからのロケット弾攻撃を何度も被っている。イスラム過激派の名前は色々と出てきて複雑ですね。ハマスの前にはPLOのアラファトが有名でした。他の地域ではタリバン、アルカイーダ、今勢力を伸ばしているのはイスラム国(IS)でしょうか。 根本的には何が問題なのか?今もニュース解説等で説明されていますが、もう一つ腹落ちしない。そこで、この本を読めば何らかの知識を得る事ができるかもしれない、と思い手にしました。(本屋さんには見当たらず、ブックオフにもなく、ネットで正規購入。しかし2週間ほどかかりました。なかなか手に入らないのですね。需要が多いのかもしれません。) しかし、この本を読んで全ては理解できませんでした。あまりにも多くの争いが出てきて、その前後関係や背景を理解しようとしても歴史のスパンが長く、関係する地域が広い。そして宗教が絡んできます。完全には理解し難い。多くの国々の関係性がその時代時代によって変わってきます。 解明しようとしても、ほとんど人類の歴史そのものになってしまう。ナイル文明、チグリスユーフラテス川のメソポタミア文明の頃から理解しないといけない。そして宗教的な背景が入ってきます。(十字軍から石油ショック、湾岸戦争、ニューヨークの9.11を全て根本から説明するのは難しいでしょう。) 元々、一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教。これらの宗教が崇めている「神」は同一なんですね。「元々ユダヤ教徒であったイエス・キリストはパレスチナ人」なのだということからも良くわかります。全て紀元前の話。イスラム教は紀元後6世紀ごろ出来上がります。そもそも同じ地域の人々。ノアの方舟のことは昔々どの宗教の皆さんにも共通の宗教的背景があったことのようです。モーゼの「十戒」あたりはユダヤ教になりますが。「三大宗教」の「聖地」が「エルサレム」にあるということも皆さんの出自が同じだということを象徴的に物語ります。 アレキサンダー大王、ギリシャ、エジプト、ローマ、オスマントルコ。それぞれの時代の移り変わりとともに宗教の広がり方や内容、他宗教との関係性も変わってきます。部族・民族の多様性も複雑。そして、欧米の列強が石油の利権を求めて様々な国々、民族をぐちゃぐちゃにして憎悪だけを残して去っていった。(未だに裏では操っていますが) 2000年に渡って争いの歴史がある。理解しようとしても一筋縄では行きません。 なので、いま現在の状況においてどちらが悪いとは軽はずみには言えません。難しい。まさしく人類の歴史そのもの。 ただ、現時点において言えることは(極めて個人的な見解ですが)、 ・長期にわたる独裁国家(独裁者)は国民に真の情報を開示せず、他国へ侵略することにより政権の存続を求めがちである。(現時点ではプーチン、習、金、ルカシェンコのように) ・宗教を根拠として出来上がった国家・集団は他宗教への攻撃を政治の目標としがちである。 ・傀儡政権による民主国家らしきものは中枢から腐敗し多くの弱者が生まれて、国民は絶望してしまう。 ・軍部を力の根源とする政権は力で国民をねじ伏せる。 ・極貧、絶望の中から難民やテロが生まれてくる。 ということぐらいでしょうか。 幸い私は比較的平和な時代の日本で生きてきました。この私の感覚が世界規模で見るとかなりズレているのかもしれませんが。 第2次大戦後、日本も様々な浮き沈みを経験してきましたが、かろうじて戦争に直接巻き込まれておりません。今の所は。 何とか日本を含め全世界の人々が安心して生きている世の中になってほしいと願うばかりです。
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Twitterでたまたま見かけて気になったので読んでみたが、本当にわかりやすい。 パレスチナ地方を巡る争いの大元は旧約聖書の時代まで遡り、やがて列強による利権争いが絡んでくる。もとは同じ神を信じた人たちがなぜこんなことになってしまうのか。しっかりとその歴史を知って考えたい。そし...
Twitterでたまたま見かけて気になったので読んでみたが、本当にわかりやすい。 パレスチナ地方を巡る争いの大元は旧約聖書の時代まで遡り、やがて列強による利権争いが絡んでくる。もとは同じ神を信じた人たちがなぜこんなことになってしまうのか。しっかりとその歴史を知って考えたい。そして、私たちの周りでも人種や民族、宗教の違いなどから諍いが起こらないように学んでいきたい。 それにしても、いつの時代もどこの国でも「神」と「金」というのは使い方によっては厄介なものにもなるんだなあ。
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やっと分かった 「世界中に民族は約3000、言語は約5000あると言われています。でも国の数は200しかありません。どう考えても、各民族の自決、分離独立は不可能です」
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書いてあることは複雑だ。 なぜならこの問題は”簡単に”することで取りこぼしてしまう要素が多いから。 それを複雑性を保ったままで、あくまで書き口を可能な限り簡易に、そして風刺画も交えながら、なぜこの問題が生まれ、世界がどう対応してきたのかを書いている。 この1冊だけですべてを理解...
書いてあることは複雑だ。 なぜならこの問題は”簡単に”することで取りこぼしてしまう要素が多いから。 それを複雑性を保ったままで、あくまで書き口を可能な限り簡易に、そして風刺画も交えながら、なぜこの問題が生まれ、世界がどう対応してきたのかを書いている。 この1冊だけですべてを理解できるわけでもないことはわかっているけど、いまのこの状況で無知ではいられない、でも何から学べばいいのかわからないという人にはうってつけだと思う。 センセーショナルでわかりやすさだけに特化した解像度の低い本やネット記事を読むよりも明らかに正確だ。 読んでよかったと思う
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漫画 とあるがイラスト多めなだけ 二人の少年と猫が会話しながら歴史をわかりやすく語る。って昔の学習漫画によくあった形式。 猫がかなりメインで語るのだが文末や文章の途中でニャとかニョとかむりやり入ってて最初その部分が名詞なのかと混乱した。 文末だけにしてほしかった。
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まったく知識がない自分が読んでも非常にわかりやすかった。 日本人にはあまり馴染みがない(?)宗教問題。 まさか始まりが紀元前とは… この本から始めて、もう少しパレスチナ問題を学んでいこうと思った。
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普段は漫画をほぼ読まないのだが(鬼滅の刃など話題になった物は読んだ)、漫画とパレスチナ問題という、一見相容れないタイトルに惹かれ読んでみた。漫画と言うが2人の主人公+猫の会話を中心に挿絵を織り交ぜながら、パレスチナ問題の根本原因となる二つの宗教の成り立ちに始まる。モーセの出エジプ...
普段は漫画をほぼ読まないのだが(鬼滅の刃など話題になった物は読んだ)、漫画とパレスチナ問題という、一見相容れないタイトルに惹かれ読んでみた。漫画と言うが2人の主人公+猫の会話を中心に挿絵を織り交ぜながら、パレスチナ問題の根本原因となる二つの宗教の成り立ちに始まる。モーセの出エジプトを機に世界を彷徨い続け(ディアスポラ=離散)、時にナチスドイツのホロコートに代表される様な悲惨な目に遭うユダヤ人。彼等はどこの土地にいてもその他民族の嫉みや恨みの対象となり迫害され続ける。そんな彼等を救えるのは最早自分たち自身しかない。辿り着く先それはユダヤ回帰シオニズムによるパレスチナでの建国。一方パレスチナには元々土地に住んでいたパレスチナ人がおり、勝手に入ってきて建国されてはたまらない。そこへ第一次世界大戦への流れとなる。当時パレスチナを支配していたのは弱体化したオスマン・トルコ帝国だが、イギリスはアラブとはアラブ独立国家を約束する「フサイン-マクマホン書簡」、フランスやロシアとはオスマン帝国両度分割を約束する「サイクス・ピコ協定」、そしてユダヤ人からの資金援助の代償としてユダヤ人のパレスチナ移住を約束する「バルフォア宣言」と見事なまでの三枚舌外交を演じる。直接的には現代のパレスチナ問題へと繋がる、それぞれへの根拠ときっかけを作ってしまった。結局大国フランスとの領土分割だけが守られる事に。 その後も第一次〜第四次中東戦争では、エジプトやイスラエル、ヨルダン、レバノン、そしてアラファト率いるパレスチナ解放戦線(PLO)など周辺諸国を巻き込んだ紛争地域がすっかり板についてしまう。ガザ地区に押し込められた民衆の間でもイスラエルに対する放棄(インティファーダ)として投石・火炎瓶が投げられるシーンはニュースや報道番組で何度となく目にした。一時期活発化した和平交渉もイスラエルがタカ派のネタニヤフである現在、問題解決に向かうかはわからない。聖域完全奪取に向け、軍事力に任せたイスラエルの威圧は暫く続くだろう。 本書のラストでは会話をしてきた主人公の2人がこの先のパレスチナの未来を共に手を取る事を約束するエンディングへ向かう。然しながらキリスト教含む様々な宗教と政治の思惑、民族の交差点にあるパレスチナという土地柄が複雑な問題の解決を難しいものにしている事は間違いない。千年以上前から続く民族個々の事情がそう簡単に解決するとも思えない。 ここでも最終的には平和で自由な暮らしを求める民衆個々人の努力、お互いの尊重、隣人を愛する気持ち、他者への献身など各宗教が持ち合わせる本来の教義や思想に答えを求めるのが1番ではないかと感じる。 責任はイギリスは勿論、アメリカにもロシアにも日本にもある。イラク、イランもそうだ。いい加減、他人事のように眺めて、自国の利益になる時だけ上手く問題を利用しようとするのを止めて、世界が解決に向けて手を取り合う必要があると強く感じる。
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