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大聖堂(下) の商品レビュー

4.4

76件のお客様レビュー

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おすすめ

12世紀イングランドの姿が生き生きと印象深く描かれる魅力。そしてそれ以上に、人の夢と願いが築き上げる「想い」の強さが胸を打つ。大聖堂建設を目指すトムと、彼の周囲の人たち。一気読みさせる魔力は十分!

fyu

2024/08/28

中世の歴史をベースにフィクションを描いているのだが、話の中心となるのは大聖堂の建築である。 悪人はとことん悪く描かれ、何度蹴落とされても悪知恵を働かせる。 対してフィリップ修道院長をはじめとした善人達も、必ずしも清廉潔白というわけではなく、様々な欲望や感情を抱いている。 登場人物...

中世の歴史をベースにフィクションを描いているのだが、話の中心となるのは大聖堂の建築である。 悪人はとことん悪く描かれ、何度蹴落とされても悪知恵を働かせる。 対してフィリップ修道院長をはじめとした善人達も、必ずしも清廉潔白というわけではなく、様々な欲望や感情を抱いている。 登場人物たち全員がとても人間らしく生々しく描かれており、ストーリー展開は痛快で、時間を忘れ夢中になって読んだ。 面白いと思ったのは、人の善悪の基準や何が正しいのかということは時代で異なるのだということ。この時代の人はとにかく神を信じている。しかし人間は積み重ねて行った知恵によって何を信じるのかを判断できるようになるのだ。 中世の人々の考え方を知ると言う意味でもお勧めの一冊。

Posted byブクログ

2023/10/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書の醍醐味!違う時代の人々の人生にどっぷりと浸かることが出来た。中巻で幸せになってほしいと願ったアリエナは幸も不幸もあり波乱万丈。フィリップもジャックもジョナサンも登場人物皆それぞれに幸不幸があり、物語の奥行が素晴らしかった。老人になったとき、苦い悔悟の味を噛みしめ、これまでの人生がすべて虚しかったと知る(P615)哀しみを持たぬよう、結果はどうであれ今を精一杯生きようと思えた作品だった。ケン・フォレットは読破する。養老孟子のあとがきはいまいち。

Posted byブクログ

2023/05/28

イギリス〜フランス〜スペインまでキリスト教の繋がりも垣間見え壮大なスケールを感じた。 また親と子、姉と弟、兄妹、夫婦の小さな関係の描写も面白かった。

Posted byブクログ

2021/11/03

最後はきれいにまとまりました!大聖堂という名がタイトルになっていますが、この時代の人はとにかく信心深い。神を恐ること尋常じゃぁない。だから大聖堂の建設が非常に重要になるのでしょう。最終巻では、アリエナが変われば変わるもので、謙虚で強く、冒頭からまずそこに惹かれました!一方、ウィリ...

最後はきれいにまとまりました!大聖堂という名がタイトルになっていますが、この時代の人はとにかく信心深い。神を恐ること尋常じゃぁない。だから大聖堂の建設が非常に重要になるのでしょう。最終巻では、アリエナが変われば変わるもので、謙虚で強く、冒頭からまずそこに惹かれました!一方、ウィリアムは相変わらずもはや夜盗、こんなん領主か?などいろいろ思いながら楽しく読め、最終章で、トムの妻が死んだ場所に戻った場面ではなんだかこの長い物語の終着を感じました。世界的大ベストセラーと言われるのも納得の作品でした。

Posted byブクログ

2021/04/25

どんな立場の人であれ、必ずしも聖人君主ではなく、生々しい感情や欲望を抱えている。 そうした剥き出しの感情が物語の肝である。 それだけに分かりやすく、長いけれど読みやすい物語。 そして人間は今も昔も変わらない。

Posted byブクログ

2020/10/18

まぁ良くも悪くも大河物語でした、個人的な好みではないので正直長すぎるなと感じましたが、大河には必要な長さかなとも思います。人物造形もあまり深くはなくってわかりやすいキャラを立てる感じで、これまたそうなりますよね、というもの。 個人的にはこの本は本当にイギリスっぽいのか?が知りたい...

まぁ良くも悪くも大河物語でした、個人的な好みではないので正直長すぎるなと感じましたが、大河には必要な長さかなとも思います。人物造形もあまり深くはなくってわかりやすいキャラを立てる感じで、これまたそうなりますよね、というもの。 個人的にはこの本は本当にイギリスっぽいのか?が知りたいところ。ヨーロッパに住む人々の感覚を率直に伺いたい次第。

Posted byブクログ

2020/02/11

主人公はたくさんいるけれど,やはり,本当の主人公は大聖堂か。主人公側が必ずしも完全な善人ではなく色々な欠点を備えているところもしっかり描いている。肉食人種の旺盛な欲が興味深い。

Posted byブクログ

2019/05/14

『大聖堂』読了。 表題の通り基督教の観点から進んでいく物語。この物語には敵役は存在するが、主人公も同じように欲望を秘めている。その欲望と欲望がぶつかり合い、騙し、掠め取り、また圧倒的な暴力による支配で一方の欲望を潰えさせる。 その度に「懺悔」と「赦免」により精算され、次の欲望を画...

『大聖堂』読了。 表題の通り基督教の観点から進んでいく物語。この物語には敵役は存在するが、主人公も同じように欲望を秘めている。その欲望と欲望がぶつかり合い、騙し、掠め取り、また圧倒的な暴力による支配で一方の欲望を潰えさせる。 その度に「懺悔」と「赦免」により精算され、次の欲望を画策していく。 大聖堂は神に仕える者にとっては厚い信仰の象徴であり、戦いによって神の教えに背く者へは赦免の象徴となる。 上中下巻で1,800頁にも及ぶ物語は、登場人物に対してきっとジレンマを持つだろう。 繰り返さなくても良い歴史は、人々からなくならない限り繰り返す。 時にマンネリとも思えるほど、俗的な表現を用いて描かれた壮大な物語は、読んだ者それぞれに感じるところがあると思う。 登場人物がどのように映るか、最後まで見届けていただきたい。

Posted byブクログ

2019/04/28

ノートルダム大聖堂が焼け落ちた年に、やっとケン・フォレットの「大聖堂」を読んだ。12世紀内線の続くイングランドを描くスケールの大きな話で、確かに一気に読める。「巨人の落日」からの3部作から読み始めた私としては、「永遠の始まり」の尻すぼみ感にがっかりしたので、中世の大聖堂に期待した...

ノートルダム大聖堂が焼け落ちた年に、やっとケン・フォレットの「大聖堂」を読んだ。12世紀内線の続くイングランドを描くスケールの大きな話で、確かに一気に読める。「巨人の落日」からの3部作から読み始めた私としては、「永遠の始まり」の尻すぼみ感にがっかりしたので、中世の大聖堂に期待したのだが、ワクワクドキドキではなかった。王と教会の争いにもう一つ実感がわかないことと主人公が歴史上の人物ではない点にあるかとも思われた。それだけ好きに欠ける自由度があることを「お話し」としてか「ウソ」としてかどう受け入れるかであるかとも思った。

Posted byブクログ