ウエハースの椅子 の商品レビュー
好きな人にとってはすごく好きなのかもしれない。こういう小説が好きな人が沢山いるということは、幼い頃の心の傷やら寂しさやらを大人になっても飼っている人が多くいるということだと考えて読んだ。ある意味ホラー小説かと思う。
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ああ、こういう感覚に陥ってしまう時ってあるよね! と思いながら読みました。 ストーリーは……ある、と思います。というか、しっかりストーリーある。 子どものころからずっと絶望と隣り合わせで、だけどその絶望に触れるときだけ生きているという気持ちになれて、それはなぜだか幸せを見せてくれ...
ああ、こういう感覚に陥ってしまう時ってあるよね! と思いながら読みました。 ストーリーは……ある、と思います。というか、しっかりストーリーある。 子どものころからずっと絶望と隣り合わせで、だけどその絶望に触れるときだけ生きているという気持ちになれて、それはなぜだか幸せを見せてくれる。だけど、それは決して座れないウエハースの椅子。そんな自分の境遇を壊そうとする主人公。 オチは「ああ、だめだなあ、もう」と思わされるものですが、これこそが人間なのだとも思うのです。
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物語の流れは大きな波は起きないのに、どんどんどんどん引き込まれていく小説でした。 恋人の名前も、主人公の名前もでてこない。 なのにそれぞれが独立した個人で、人間の孤独性がとても伝わってくる。 人間は、もちろん家族とか血のつながっている人はいても、本当に孤独です。 私も、家族の中に...
物語の流れは大きな波は起きないのに、どんどんどんどん引き込まれていく小説でした。 恋人の名前も、主人公の名前もでてこない。 なのにそれぞれが独立した個人で、人間の孤独性がとても伝わってくる。 人間は、もちろん家族とか血のつながっている人はいても、本当に孤独です。 私も、家族の中にていてもなお、孤独を感じることがる。消え去ることのない孤独と絶望。 それを支える愛のお話。
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淡々と流れていく日常。 変わらないようで、少しずつ変わっていっていた。 ループするような感じが心地よかった。
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絶望と記憶。恋人。 ストーリはあんまり無いお話。 ただ,紡がれている言葉達が, 心を柔らかく,でも,がっしり掴んでくれます。 以下。本文より引用です。。* 「本業はいまでも女スパイだろう? 世界の外側にいるんだ。 内側には、永遠に入れてもらえない。」 知っている、と私...
絶望と記憶。恋人。 ストーリはあんまり無いお話。 ただ,紡がれている言葉達が, 心を柔らかく,でも,がっしり掴んでくれます。 以下。本文より引用です。。* 「本業はいまでも女スパイだろう? 世界の外側にいるんだ。 内側には、永遠に入れてもらえない。」 知っている、と私は思う。そのことはよく知っている、と。 絶望は満足したようで、しずかにどこかへ帰っていった。
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すごくピンポイントかもしれないですが、「こっくりとしたバター」という表現がすごく好き!! バターそのまま食べるなんて…でもおいしそう!と思ってしまいます^^ どの作品を読んでも江國さんはたべものがすごく豊に書かれているなあと思います。
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あーなるほどーとかあーあるあるーとか そんな感じで読めました。 再読 うーん…年取っちゃったからか信頼とか愛とかよりその未来があるのかないのかって関係必要?って思うようになってしまった。 私は人間の愛より人間の利益を取るんだと思う。
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全篇にただよう、不穏な空気。 いっそ全部壊れてしまえばいいのに。 『私』と『恋人』の寄る辺のない愛のものがたり。
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解説を読んで、なんて的確なのだろうと感心した。 ストーリーはあるようで、事実ないのです。ただ、彼女がつむぐその言葉の洪水にいつのまにかのみこまれていく感覚が残るのです。 「人の語る言葉とは思えないほど人工的で自然で、詩的で的確である。」なるほどねー。だから私は江国香織がすきなんだ...
解説を読んで、なんて的確なのだろうと感心した。 ストーリーはあるようで、事実ないのです。ただ、彼女がつむぐその言葉の洪水にいつのまにかのみこまれていく感覚が残るのです。 「人の語る言葉とは思えないほど人工的で自然で、詩的で的確である。」なるほどねー。だから私は江国香織がすきなんだろう。 最近はほんとによく読んでいると思う。高校生から大学1年まではまっていて山田詠美のように。あのときは、自分の知らない世界に 溺れた。そして、今回は知らない言葉の洪水に溺れているのだ。
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読みながら重くて息苦しくなることもしばしば。 不倫が悪いとかではないけれど、 先が見えない不安や苦しみは相当なんだろうなと。
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