1,800円以上の注文で送料無料

沼地のある森を抜けて の商品レビュー

3.8

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2016/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

SFなのか伝奇なのか、ちょっと不思議な物語。 そんなに強調されているわけではないけれど、最近そういう本を読んでいるので、生殖とは何か、性欲とは何か、みたいなテーマを感じた。 子供なんて欲しくないと思っていたのに、いざ無邪気にふるまうこどもが現れて。 恋人なんて欲しくないと思っていたのに、いざ気持ちを通わせる男性が現れて。 だからといってそれが手に入る訳でもなく、零れ落ちていく訳でもなく。 気持ちに正直になるとか、流れに身を任せるとか、冷静であり、自失でもあり。 すごく不思議な雰囲気で、何がどうなっているのか知りたくて流し気味に読んでしまったけど、読み返したらもっと発見がありそう。

Posted byブクログ

2015/02/18

たくさんの未接触だった知識の中に垣間見えるファンタジーな要素と、身近なぬか床の秘密が不思議だ小説でした

Posted byブクログ

2014/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めて梨木さんの作品を読みました。 奇妙なぬか床の世界と、現実が混ざってくる感じは読み進められたのですが…… 終盤がどうもすっきりしない終わり方に感じました。

Posted byブクログ

2014/08/14

代々に渡るぬか床を受け継ぐ主人公は、ただならぬ事件からこのぬか床をルーツとも言える離島に返す旅にでる。 地球上に生命が産まれてから、累々と続く生命の形の変容。植物を育ててみると日常に感じる不思議の数々。突拍子もない話のようだが引き込まれるのも、生命の不思議を感じていたこともあるか...

代々に渡るぬか床を受け継ぐ主人公は、ただならぬ事件からこのぬか床をルーツとも言える離島に返す旅にでる。 地球上に生命が産まれてから、累々と続く生命の形の変容。植物を育ててみると日常に感じる不思議の数々。突拍子もない話のようだが引き込まれるのも、生命の不思議を感じていたこともあるかもしれない。読者の好みで感想の大きく分かれる作品かも。

Posted byブクログ

2014/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ぬか床から湧いて出てくるヒト。その謎とは? 体力・知力に余裕があるときにもう一度読もう。 概要を全く知らずに読み始め、あまりにも壮大な ロマンに圧倒され、ため息交じりに読み進め、 後半は意味不明。 でもでも評価が高い本と作者なので、きちんと背筋を 伸ばして読んだら、きっと何かわかるはず。 とりあえず、読了。

Posted byブクログ

2014/02/15

沼の再生と同調するように久美と風野が結ばれるクライマックスシーン。 即物的な表現を排した美しい描写ながら、強烈なエロティシズムを感じる。 それは、エロティシズムというものが生命活動の根源としての男女の交わりの本質的な部分からもたらされるものなのかもしれない。 久美が奇妙な先祖伝...

沼の再生と同調するように久美と風野が結ばれるクライマックスシーン。 即物的な表現を排した美しい描写ながら、強烈なエロティシズムを感じる。 それは、エロティシズムというものが生命活動の根源としての男女の交わりの本質的な部分からもたらされるものなのかもしれない。 久美が奇妙な先祖伝来の糠床を叔母から受け継ぐことから始まる物語は、父祖の地の枯れた沼に糠床を返すことにより幕をおろす。 一旦は自己の性を捨てた男女が出会い、協力して沼の再生に手を貸す過程で連綿と続く命のつながりの奇跡に目覚める物語。 命の大切さ、生命の連鎖の最先端に立つ自分という存在、未来を見つめて生きることの意味を教えてくれる物語だ。

Posted byブクログ

2013/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ぬか床ホラー小説という新ジャンルを生み出してくれた感じの…。 地味に怖かったです(笑) 話の初期のほうに登場していた幼馴染の正体だとか、 最終的におねえっぽい彼と幸せになることを祈ってます…。

Posted byブクログ

2013/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

亡くなった叔母の住んでいたマンションに引っ越し ついでにぬか床も譲り受けた化学メーカーの研究室に勤める久美。 ある日突然ぬか床に出現したタマゴ。 タマゴから出てきた人の子「光彦」、幼馴染のフリオ 先祖代々続いているぬか床からあらわれる人たち かつて家に出入りしていた人たちの記憶 ぬか床のせいで亡くなった両親と叔母。 叔母と接点があった風野さんとともに、ぬか床の真実を求めて先祖がかつていたという島にむかった久美。 ぬか床の人たちは生と死がうやむやな状態で、まさに湧いて出てくるという表現がぴったりな存在で だけど生物っていうものは雄と雌がいてこそ子孫が続いていくものだ、 「生まれておいで。顔を上げて、生まれておいで。輝く、生命よ」 不思議な話。白銀の世界の話は世界の終りハードボイルドっぽかったけれど、繋がりがよくわからなかった。 長かった~。結局よくわからなかったっていうのが正直なところ)^o^(

Posted byブクログ

2019/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

亡くなった叔母から引き継いだ、家宝の「ぬか床」からある日、卵が生まれて…、という、奇想天外な川上弘美系の話かな?と思ってたら、粘菌を飼う無性別な同僚やら、別の世界とおぼしき「僕」の話が挿入されてて…。 と、不思議なことだらけなんだけど、どこかへ向かおうとしてるらしい、大きな流れを感じさせるのが気になって、夢中で読みきった。 終盤に向かって過去が明かになり、話が転がり始めると、ちょっとした冒険ファンタジーのよう。 合間に挟まれる、なにかの細胞らしい「僕」の話もどうやら本筋と関わってくるのかな?と、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」みたいでもあり。 前回、五年程前に読んだときは「この人にしてはすっきりしない、ただただ不思議で分かりにくい本だったなぁ」と思ってたけど、今回は全く印象が変わっていた。 これを書く背景になったぽいエッセイも読んで、バックグラウンドを理解して読んだからかも。 そういうこと、大学のときにもあった。 二回生で受けた時はさっぱりわからなかったある授業が、なりゆきでその教授のゼミに入って学んだあとで下級生に紛れてもう一回受けてみたら、ああ、こういうことだったのか!と別人みたいによくわかるようになってて驚いたんだよなぁ。 文脈、大事。 最近読んだゴッホにまつわる小説のに「○○(町の名前)に行くには鉄道に乗ればいい。それなら星に行くには死に乗ればいい」という言葉があって、よくわからんが宮沢賢治の銀河鉄道の夜みたいだなぁ、と思って覚えていた。 それを理解する助けになる部分がこの本にあった。 ひとつの細胞と思われる「僕」が他の細胞「僕たち」と違って独自に考える力を持つようになり、他のシマ(個体?)の「シ」という名前の細胞と結合して消える、というくだりがある。 シに出会う前に、「シは終わり?」と聞いてるので「死」だとすることもできるけど、少し違う。 飲み込まれたんだか結合なんだかよくわからない手段で二つがひとつになり、個としての僕は死ぬけど、新しいひとつになる、ということだと気づいた。そうするとシが雌だというのにも納得。 「僕たち」は単一生殖で増殖する細胞だったけど、その中で異質な「僕」が発生して、初めて単一ではなく雌雄で生殖するように進化した、という話なんだろうな。 そこで、ゴッホの「死に乗って星へ行く」というのも、死によって個ではなくなって、宇宙全体と一体になる、と解釈すれば理解できそうな気がしてくる。 2019年6月 読み返すのは3回目かな、と思っていたら、2008年、2013年にも読んでいたとわかり、いい周期で手に取ったな、と自己満足。 3回目の今年は、私がシュタイナー教育について学び始めたので、「沼地~」のシュタイナー的な部分に気付くことができた。何回読んでも響く場所が変わり、得るものがある。素晴らしい。 「ひとり・ひとつ」はどうしようもなく外界と隔てられている。それでもそのひとりやひとつは「全体・世界」の中にあり、大きなひとつである。 シュタイナーの話にも出てきたなぁ、と思ったのはこういうところ。

Posted byブクログ

2013/06/23

ぬか床から人が出てくるところが怖かった。最後に沼に行き、新しい生命の想像ができたのか?その後どうなったのか?謎

Posted byブクログ