終戦のローレライ(4) の商品レビュー
第5章と終章を収めた完結編。 自分が生きる意味、役割とは何だろうかと考えさせられる作品。いろいろあると文句も言いたくなるが、やはり大切なのは行動力。いつの時代も人はそこに魅かれるのかなと思う。ただがむしゃらに前を向いて自分の役割を全うする。簡単なように思えるが、かなり難しい。...
第5章と終章を収めた完結編。 自分が生きる意味、役割とは何だろうかと考えさせられる作品。いろいろあると文句も言いたくなるが、やはり大切なのは行動力。いつの時代も人はそこに魅かれるのかなと思う。ただがむしゃらに前を向いて自分の役割を全うする。簡単なように思えるが、かなり難しい。なんだかんだ理由をつけて途中で投げ出してしまうことも多い。 あらかじめ死地に赴くことが分かっていながら、どのような矜持をもって任務を全うしたか。そこで繰り広げられる人間ドラマに熱くなる。自分は何を信じ、どう生きるか、今の時代だからこそ今一度目を向けたいものである。
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なんとか終戦記念日までに読了。息つく間もない戦闘シーンの応酬にドキドキハラハラが続き、読み手の体力も消耗させられる。長かったが振り返ればあっという間で、すっかり感情移入させられ涙なしには読めなかった。一瞬帰れるのか、と希望を抱くも帰還先は本土ではなかった。 ストーリーもさるこ...
なんとか終戦記念日までに読了。息つく間もない戦闘シーンの応酬にドキドキハラハラが続き、読み手の体力も消耗させられる。長かったが振り返ればあっという間で、すっかり感情移入させられ涙なしには読めなかった。一瞬帰れるのか、と希望を抱くも帰還先は本土ではなかった。 ストーリーもさることながら、久しぶりにたくさんの魅力的なキャラクターに出会えた。
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最終巻に期待してはいけないと云う話も聞いていたけど、私には最後まで結構面白かった。なるほど、こういう形で終わらせるのねって感心。今月、WOWOWで映画やってくれる予定なので、どんな感じで脚色されているのか見るのも楽しみ
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潜水艦「伊507」の圧倒的な海戦。 そして、終戦。 日本を、そして真摯な自分を守るために、彼らはどう戦ったのか。 そして、彼らの遺志を受け継ぐ征人とパウラはどう生きていくのか。 その筆量に圧倒された本作であった。
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潜水艦、一度は乗ってみたいな。 海水浴とかで素潜りして海底にとどまると、さっきまでうるさい位に聞こえていた海 水浴場で遊ぶ人達の声が遠くなり 海面を見上げると陽の光がその静かさと調和する。小さい頃から好きな光景。 陸上には余計な音が溢れていて、その中から何か重要な声を聴き取るのは...
潜水艦、一度は乗ってみたいな。 海水浴とかで素潜りして海底にとどまると、さっきまでうるさい位に聞こえていた海 水浴場で遊ぶ人達の声が遠くなり 海面を見上げると陽の光がその静かさと調和する。小さい頃から好きな光景。 陸上には余計な音が溢れていて、その中から何か重要な声を聴き取るのは難しいけ ど、海の中なら聴けそうな気がする。 パウラの感覚には遠く及ばないけど。 戦争ってものに良いものはないけれど、戦争や災害のように抗うことのできない強大なものに対峙した時にこそ出る人間の優しさは本当に良いものだ。 現代社会は物質的に豊かになったからなのか、『政府が、誰かが助けてくれる』的な根拠の無い安心感が奥底にあるのか、危機感が薄い。災害や時には犯罪に出会っても優しさを発動させる初動が遅い気がする。 テロや戦争を推奨する気はないけれど、一度助けの無い絶望を体験することも現代人には必要では・・・ ・・・この点は浅倉大佐と近い考えになるのかな? この小説を読む前に呼んだ全く別の小説で『椰子の実』の詩の一部を合言葉として扱うシーンがあった。 敵国に敵国人として潜伏して敵国人のまま死ぬこともあるスパイが『名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ』と聞かれた答えは次の節の『故郷の岸を離れて汝はそも波に幾月』ではなく最後の節の『いずれの日にか故国に帰らん』。 『終戦のローレライ』はこの詩から始まる。何か運命的なものもあるかも知れないけど、それよりもこんな素敵な詩が日本にはあったことを知れたことが嬉しかった。(知らなかったのが恥ずかしい?)
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いよいよ最終決戦。伊507の運命は。 その場面も、クライマックスとして、非常にいいんだけど、その後の戦後日本については、やはり考えさせられる。 こんな、今の日本でいいのか、それでいいのか。 蛇足的な感じもするが、いわゆるこの豊かさを享受している身としては、考えなきゃいけないな、と...
いよいよ最終決戦。伊507の運命は。 その場面も、クライマックスとして、非常にいいんだけど、その後の戦後日本については、やはり考えさせられる。 こんな、今の日本でいいのか、それでいいのか。 蛇足的な感じもするが、いわゆるこの豊かさを享受している身としては、考えなきゃいけないな、と。
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10月は、ローレライにほぼ費やされたなあ。とりあえず、10月中に読み終えられてよかったです。どんなピンチになってもクールな絹見艦長、田口やフリッツ、時岡医、熱いカッコ良い男たちがたくさん出てきて、半年分くらい泣きました。
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いよいよ壮大な物語も終幕。潜水艦伊507が決死の覚悟で敵艦隊の中の突破を試みるあたりは、映画化されたシーンが目に浮かぶようであり、作者の描出力はすごいと思わされる。ぜひ映画化された作品も見てみたいと思うのだが、映画の評判がいまいちなのが残念なところ。
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手に汗握る戦闘シーンは具体的に書き込まれ、いちど読み始めたら止まりません。ただ、潜水艦の主砲でB29を撃墜するシーンなど、大事なところで「おいおい」と思う所もありますが。 征人とパウラの掛け合いはラノベ的で、全体的な物語の雰囲気から少し浮いています。よく言えば、史実を思わせる程の...
手に汗握る戦闘シーンは具体的に書き込まれ、いちど読み始めたら止まりません。ただ、潜水艦の主砲でB29を撃墜するシーンなど、大事なところで「おいおい」と思う所もありますが。 征人とパウラの掛け合いはラノベ的で、全体的な物語の雰囲気から少し浮いています。よく言えば、史実を思わせる程の緊張感の狭間に差し込まれた清涼剤。エンタメ小説として支持される理由のひとつでしょう。 戦後60年程を駆け足で振り返る終章を蛇足と捉える意見もあります。しかし、終章によって本書は他の戦記物、SF、エンタメ小説と性質を異にしたと思います。 わたしのような21世紀になって成人した人間は、戦後史を現在の視点から遡って見ざるを得ません。つまり、今の価値観を少しずつ過去に向かってずらしていくことで、戦後史を想像可能なものにしているということです。しかし、過去へと遡る中である時1945年8月に行き当たります。それは、明らかな断絶との出会いです。 この断絶または差異をいかに理解するか。おそらく、戦後の価値観に染まった者がいまの立ち位置からいくら観察しても理解できないものだと思います。 したがって、征人やパウラのような戦中世代の生を疑似体験することで、戦後社会を戦前戦中から逆照射する必要があります。すると、社会人として勤め、結婚し、子をなし、家を建て、老いる。これらのことが全て特別な経験になっていることに気付かされます。忘れ得ぬ死者への思い、価値観の激変に対する違和感など、背負い込んだ重い荷を降ろすことができないままに。 その上でもう一度現在の視座から戦後を見渡してみましょう。戦後および今の自分の立ち位置に対し、評価の変化はないでしょうか。こんな問題提起を終章がしたのだと思います。 そして最後に、温子かわいい。
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読みきった達成感と、ついに、終わってしまった、寂しい気持ちが半々にある。 ゴーストフリートとの戦闘、第三の原子爆弾を載せた、B-29の撃墜と、やはり、本巻も読む側の気持ちを高ぶらせてくれる場面が多くある。 その一方で、水泡に帰した浅倉の陰謀、呆気ない最期を迎えた浅倉に、力に取...
読みきった達成感と、ついに、終わってしまった、寂しい気持ちが半々にある。 ゴーストフリートとの戦闘、第三の原子爆弾を載せた、B-29の撃墜と、やはり、本巻も読む側の気持ちを高ぶらせてくれる場面が多くある。 その一方で、水泡に帰した浅倉の陰謀、呆気ない最期を迎えた浅倉に、力に取り憑かれた者の虚しさも感じた。 戦争を題材にした作品であるにかかわらず、この作品は、本当に色々な感情を抱かせてくれる。 このような作品を読めたことに対して、深く感謝したい。
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