愛がいない部屋 の商品レビュー
おすすめです。
メゾン・リベルテという名の高層マンション。そこに暮らす人たちの、それぞれの「愛」を描いた10編。素直なハッピーエンドではない作品が多いが、陰鬱さはない。さらりとした哀しみ、愛の「不在」が静かに染みる。
abtm
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石田衣良さんはなんでこんなに女の気持がわかるんだ!死ぬ前にもう一度読みたいと思える短編集。 自分用メモ 魔法の寝室 浮気していた夫が自白→この人は単純なのだ。嘘を抱えて生きていくことの重さをただ放りだしたいだけなのだ。その重さを私の肩に乗せて明日からは嘘をつかない誠実な夫として生きていきたいのだろう。想像力のない善人なのだ。 いつか自分にこの夫を本当に愛する日が来るのだろうか。それは一生答えが出ないかもしれない恐ろしい質問だった。麻耶は夫の厚い胸板に抱きついた。この空から堕ちずにいるには、それだけしか支えがないように思えたのだ ホームシアター 人間はもともと考えるようにはつくられていないのだ。異動して食物を見つけ安全なねぐらを探す。動かずに自分のことだけを考えている人間は、結局自分を憎むようになる。 働かなくても、仕事を探さなくてもいいじゃないか。経済のものさしで人をはかってるだけだろ。日本の経済に役だつ人間になんかならなくてもいい。 十七ヶ月 どの母親もきっと一度はこの子の苦しみを代わりに自分に与えてくださいと、誰かに祈ったことがあるはずだ。同じようにどの母親も一度はこの子が地上から消え去ってくれたらと願ったことがあるはずだ。 きっといつか、自分なりの愛し方を見つけてみせる。そして一度見つけたら、誰にも文句は言わせないしその方法を変えないだろう。自分だけのやり方で愛し続けるのだ。 指の楽園 結婚は素晴らしいものだ。相手の職場への文句も毎日もれなくついてくる。 「男と女って、最後までいくと急に難しくなる。セックスなんて簡単にできるものね」セックスは夫婦間以外でなら容易なものだ。
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「魔法の寝室」「いばらの城」「ホームシアター」にぐっときた。ホームシアターのお父さんが息子にかけた言葉に泣きそうになった。高層マンション「メゾン・リベルテ神楽坂」。自由の家という名のマンションに住む、そう自由ではない人々の暮らし。伊坂幸太郎さんだと住民それぞれが絡んだりするかもな...
「魔法の寝室」「いばらの城」「ホームシアター」にぐっときた。ホームシアターのお父さんが息子にかけた言葉に泣きそうになった。高層マンション「メゾン・リベルテ神楽坂」。自由の家という名のマンションに住む、そう自由ではない人々の暮らし。伊坂幸太郎さんだと住民それぞれが絡んだりするかもなあ、って思った。
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1つの高級高層マンションに住む人たちを描いた短編集。 石田衣良さんの作品だからと、何気なく図書館で借りたけど、今の自分の状況と似ていたり、心境が似かよったりしていたことに驚き。 予想に反しておもしろかった。
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石田衣良の恋愛短編集 前作とは違って幸せにならない話も多かったけど、その感じがすごく現実に近くて、登場人物に自分の心境を重ねて読むことができた。 暗い気持ちの時によむととことん落ち込んでしまうけど、どうにもならない状況になんとかなって幸せになって、と応援したくなる魅力的な登場人物...
石田衣良の恋愛短編集 前作とは違って幸せにならない話も多かったけど、その感じがすごく現実に近くて、登場人物に自分の心境を重ねて読むことができた。 暗い気持ちの時によむととことん落ち込んでしまうけど、どうにもならない状況になんとかなって幸せになって、と応援したくなる魅力的な登場人物ばかりだった。
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「十七ヶ月」、「愛がいない部屋」が読んでいて面白かった。 「ホームシアター」では、父親の息子に対しての言葉が好きだった。
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マンションを舞台にした、短篇集。 多少、「えっ?これで終わり?」という、何か足りない感じを受けて終わってしまうお話が多いのが残念。後は読者が自分で考えろ ということか? 短篇集のため、空き時間に読めるのは良い。
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結婚が描かれてる。 今までに私が読んできたそれらの小説の中で幸せそうな話は一つも記憶に残っていない。 小さい頃結婚とは、綺麗なドレスを着て王子様と幸せになることだと思っていた。 お姫様は王子様と幸せに暮らしましたとさ。 よくクレヨンでお姫様と王子様の絵を描いたっけ。 そしてまたこの本によって100%その夢は壊された。 でも五星です。 リアルでどー仕様もない感じ、でもコレが現実の恋に一番近い。自分も感じたことある。 ビタービターって言ってるけど、苦いからコーヒーは美味しい。 100%夢を壊された中で私なりの幸せを探すしかない。 恋愛小説はちょっとお休みと言っておきながら買ってしまいました。だって「模倣犯」長すぎなんだもん^^; 続きが気になってずっと読んじゃうから、睡眠不足が懸念されるし。 というわけで石田さんの最新恋愛短編小説に手を出しました。町田から多摩センターまでの通勤の間にサクっと一作読めちゃてナイスでした! やっぱり石田さんの書く恋愛短編はかなり素敵です。いや、今回は恋愛って感じでもなかったし、現実的で幸せとは言えない話ばかリだったけど。言葉が綺麗過ぎる。山本文緒の短編に比べて毒すぎないし。(あ、勿論山本さんは山本さんで好きなんだけど) 前作の「一ポンドの悲しみ」「スローグッドバイ」とセットでおススメします。
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☆☆$$まあまあ面白かった。苦手な短編だが、舞台が同じであり$$多少取っ付きやすかった。$$中々残る短編も有り、良かった
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33階建ての高層マンションに住む さまざまな人たちの 人間模様を 描いた10篇の短編集。 全て ハッピーエンドではないんだけど 希望がみえる終わり方で 気分はすっきり!
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