暗い時代の人々 の商品レビュー
いつも難解な文章を書くアレントやけど、第1章「暗い時代の人間性」は、アレントの政治思想のエッセンスをぐっと凝縮させた内容になっている。これと『責任と判断』を読んだ後に『人間の条件』にいくといいのかも。 それとローザルクセンブルクのマルクスの資本論の読み方があまりにも凄く、そこも震...
いつも難解な文章を書くアレントやけど、第1章「暗い時代の人間性」は、アレントの政治思想のエッセンスをぐっと凝縮させた内容になっている。これと『責任と判断』を読んだ後に『人間の条件』にいくといいのかも。 それとローザルクセンブルクのマルクスの資本論の読み方があまりにも凄く、そこも震える。ベンヤミン、ブロッホ、ブレヒトはやはり難解で・・・笑。あとは知らん人ばっかり。
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レッシング賞を受けての演説、いままで(齧り程度にだけど)彼女の文章を読んできて分かりかけていた要素が「ひとつの意見」としてやっと結ばれたような気がした。 だから読んでいて、とても気持ちがよい。 本当に、心底尊敬する、なんて言葉にするのがおかしい程。 遠く及ばない、なんていうこと...
レッシング賞を受けての演説、いままで(齧り程度にだけど)彼女の文章を読んできて分かりかけていた要素が「ひとつの意見」としてやっと結ばれたような気がした。 だから読んでいて、とても気持ちがよい。 本当に、心底尊敬する、なんて言葉にするのがおかしい程。 遠く及ばない、なんていうことも出来ない程。 だからただ好きだとしか言えない程、私は彼女に憧れています。
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個人的には2人の女性ローザ・ルクセンブルグとアイザック・ディネセンについての評伝は息を飲むほど、とりわけ美しく、当然ながら、あるいはよく知られているように決して完璧ではなかったが際立っていた彼らについて、著者がその人間性も含めて素晴らしく繊細に読み取り、知的に厳密でありながらも彼...
個人的には2人の女性ローザ・ルクセンブルグとアイザック・ディネセンについての評伝は息を飲むほど、とりわけ美しく、当然ながら、あるいはよく知られているように決して完璧ではなかったが際立っていた彼らについて、著者がその人間性も含めて素晴らしく繊細に読み取り、知的に厳密でありながらも彼らとあたかも長く一緒に時を過ごしたかのような感情的に親密な理解を示し、かといってシンパシーないしは同情というウェットなものでもなく、承認、彼らはこのように理解されてしかるべきだろうという、ある種の単純な正義感に基づいて書かれているというところに心を動かされる。また史料のみでこれを成し遂げたということは感嘆に値する。 ただのメモ 「言い換えれば、マルクスのいう「資本の原始的蓄積」は、原罪のような一回限りの出来事ではなく、また初期ブルジョワジーによる収奪という独自の行為、すなわちそれによって資本主義の窮極的崩壊にいたるまで、「鉄の必然性」をもってそれ自体の固有の法則に服する富の蓄積の過程を開始させる行為でもなかった。むしろ収奪は、体制を動かし続けるために何度も繰り返されなければならなかったのである。それゆえ、資本主義はそれ自体の矛盾を生み出し、「みずからのなかに革命を準備する」ように閉じた体制ではない。それは外部の諸要因を餌食とするのであり、地球全体が征服され、食いつくされてはじめて、その自動的な崩壊が起こりうるのである。(略)ただ問題なのは、抽象的マルクス主義理論では誤りとされるものも、事物を現実にあるがままにすぐれて忠実に記述したものであったということにある。彼女の「南アフリカにおける黒人の苦悩を注意深く描いたもの」もまた明らかに「非マルクス主義的」であったが、しかし今日、それが帝国主義論のすぐれた文献であることを否定するものがいるであろうか」(ローザルクセンブルク) 「私が知るかぎり、彼女はこのばかげた結婚に関して1つの物語も書いてはいない。しかし彼女は、自分の若気の過ちが明白な教訓となったに相違ないこと、すなわち物語を真実ならしめようとすることの「罪」について、物語が明らかになってくるのを忍耐強く待ち、フィクションを創作するのとは違った意味で想像力のなかで反復し、ついでそれに従って行動するというのではなく、予め考えられた形式に従って人生を損なうことの「罪」についていくつかの物語を書いている」(アイザック・ディネセン)
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