沼地のある森を抜けて の商品レビュー
不思議な物語。不思議で不可思議で、けれどとても愛おしい気持ちが読後に溢れる。だから余計、不思議な物語だ。
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始まりは「ぬか床」だった。先祖伝来のぬか床が、呻くのだ。変容し、増殖する命の連鎖。連綿と息づく想い。呪縛を解いて生き抜く力を伝える書下ろし長篇。 ---------- 現実と虚構が入り混じりすぎて ちょっと読むのにしんどかった作品。 主人公の女性が不思議なことに立ち向かう強さ...
始まりは「ぬか床」だった。先祖伝来のぬか床が、呻くのだ。変容し、増殖する命の連鎖。連綿と息づく想い。呪縛を解いて生き抜く力を伝える書下ろし長篇。 ---------- 現実と虚構が入り混じりすぎて ちょっと読むのにしんどかった作品。 主人公の女性が不思議なことに立ち向かう強さが強すぎてびっくり。 日常で不思議なことがおこったとき ここまで受け止められるのかしら。 梨木さんの本のわりには、後味がいまいちだった。
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ぬかどこから人間がうまれる というわけわかんないストーリーなのだが、主人公とその友達の女性(女性?)が人間臭くて良い。 この2人が本当に良い。ひとりとして見ても良いし、二人のやり取りとしてを見ても良い。
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附属図書館で。 愉快に始まったように見えた話は、壮大で荘厳に。まだしっかりとは捉えられなかった。要再読。 ジョーカーにやられなかったのは、風野さんがいたから。でも風野さんもぬか漬けを食べていたのだから・・・。分からなくなってきた。 かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話 も始めはタモツくん達のことを指しているのだと思っていた。確かに、それもそうかとも思うが。ロックオープナーが水を入れ、シと出会うことでそれは。だからやっぱり。 何につけても要再読。
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誰かといる事でより一層際立つ孤独。自分と他人を隔てる境界線のようなものを皮膚、とも細胞壁とも、壁とも呼ぶのかもしれない。どうして大切な人のそばにいるとそうでない時よりもずっとずっと寂しいのだろうと思っていたけれど、なるほど確かにそれはたったひとつの細胞だった元始の命が抱いた、祈りにも似た願いのせいだったと考えるのはとてつもなく魅力的な事に思える。「生まれておいで 輝く、生命よ」この言葉がぬか床に埋まっていた。すごい。
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【内容】 叔母の死を機に,上淵家に代々伝わる家宝「ぬか床」を久美が管理することになる.これが普通の「ぬか床」とは違い,朝晩に手入れをしないと祟られるし,手入れをすれば,「ぬか床」から人が生まれるという厄介な代物だった. 【感想】 「ぬか床」を通じた人情物語なのかとおもいきや, 2章以降,「ぬか床」をめぐる因縁,ミステリー,種の生存というテーマ…と,終始,不安定にさせられました. この物語では,「ぬか床」の内生菌といったものが,人に寄生し, 例えば,精神的・肉体的に寄生された時,自分の身体が自分の一人の問題ではなくなっている時,「自分」という境界がどこまで広がるのか,という問題提起がありました. 例えば,私達の日々の食物や空気といったものに心があって,私達の身体の一部となり,私達の思考の一部を担っている…こんな読みかたは少数派だと思いますが,日々の食事に感謝したくなりました.(笑)
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学生のときに読んで、複雑すぎて分からないのに大好きだった本。しばらくたってまた読んで、やっぱりよく分からなかったけど大好きだと思った。酵母菌をきっかけに、有性生殖と無性生殖、性とジェンダー、自然と文明などなど、命の営みを壮大な視点でとらえたお話。壮絶な孤独から生まれる命はなんて尊...
学生のときに読んで、複雑すぎて分からないのに大好きだった本。しばらくたってまた読んで、やっぱりよく分からなかったけど大好きだと思った。酵母菌をきっかけに、有性生殖と無性生殖、性とジェンダー、自然と文明などなど、命の営みを壮大な視点でとらえたお話。壮絶な孤独から生まれる命はなんて尊いものだろう。
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なんと感想を書いたらいいのだろう? スケールの大きな、ファンタジーとも言える話だった。 味のある登場人物と、命の誕生。 また、時間をおいて読み直してみたい。 読むほどに理解が深まり、味わいが豊かになる感じがする。
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文体に透明感があって読みやすいが、この人の作品ははラスト突然ホラーだったりファンタジーだったりするから心臓にわるい(笑)
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またまた梨木さん。 むっちゃ変な話やけど、違和感、不快感なく、読み進むことができるのはすごいと思う。 ぬか床から人が生まれてくる?話。 とだけ聞くと、「なんじゃそれ!?」って感じやけど、梨木さんの手にかかると、「・・・ありえるかも?」と思わされるのですごいね。 この突飛な話を、「酵母」とか、「純粋培養」とか、「クローン」とか、専門的、現実的な観点からも探っていくところにリアリティがあるのかも。 もっともっと梨木作品を読みたくなりました。
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