思いわずらうことなく愉しく生きよ の商品レビュー
長女・麻子は結婚して夫と二人暮らしの主婦。次女・治子はキャリアウーマンで、同棲中の男はいるが、結婚はしない。三女・育子は恋愛を信用せずに不特定多数の男性と関係を持つ。そんな彼女たちが育った犬山家の家訓が「思いわずらうことなく愉しく生きよ」。 三姉妹を中心とした、夫婦・恋人・家族...
長女・麻子は結婚して夫と二人暮らしの主婦。次女・治子はキャリアウーマンで、同棲中の男はいるが、結婚はしない。三女・育子は恋愛を信用せずに不特定多数の男性と関係を持つ。そんな彼女たちが育った犬山家の家訓が「思いわずらうことなく愉しく生きよ」。 三姉妹を中心とした、夫婦・恋人・家族が描かれる。 何よりも、夫婦、と言うものが一際、恐ろしい描かれ方をしていると思う。 その象徴が長女・麻子と夫の邦一だ。麻子はDVを受けている。それでも、「車の中は家の中と同じだ。護られている」と感じたり、「いるべき場所に自分がいない罪悪感とで呼吸が苦しくなる。一刻も早く家に帰りつきたい」と思い、「夫の声は不機嫌で、怒っているように聞こえるが、それを聞くと麻子は心からほっとする」という。家という箱の中で、周囲の人々から隔絶された関係が「夫婦」なのだ。それが例え一般的に見て理解しがたい関係であっても、結婚して夫婦になると言うことはそういうものなのだと言っているかのようだ。 個人的には、強がりな次女・治子の恋愛にはホロリとさせられた。
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表題を家訓にする犬山家の三姉妹のお話。 深刻なはずなのに、なぜかのびやかに感じさせる淡々とした描写がこの作品では気持ちいい。だから今まで読んだ江國さんの作品の中では一番よかったと思う。 長女麻子の抱えるDV問題が話の軸。う〜んDVって・・単純な問題じゃないんだな。考えさせられた。...
表題を家訓にする犬山家の三姉妹のお話。 深刻なはずなのに、なぜかのびやかに感じさせる淡々とした描写がこの作品では気持ちいい。だから今まで読んだ江國さんの作品の中では一番よかったと思う。 長女麻子の抱えるDV問題が話の軸。う〜んDVって・・単純な問題じゃないんだな。考えさせられた。 熊木、かわいそうに・・でも治子は本当にいい女だと思うわ。治子の恋愛は結構理想に近いかも。 育子に関してはあんまり感じるところはなかった。
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思いわずらうことなく、これってかなり難しそうって思ったけど、もしかしたら誰にでも簡単にできたりするかも。って思えたのは私だけ?
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自分に近いのは育子か治子かと。 とりあえずなんかもう、恋愛は意思をもって行うもんなのかしら、と考えを巡らしました。 いろんな愛の形がゆがんだり、のびをしながらもそこに在りました。
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結婚して7年の麻子、結婚はしないけれど同棲中の治子、恋愛なんて信じていない育子。のびやかで凛とした三姉妹の物語。(帯より) このタイトルの言葉がとても好きで、紬生さんに絶対に言ってあげたいな、と そして こんなのびやかに育っていったくれたらな、と
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結婚して家庭に入った長女。恋愛・同棲するも結婚には興味のないキャリアウーマン次女。恋多き適度に働く三女。 三姉妹それぞれの生き様。次女の考えにいと共感。
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それぞれ共通点と個性的な面を持つ、3姉妹の物語。3人姉妹と2人姉妹はまた違うのかもしれないが、自分も2人姉妹なので、何となくノリというか雰囲気が共感できて面白かった。タイトル名のわりに、思いわずらってしまいそうなことがたくさん出てきて、何だかそのギャップもよかった。女同士の、特に...
それぞれ共通点と個性的な面を持つ、3姉妹の物語。3人姉妹と2人姉妹はまた違うのかもしれないが、自分も2人姉妹なので、何となくノリというか雰囲気が共感できて面白かった。タイトル名のわりに、思いわずらってしまいそうなことがたくさん出てきて、何だかそのギャップもよかった。女同士の、特に同性の家族との関係と、夫婦といえども男女の関係は、やっぱり違うものなのかなと、普段から感じてはいたけれど、この本を読んでまた改めてそんな風に感じた。同じものを求めてしまっては、うまくいかないことが多い。 恋愛、仕事、家族、自分の存在意義、そんなことをひっくるめて、自分らしく生きていくことが愛おしく感じられる、そんな本だった。
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一日で読んじゃった。。 この本みたいに、主人公が誰って決まってなくて色んな登場人物の視点から描写される物語って、読むのに疲れたり飽きたりしなくて、好き。 内容は、犬山家の3姉妹の恋愛、家族との関わり方、とかを描いた話。 結果的に、3姉妹は皆ハッピーエンドになるところがいい。 ...
一日で読んじゃった。。 この本みたいに、主人公が誰って決まってなくて色んな登場人物の視点から描写される物語って、読むのに疲れたり飽きたりしなくて、好き。 内容は、犬山家の3姉妹の恋愛、家族との関わり方、とかを描いた話。 結果的に、3姉妹は皆ハッピーエンドになるところがいい。 3姉妹の心の強さ、しなやかに生きる姿に憧れすら覚えます。 久しぶりに呼んだ江國香織の本。やっぱり読みやすい。 絡みつくような恋愛の描写も、江國の特徴かなって思います。 この本には、名言が結構出てました。 題名でもある「思いわずらうことなく愉しく生きよ」に始まり、 治子の「人生は考え抜くものじゃなく、生きるものなのよ」 「喪失感はただここに「ある」だけで、それにとらわれたり浸ったりする必要はない」 という言葉には元気付けられる。 小説って深いな〜って思わせる作品でした。
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思いわずらうことがあったので、タイトルにひかれて読んでみました。 私は治子のように生きてみたい・・・かな?
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愛のカタチって何だろなぁと、考えさせられた一冊。 女3姉妹が登場人物っていう状況が、今の自分とぴったりリンクしていて、なかなか興味深く読んだ。 それぞれの姉妹のストーリーの中でも、一番ずしーんと来たのは、 DVを受けてしまうのに、夫の傍から離れられない麻子の物語。 「一緒に幸せに...
愛のカタチって何だろなぁと、考えさせられた一冊。 女3姉妹が登場人物っていう状況が、今の自分とぴったりリンクしていて、なかなか興味深く読んだ。 それぞれの姉妹のストーリーの中でも、一番ずしーんと来たのは、 DVを受けてしまうのに、夫の傍から離れられない麻子の物語。 「一緒に幸せになるか、一緒に不幸になるかのどちらかなの」という言葉の意味するものを、まだ私は知らない。
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