いわずにおれない の商品レビュー
車に乗って雄大な自然と出会に行くことより、家の近くを散歩して出会う小さな野花や、光の線、木の幹を観察することのほうが大事だと思う。 「あの花」「鳥」「虫」と呼ぶそれらには名前がついていて、いつからこんなに主語が大きくなったのだろうと焦る。この本から伝わってくるまどみちおはシャイで...
車に乗って雄大な自然と出会に行くことより、家の近くを散歩して出会う小さな野花や、光の線、木の幹を観察することのほうが大事だと思う。 「あの花」「鳥」「虫」と呼ぶそれらには名前がついていて、いつからこんなに主語が大きくなったのだろうと焦る。この本から伝わってくるまどみちおはシャイで、自分のことを決して褒めない人なんだけど、どんな現代人よりも、目の前の花にうっとりできる人なんだと思う
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童謡『ぞうさん』でおなじみの詩人がいのちの輝きを語りかける。 目次 第1章 ぼくがボクでいられる喜び 第2章 一匹のアリ、一輪のタンポポにも個性がある 第3章 身近にある物たちも、いのちのお母さん 第4章 宇宙の永遠の中、みんな「今ここ」を生きている 第5章 言葉で遊ぶと心が自...
童謡『ぞうさん』でおなじみの詩人がいのちの輝きを語りかける。 目次 第1章 ぼくがボクでいられる喜び 第2章 一匹のアリ、一輪のタンポポにも個性がある 第3章 身近にある物たちも、いのちのお母さん 第4章 宇宙の永遠の中、みんな「今ここ」を生きている 第5章 言葉で遊ぶと心が自由になる 第6章 体って不思議。老いだって面白い 第7章 生かされていることに感謝 著者等紹介 まどみちお[マドミチオ] 1909年11月16日、山口県生まれ。詩人。道路、橋梁工事の測量・設計・施工、工業学校教師、工場の守衛、子どもの雑誌や本の編集などの仕事をしながら、童謡や詩を発表。52年、「ぞうさん」(團伊玖磨・曲)がNHKで初放送され、広く愛されるようになる。59年に国民図書刊行会を退社後、創作に専念。92年刊行の『まど・みちお全詩集』で芸術選奨文部大臣賞など数々の賞を受賞。94年には、日本人で初めて国際アンデルセン賞作家賞に輝いた
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まどみちおさん素晴らしかった。この本を読んで、人柄がわかった。小さな視点をもっており、身近に幸せを見つけるプロだと思った。まどさんは、あまり本を読まず語彙力がないとご自身でいっている。そのなかでも作品を作り続けていたことがすごい。「作品に完成というのはない、未完成だからこそ今まで...
まどみちおさん素晴らしかった。この本を読んで、人柄がわかった。小さな視点をもっており、身近に幸せを見つけるプロだと思った。まどさんは、あまり本を読まず語彙力がないとご自身でいっている。そのなかでも作品を作り続けていたことがすごい。「作品に完成というのはない、未完成だからこそ今まで作り続けてこれた」という言葉が印象的だった。
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こんなに、やさしい言葉が溢れた本を、ほかに知りません。 なんて、あたたかいのだろう。 やさしさ この言葉に想いを馳せるとき、自然とまどさんの本に、手が伸びます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本のおかげでまどさんを神格化せずにすみそうだ。ぞうさんやしろやぎゆうびんを書けるひとだもの。かみさまのようなひとなんだろうなと思っていた。 まどさんが自分のずるさを知っていて(無論それは人類全員が持っているずるさなのだが)、そのうえで詩作にはげんできたことを知れてよかった。 好きな詩とともにそんなに好きじゃない詩を知れたこともこの作家に対する大きな気づきだ。
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私がこの本を読もうと思ったきっかけは、子どもの小4の教科書にまどさんの「よかったなあ」が載っていたからだ。 よかったなあ 木や草が/ぼくらの まわりに いてくれて … 「よかったな」じゃなくて「よかったなあ」というのが、まどさんらしい。自分の心の声をそのまま言葉にしたら「あ」も...
私がこの本を読もうと思ったきっかけは、子どもの小4の教科書にまどさんの「よかったなあ」が載っていたからだ。 よかったなあ 木や草が/ぼくらの まわりに いてくれて … 「よかったな」じゃなくて「よかったなあ」というのが、まどさんらしい。自分の心の声をそのまま言葉にしたら「あ」も付いてきた、みたいな感じ。 蛇足だなんて全然感じない。むしろ「あ」があるからこそ、まどさんの詩は詩たりえるのだとまで言い切れる。「あ」が付くことによって広がる言葉の響きが、ぼくらの周りに存在する草や木や、鳥やけものや虫や、あらゆる生命がぼくらを包みこんでいるというニュアンスを伝えている。 そして改めてこの本を読んだ。「よかったなあ」で私が感じた印象を1ミリも損なわないまどさんの遊び心あふれた語りでいっぱいだった。 この本の読者はあらかじめまどさんが相当のご高齢だと知っているが、仮に、まどさんの語りの部分をラジオ番組で朗読すれば(もちろん年齢がばれる箇所はカット)、まさか90歳を過ぎた方の語りとは思えないだろう。とにかく視点がミクロかつマクロ。縦横無尽に駆けているような印象。現在のミック・ジャガーのステージングが70歳を越えているとはとても思えないのと同じようなものだろうか。 本を読むうちに、まどさんの心にはトゲなんか1本も生えてないんだなあと思うようになった。そして、たとえ自分が見つめる相手にトゲが生えていたとしても、まどさんはきっといいところを見つけ出し、詩にしてしまうだろう。なんせ、おならやうんちも詩にしてしまうような人だ。 一方で、あまりにも私たちに身近な題材で詩作するまどさんの作品を読むと、自分もこれならできるのでは…と思う人は多いのだろうか?いや、私たちとは決定的に違うところがある。 最近は「~させていただいた」なんて持って回ったような謙譲表現が堂々と表通りを歩いているが、まどさんだったらそんなお尻の穴がむず痒くなるような言い方はしなかっただろう。それはこの本の載っている数々の詩の息吹きを感じられればわかる。まどさんの言葉に対する姿勢は遊び心であふれているが、言葉の選択に対する態度は真剣で研ぎ澄まされている。 そんなまどさんだからこそ、自分が息をしているそのまわりに、草や木やそれこそ目に見えないものも含めた生命が何億、何兆、いや、もっと数かぎりなくいて、一つひとつがみんな、めいめいに違っているということに気づき、そしてそれを小学生でもわかるようなやさしい言葉で結晶化している。それによって、数多くの易しい言葉=優しい言葉が生まれたのだ。 その証拠に、まどさんの遊び心あふれた詩の数々は、木喰の木彫りの仏像のように、親しみと崇高さの両方を兼ね備えている。
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読んでいてこの詩もまどみちおの作品だったんだ…と懐かしんだり。 それ以上に絵を描いていたのを知らなくて、こんなに素敵な絵だったんだと画集が欲しくなった。 戦争の体験もされていて本も出されているので、こちらも読みたい。
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シンプルで、誰にでもわかる言葉で語りかけてくる。 一人ひとり、一つ一つに向き合う溢れる愛情や優しさが伝わってくる作品の数々。自然と泣けてきてしまう。 年をとって一層みずみずしさを増していく感性、素晴らしいとしか言いようがない。 読了後は心のなかがじんわりと温かくなって、いつもより...
シンプルで、誰にでもわかる言葉で語りかけてくる。 一人ひとり、一つ一つに向き合う溢れる愛情や優しさが伝わってくる作品の数々。自然と泣けてきてしまう。 年をとって一層みずみずしさを増していく感性、素晴らしいとしか言いようがない。 読了後は心のなかがじんわりと温かくなって、いつもより優しくなれる、そんな本でした。おすすめです。
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ぞうさんのおはなはなぜ長いの? 一世紀近くを生きてきた詩人から、こんこんと湧き出る詩。そのほとんどは、ひらがなで書かれた短いものだが、驚くほどの生命力にあふれ、読む人の渇きを潤してくれる。詩人が語った“今のボク”を収録。
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まど・みちおという人は同様「ぞうさん」の作詞家、とぐらいにしか思っていなった。しかし、なんという感受性。そして、伝えようという意思。 動植物はもちろん、人工物から、地球や宇宙、自然現象、生理現象、果ては言葉や文字、数字といった概念に至るまで、ありとあらゆる「もの」を平等に観察し...
まど・みちおという人は同様「ぞうさん」の作詞家、とぐらいにしか思っていなった。しかし、なんという感受性。そして、伝えようという意思。 動植物はもちろん、人工物から、地球や宇宙、自然現象、生理現象、果ては言葉や文字、数字といった概念に至るまで、ありとあらゆる「もの」を平等に観察し、味わい、その意味を考え、そして思いやる。そこで感じたことを、我々に伝えてくれる。 これまで、詩というものを読もうとして読んだことがなったが、もっと読んでみたいと思った。
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