大聖堂(下) の商品レビュー
建築修行でヨーロッパを放浪していたジャックとアリエナ母子が再会。しかし、教会の掟で正式な夫婦になれない。大聖堂崩落後、意気消沈していたフィリップ院長、ジャックの帰還でふたたび建築への意思を固めるが、そこに邪魔にし入ったのはまたしても、ウォールラン司教%
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面白い。一気に読ませる。ストーリーがちょっとご都合主義的?そんなことはまあいい、と思える位に読んで楽しめる。
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三部作の最終巻。物語の主人公たちは二世代目に。話はイギリスから飛び出てフランス、スペインへを経て再びイギリスへ。数十年にわたる物語は、当初のなぞを明かして完結。ストーリーの初期に姿を消していたウザキャラが、終盤に再登場するも最後はハッピーエンドに至る。イギリスの無政府時代の国内政...
三部作の最終巻。物語の主人公たちは二世代目に。話はイギリスから飛び出てフランス、スペインへを経て再びイギリスへ。数十年にわたる物語は、当初のなぞを明かして完結。ストーリーの初期に姿を消していたウザキャラが、終盤に再登場するも最後はハッピーエンドに至る。イギリスの無政府時代の国内政治の状況が物語の基盤にある。スティーブン王とヘンリー王のいさかいには相当ページを割いている。行政組織が不在ななかで、教会が行政や自治体としての機能を果たすことにも多くの説明がされる。イギリス人ならおそらく誰もが知っている歴史にのっとって進行する話なのだが、そこに関する予備知識が全くないことがもどかしかった。
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ようやく最終章に辿り着き、ある種の幸福感の中で読み終える。 読者は、長い長い道程を登場人物と共に歩き、 年齢を重ね、喜び、哀しみ、怒り、人間としてのあらゆる感情の発露と類稀なる経験を通して、成長し老いていく。 この長大な物語を著わしたケン・フォレットの鬼気迫る意気込みと、情熱...
ようやく最終章に辿り着き、ある種の幸福感の中で読み終える。 読者は、長い長い道程を登場人物と共に歩き、 年齢を重ね、喜び、哀しみ、怒り、人間としてのあらゆる感情の発露と類稀なる経験を通して、成長し老いていく。 この長大な物語を著わしたケン・フォレットの鬼気迫る意気込みと、情熱の高さは、著者からのメッセージを読むまでもなく、作品の隅々から匂い立つ。無論、フォレットならではのロマンと官能もたっぷりと堪能できる。 娯楽小説として傑作であるばかりでなく、ヒューマニズムを高らかに謳いあげた名作として読み継がれていくだろう。 蛇足だが、養老某という名の稚拙な解説者は、 興醒めも甚だしい。
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中世の聖と俗の戦い。日本で言えば、戦国物に当たるのかなと思いつつ読了。ついつい、ネットで、大聖堂の構造やら当時のヨーロッパの歴史を調べながら読んでしまう。ものがたりとしての面白さは、さすが、ケンフォレット。
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聖職者フィリップを中心としてその周りの人々を主人公とした群像劇。 600ページ級を3冊なので結構なボリュームだが最後まで面白く読めた。 群像劇なんで渡る世間は鬼ばかり的な感じがしたね。 こっちで事件が起きてると思ったらあっちの人はあっちの人で別なこと企んでて、そうこうするとあの時...
聖職者フィリップを中心としてその周りの人々を主人公とした群像劇。 600ページ級を3冊なので結構なボリュームだが最後まで面白く読めた。 群像劇なんで渡る世間は鬼ばかり的な感じがしたね。 こっちで事件が起きてると思ったらあっちの人はあっちの人で別なこと企んでて、そうこうするとあの時のあの人が再登場して・・・みたいなそんな話。
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大聖堂建設の件は思ってたより早く収束して、この下巻では話の本流から外れてしまう。けどそれを補って余りある程に群像劇が面白い。神の奇跡、逆転裁判、伯領奪還に市民の団結などなどテンション上がる要素がてんこ盛りで、ハラハラしながら徹夜読みした。こんな素敵な作品に出会えたことを神様に感謝...
大聖堂建設の件は思ってたより早く収束して、この下巻では話の本流から外れてしまう。けどそれを補って余りある程に群像劇が面白い。神の奇跡、逆転裁判、伯領奪還に市民の団結などなどテンション上がる要素がてんこ盛りで、ハラハラしながら徹夜読みした。こんな素敵な作品に出会えたことを神様に感謝。
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トムの義理の息子ジャックが大聖堂建築の新たな棟梁に。フランス仕込みの斬新な設計によって、美しい聖堂ができあがる。 全3巻、1冊が約600ページからなる長大な物語で、読了するのに3か月もかかった。苦難に次ぐ苦難、裏切りと殺戮の連続に気持ちが重くなり、読む速度が大幅にダウン。しかし...
トムの義理の息子ジャックが大聖堂建築の新たな棟梁に。フランス仕込みの斬新な設計によって、美しい聖堂ができあがる。 全3巻、1冊が約600ページからなる長大な物語で、読了するのに3か月もかかった。苦難に次ぐ苦難、裏切りと殺戮の連続に気持ちが重くなり、読む速度が大幅にダウン。しかし、打たれても打たれてもあきらめない登場人物たちの精神的な強さは特筆すべきもの。少々の困難ごときに尻込みなどしていられない、という気持ちになる。
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権謀術数蠢く権力闘争。二転三転する物語。最後は民衆の総意が権力を凌駕して大団円を迎える。 著者が描く登場人物はなんと魅力的なことか。悪の限りを尽くすウィリアム。寛容でありながらも姦淫を許さぬフィリップ。後半の主役であるジャックも天才肌ながら一癖も二癖もある性格で描かれる。癖のあ...
権謀術数蠢く権力闘争。二転三転する物語。最後は民衆の総意が権力を凌駕して大団円を迎える。 著者が描く登場人物はなんと魅力的なことか。悪の限りを尽くすウィリアム。寛容でありながらも姦淫を許さぬフィリップ。後半の主役であるジャックも天才肌ながら一癖も二癖もある性格で描かれる。癖のある登場人物たちが織り成す出来事が物語に深みを与えている。 当初、時代考証が甘いのではないか?と感じていたが、あとがきにて著者は敢えて先の時代の事柄を盛り込んだ理由に納得した。 それにしても著者はアリエナに厳しすぎる。次から次に悲劇が襲う。もうちょっと優しくしてあげて欲しかった。それに負けないアリエナは、文学史上に残るカッコいい女性だ。
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上中下というボリュームに加えて、中身が濃い! 親子、夫婦、恋人、師弟やライバルなどのぐちゃぐちゃな人間関係に絡むようにして、陰謀、謀略、殺人、破壊、権力闘争に復讐劇などのこてこてのプロットが幾重にも重なってストーリーを肉付けしている。ドラマに目が行くかと思いきや、大聖堂建設にまつ...
上中下というボリュームに加えて、中身が濃い! 親子、夫婦、恋人、師弟やライバルなどのぐちゃぐちゃな人間関係に絡むようにして、陰謀、謀略、殺人、破壊、権力闘争に復讐劇などのこてこてのプロットが幾重にも重なってストーリーを肉付けしている。ドラマに目が行くかと思いきや、大聖堂建設にまつわる現場の息遣いや、信仰に対する独自のスタンスなど、ディテールが細かく、内幕モノとしても読める部分が土台を支えているので、全体的にバランスがいい。 ストーリーは潔く展開し、キャラクター造形もわかりやすい。長い物語ではあるが、大まかな流れは、敵対グループの非情な策略を経て、村と人々が着実に成長していくというもの。登場人物の環境や立場がその都度変化するので、同じパターンの繰り返しという感覚はない。これだけの物語を読まされると、読者も登場人物のひとりなのかなあ、という気もする。キングズブリッジの中に溶け込み、住民と同じ不安や希望を感じる。ある人物には共感し、またある人物には殺意すら抱く(笑) 謎解きだトリックだ、という作品もいいけど、時折こういう大河ドラマに身を任せてどっぷり浸りたいと願うのは年をとった証拠かしら。早いうちに続編を読むぞ。
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