笑う男 の商品レビュー
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ヴァランダーシリーズ4作目。1作目の印象はいまいちだったが、だんだん面白くなってきた。脇を固める人たちもなかなか。次作がゴールドダガー賞受賞作。楽しみ。
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スウェーデンのミステリ。 クルト・ヴァランダー警部のシリーズ4作目。 「殺人者の顔」「リガの犬たち」「白い雌ライオン」に続く真ん中へんですが、順番めちゃくちゃに読んだので、これが最後になりました。 (…あ、もう新作出てます!) 前作で正当防衛ながら人を殺したことにショックを受け...
スウェーデンのミステリ。 クルト・ヴァランダー警部のシリーズ4作目。 「殺人者の顔」「リガの犬たち」「白い雌ライオン」に続く真ん中へんですが、順番めちゃくちゃに読んだので、これが最後になりました。 (…あ、もう新作出てます!) 前作で正当防衛ながら人を殺したことにショックを受け、1年も休職していたクルト。 ついに仕事を辞めると決意したとき、友人の弁護士が保養先に訪れます。 父が事故死したのだが、その様子に不審な点があるので、調べて欲しいと。 クルトは断るのですが、その友人が殺されたと聞き… アン=ブリット・フールグンドがここで初登場していました。 イースタ署では初めてだという紅一点の新米刑事なので、最初は同僚に評価されないでいます。 でも子どもが二人いるしっかりした女性。 クルトは素質を見抜き、新時代の警官になるだろうと思うのです。 弁護士トーステンソンの父親は、取引先から帰る途中で事故にあった。 取引先とは、ファーンホルム城に住む富豪のアルフレッド・ハーデルベリ。 署長が気を遣うほどの名士で、世界を飛び回っているため、面会することすら難しい。 強引に約束してクルトが聴取に出向いたハーデルベリは、笑顔を絶やさないカリスマ性のある男でした。 クルトは子どもの頃に、画家の父親の絵を買っていた大金持ちのことを思い出します。 絹の服を着て高価な車に乗っていた彼らはどこか、怖かった。 父親が卑屈にふるまう顧客を、幼いクルトはシルクライダーと呼んでいたのです。 城の様子を探るため、旧友にも協力を頼むクルト。 弁護士の女性秘書までが狙われ、事態は急迫してきます。 癖のある古手の警官達と付き合いながらの捜査。 一番変わっているのはクルトかも知れないけど。 休養の後なので、珍しく健康らしいけど、捜査に熱中して、ひげを剃らないまま事情聴取に行ったり。 鑑識のニーベリは有能で、検事のオーケソンは冷静に協力し、フールグンドも期待通り活躍します。 国際的な富豪が相手とは、小さな町の警官達で解決出来るのかと思いますが~ここは頑張るんです。 それどころか、クルト一人でも解決しそうな勢い~単独行動が多いのでね。 「クルトが元気になるには、ちゃんとした事件が必要なんだ」と同僚に評されます。 アクションシーンをまじえて、さくさくと進む警察物で、このシリーズにしては標準的な読み応えかな。 手紙を出していた美しい未亡人バイバには、会って貰えそう?
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友人の弁護士が父の死に腑に落ちないところがあると休職中のヴァランダーを訪ねて来た。 警察を辞める決心したはずのヴァランダーはその友人の死をきっかけに現場に復帰することになる。 シリーズで一番いやーな気分にさせられる話だわ。 ヴァランダーの心情に重きを置いて、犯人の背景が語られて...
友人の弁護士が父の死に腑に落ちないところがあると休職中のヴァランダーを訪ねて来た。 警察を辞める決心したはずのヴァランダーはその友人の死をきっかけに現場に復帰することになる。 シリーズで一番いやーな気分にさせられる話だわ。 ヴァランダーの心情に重きを置いて、犯人の背景が語られていないことが原因だと思う。 地味で面白いんだけど、好きではないな。
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前回の事件で鬱状態の警部は、今回はまるで「24」のJ.バウワーのようにアクション系の活躍を見せてくれました。様々な社会問題を提起するこのシリーズ、いろいろ考えさせられます。すっかり中年のおくたびれ警部の私生活も気になるところです。特に睡眠時間が異様に短いのが気になります。スウェー...
前回の事件で鬱状態の警部は、今回はまるで「24」のJ.バウワーのようにアクション系の活躍を見せてくれました。様々な社会問題を提起するこのシリーズ、いろいろ考えさせられます。すっかり中年のおくたびれ警部の私生活も気になるところです。特に睡眠時間が異様に短いのが気になります。スウェーデンの人はあまり眠らないのでしょうか?
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四作目ともなると、シリーズをリピートしている読者ならではの感覚が芽生えてくる。ヴァランダーの思考パターンや、時折見せる無謀な捜査にも慣れてくるし、サブキャラの特徴から、好きな人物と嫌いな人物に差ができる。 今回の敵は「笑う男」。早い段階で彼に辿り着くのだが確証が持てない。事件の闇...
四作目ともなると、シリーズをリピートしている読者ならではの感覚が芽生えてくる。ヴァランダーの思考パターンや、時折見せる無謀な捜査にも慣れてくるし、サブキャラの特徴から、好きな人物と嫌いな人物に差ができる。 今回の敵は「笑う男」。早い段階で彼に辿り着くのだが確証が持てない。事件の闇はどこまで拡がっているのか──犯人の裏側にある真相を追う展開は緊迫感を含んでおり、非常に読み応えがあった。また、捜査に対する圧力や、組織内部の確執など、「警察ミステリ」を認識させる要素がシリーズ中でも一番多かったのではないかと思う。
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