館島 の商品レビュー

東川篤哉(著者)

2009/10/04

今作も、相変わらずのノリとテンションで一気に引っ張っていってくれる。
笑えるか笑えないかで言えば、個人的にはちょっと弱いかな？とも思えるけど。
ただまあ、捜査シーンを延々見せられるよりはよっぽど楽しい。

メインとなる大（バカ）トリックは大掛かりではあるけど、アイディアに前例的なものがないわけではない。
ただ、それを実際にやってしまう気合が素晴らしいと思う。
そして、それを信じさせることが出来るだけの舞台設定の構築と伏線張りをしている点も。
最初に明かされた時の「ぽかーん」と、推理を聞いていく過程での納得感のギャップはなかなか面白いモノがある。
この館を建てた理由も、1980年代と言う設定が生かされていて良い。

いつもどおりで、いつものように楽しめる。
それで、いつもどおりの満足感。
そんな感じ。

2009/10/04

典型的な館モノ＋嵐の山荘。「いかにも」といったキャラが集合し、犯人を当てるのは難しくない。トリックは大掛かり。細かい点で文句はあるが嫌いではない。しかし、タイトルも含めて、本格のお手本ともいえる内容が完全に潰されてしまっている。作者の持ち味らしいユーモアのせいだ。おもしろ可笑しく描いてるのだろうが全く笑えない。さむさを通り越して吐き気さえする。キャラは軽薄でまともな人間が一人もいない。ユーモアの意味をはき違えているような気がする。誰か作者に進言した方がいい。