暗い時代の人々 の商品レビュー
『全体主義の起源』で…
『全体主義の起源』で世界的に有名な女性の政治思想家ハンナ・アレントの作品です。本書は、表題にある「暗い時代」(世界大戦期)に生きた10人(レッシング、ヤスパース、ブロッホ、ベンヤミン等)をアレント独自の視点で考察されています。理論書ではないので、アレントの他の作品を読まなくても、...
『全体主義の起源』で世界的に有名な女性の政治思想家ハンナ・アレントの作品です。本書は、表題にある「暗い時代」(世界大戦期)に生きた10人(レッシング、ヤスパース、ブロッホ、ベンヤミン等)をアレント独自の視点で考察されています。理論書ではないので、アレントの他の作品を読まなくても、また思想的な知識がなくても読めます。
文庫OFF
レッシング、ローザ・…
レッシング、ローザ・ルクセンブルク、ヤスパース、ヘルマン・ブロッホ、ベンヤミン、ブレヒト…自由が著しく損なわれた時代、荒廃する世界に抗い、自らの意志で行動し生きた10人を考察してます。彼らの人間性と知的格闘に対して深い共感と敬意を込め、政治・芸術・哲学への鋭い示唆を含み描かれる普...
レッシング、ローザ・ルクセンブルク、ヤスパース、ヘルマン・ブロッホ、ベンヤミン、ブレヒト…自由が著しく損なわれた時代、荒廃する世界に抗い、自らの意志で行動し生きた10人を考察してます。彼らの人間性と知的格闘に対して深い共感と敬意を込め、政治・芸術・哲学への鋭い示唆を含み描かれる普遍的人間論です。『全体主義の起源』、『人間の条件』、『革命について』といった理論的主著を側面から補うにとどまらず、20世紀の思想と経験に対する貴重な証言として読まれるべき好著です。
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朝日新聞にハンナアレントの著作物の紹介としてあったものである。日本ではそれほど読まれていない。ひとつはレッシングやグリアンやジャレルという人物が日本ではほとんどしられていないことである。そして、大戦時代のヨーロッパでは著名と思われている人々の評伝であり、日本で紹介されている内容と...
朝日新聞にハンナアレントの著作物の紹介としてあったものである。日本ではそれほど読まれていない。ひとつはレッシングやグリアンやジャレルという人物が日本ではほとんどしられていないことである。そして、大戦時代のヨーロッパでは著名と思われている人々の評伝であり、日本で紹介されている内容とかなり隔たりがあるように感じられることであった。またブレヒトではドイツ語の詩がドイツ語で書かれているのでドイツ語を学んだことがない人は理解不可能ということである。文庫本ではそれが改良されているのかもしれない。 ここに掲載されている人について卒論を書こうとする人にとっては役立たないかもしれないが、ハンナ・アーレントを対象として卒論を書こうとおもっている学生にとっては読んだ方がいい本であろう。
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ハンナアレント 「暗い時代の人々」 評伝形式の人間論の本 アレント の公的領域に対する問題意識が随所に見られる。公的領域の喪失に暗い時代をとらえながら、評伝の中から人間性の発展を見出すあたり、アレントは凄いなと思う。 名言「時として時代は、最もわずかしかその影響を蒙らず、...
ハンナアレント 「暗い時代の人々」 評伝形式の人間論の本 アレント の公的領域に対する問題意識が随所に見られる。公的領域の喪失に暗い時代をとらえながら、評伝の中から人間性の発展を見出すあたり、アレントは凄いなと思う。 名言「時として時代は、最もわずかしかその影響を蒙らず、最もその時代から遠く、したがって最も苦しんだ人に、最も明瞭にその印を刻むものである」 アレントの公的領域に対する問題意識 *人間は公的領域において行動することにより初めて、言動が見られ、聞かれ、評価される *世界が〜人々の間に存在すること〜世界は人々を関係づけ、同時に分離させる *人間は私的領域だけでなく、公的領域においても幸福でなければ、完全に幸福とは言えない 命題 *歴史は 公的領域の光が奪われた暗い時代がいくたびも訪れたことを示している。そのとき世界は曖昧なものとなるので〜人々は政治に要求することを止めてしまう *暗い時代においてさえ、人は光明を期待する権利を持ち〜こうした光明は〜少数の人々から発する 公的領域の喪失から人間性の発展の流れ *人間にとって 公的領域における言動は重要 *著者が生きた時代は 公的領域が喪失し、人々の公的言動に光があたらない「暗い時代」 *暗い時代においては 公的領域を無視し、仲間との相互理解を重視するため 人間性が発展する *評伝を通して、友愛、コミュニケーション、自立的思考などを 発展した人間性としている 自立的思考 *自力で自律的に行われる思考 *個人が思想を選び出す〜個人が思考の中に自由に世界を動き回る様式を見出す
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アレントがアイザック・ディネッセンについて書いている。『アフリカの日々』⬅︎映画愛と哀しみの果て、の原作。
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同化されたユダヤ人の自己欺瞞が、通常自分たちはドイツ人と同じようにドイツ人的であり、フランス人と同じようにフランス的であるとする誤った信念であったのに対して、ユダヤ知識人の自己欺瞞は自分たちが「祖国」を持たないと考えているところにあった。彼らの祖国は実施にはヨーロッパだったのであ...
同化されたユダヤ人の自己欺瞞が、通常自分たちはドイツ人と同じようにドイツ人的であり、フランス人と同じようにフランス的であるとする誤った信念であったのに対して、ユダヤ知識人の自己欺瞞は自分たちが「祖国」を持たないと考えているところにあった。彼らの祖国は実施にはヨーロッパだったのである 。
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著者と同時代に生きた人物を含む10人の評伝。 前半は何とか読み進めることができたが、ブレヒトの章で頓挫。あまりに難解な文章に、しばらく読み進めることができなかった、もちろん、ブレヒトの章については、ほとんど理解できていないと思う。 特に頁が割かれているのは、ヤスパースとベンヤミン...
著者と同時代に生きた人物を含む10人の評伝。 前半は何とか読み進めることができたが、ブレヒトの章で頓挫。あまりに難解な文章に、しばらく読み進めることができなかった、もちろん、ブレヒトの章については、ほとんど理解できていないと思う。 特に頁が割かれているのは、ヤスパースとベンヤミン。 ヤスパースは著者の師匠筋であるから当然であろうが、ベンヤミンについては、あともう少し運命の歯車のいたずらを辛抱できれば生き永らえたであろうという無念さが、ベンヤミンへの愛情溢れる文章となっていると思われる。 ベンヤミンの著作も、少しだけ読んで積ん読状態となっているので、これを機会に読み直してみたい。
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ローザルクセンブルクが1人の女として何を考えていたのかを読むと、今のイスラムやロシアとの西側諸国の対立などは種類の違う闘争に見えても根本は変わらないように思えてならない。
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この本は完全に文芸評論で、レッシングやらヤスパース、ディネーセンなどを個々に拾い上げて評していく。従ってアーレントの<思想>はストレートに語られることなく、ときおり鋭い視点も見せるものの、さほど重要な書物という感じは受けなかった。 巻中ではブロッホ、ベンヤミン、ブレヒトを論じた各...
この本は完全に文芸評論で、レッシングやらヤスパース、ディネーセンなどを個々に拾い上げて評していく。従ってアーレントの<思想>はストレートに語られることなく、ときおり鋭い視点も見せるものの、さほど重要な書物という感じは受けなかった。 巻中ではブロッホ、ベンヤミン、ブレヒトを論じた各章が比較的面白かった。 ベンヤミンのくだりでカフカのことも結構触れられているが、そこが一番興味を惹いた。カフカだけで一文書いて欲しかった。
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ヤスパースの項目では、ハイデガーのユダヤ人差別意識を暗に批判している記述がある。しかし、原文の英語は難しい単語が多く使われているだけでなく、ドイツ語が透けて見えるような文体で、やはりドイツ語で考えて英語に置き直したのかと思わせられるところがある。
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