思いわずらうことなく愉しく生きよ の商品レビュー
「思いわずらうことなく愉しく生きよ」を家訓とする犬山家の三姉妹のお話。 夫・邦一(くにかず)の暴力を黙々と受け入れ続ける長女・麻子。 仕事にも熊木との恋にも、「抗えない体」にも情熱を注ぐ次女・治子。 一風変わった感性を持っていて、恋とか職場の人間関係の煩わしさとかがいまいち分か...
「思いわずらうことなく愉しく生きよ」を家訓とする犬山家の三姉妹のお話。 夫・邦一(くにかず)の暴力を黙々と受け入れ続ける長女・麻子。 仕事にも熊木との恋にも、「抗えない体」にも情熱を注ぐ次女・治子。 一風変わった感性を持っていて、恋とか職場の人間関係の煩わしさとかがいまいち分からない(実感が湧かない?)三女・育子。 はじめは各々の生活をスライドショーを切り替えるように見ていきます。そのうち、麻子と夫のやりとりや、その周りで奮戦する治子と育子へと焦点が絞られていき、随分ハラハラしました。離婚した両親への三姉妹それぞれの対応の違いも読んでいて面白いところではないでしょうか。 それぞれの生活や人生が別々に展開されていくのだということを示唆する終わり方でした。
Posted by
タイトルは主人公となる三姉妹の家訓。 それぞれ違った恋愛観を持っていているけれど みんな芯のところではとても強い。 参考にはならないけど見てて清々しい感じ。 後DVの泥沼っぷりが凄い。
Posted by
個性豊かな3姉妹。 思い煩わずしてどうする?というような状況に陥りながら、それでも上を向いて楽しく生きている。
Posted by
個性的な3姉妹。 それぞれが自分の生きたいように生きている。 人がどうというのではなく自分が中心。 愉しく生きなければ損だよね。
Posted by
久々の江國作品です。内容を知らないで読み始めてびっくり。三姉妹であること、姉だけが結婚していてDVに合っていることなど、背景が似ていたので重ねて読みました。そんな読者が多い作品かも。 家族であっても立ち入れない領域があって、いつだってなんだって本人の意思によるのだけど…放り出さず...
久々の江國作品です。内容を知らないで読み始めてびっくり。三姉妹であること、姉だけが結婚していてDVに合っていることなど、背景が似ていたので重ねて読みました。そんな読者が多い作品かも。 家族であっても立ち入れない領域があって、いつだってなんだって本人の意思によるのだけど…放り出さずに見守っている関係。大切な人の近くにいて自分の気持ちに走らず辛抱強く見守って、肝心な時にドクターストップをかける。大人になると家族からも疎遠になったり、独立したりしてしまうけれど、だからこそそんな関係って素敵だと思いました。言葉だけじゃなく行動として…、犬山家の家族の在り方を見習いたいです。
Posted by
怖い、そしていろいろな意味で痛い話。 私にとっては、他の江國作品に比べて登場人物に自分を重ねやすくて、だからこそ怖かった。とはいっても自分を重ね合わせる対象は特定の1人ではなくて、犬山家の3姉妹に共通する、麻子が言うところののびやかすぎる気風という部分。 細かく説明はできないけど...
怖い、そしていろいろな意味で痛い話。 私にとっては、他の江國作品に比べて登場人物に自分を重ねやすくて、だからこそ怖かった。とはいっても自分を重ね合わせる対象は特定の1人ではなくて、犬山家の3姉妹に共通する、麻子が言うところののびやかすぎる気風という部分。 細かく説明はできないけど、自分もそういう性質を持っているので、空恐ろしい気持ちになった。
Posted by
(2004.08.11読了)(2004.08.06購入) 表題は、犬山家の家訓である。主人公は、犬山家の3姉妹である。両親は飲食店を経営していたが、父親の浮気が原因で離婚し、父親は、家を出て一人暮らし。母親は、二番町のお家に一人で住んでいる。離婚したのは、3女の育子が21歳のとき...
(2004.08.11読了)(2004.08.06購入) 表題は、犬山家の家訓である。主人公は、犬山家の3姉妹である。両親は飲食店を経営していたが、父親の浮気が原因で離婚し、父親は、家を出て一人暮らし。母親は、二番町のお家に一人で住んでいる。離婚したのは、3女の育子が21歳のとき、8年前。 犬山育子29歳、1972年11月生まれ、キリスト好き。キリスト教徒ではなく、単なるインテリアとして愛好している。被服専門学校を出て、自動車教習所の事務員をしている。 被服専門学校の同級生の里美の彼氏がやってくれば受け入れてしまう。男に執着はしない。内省的日記を書く、人は何のために生きているのかとか。月誕生日を創始し、毎月せっせと誕生カードを書いている。 「育子は、自分をまるで古い西部劇に出てくる娼婦みたいだと思った。男の子たちはやってきて、帰っていく。」 「育ちゃんは、高校のとき男の人を知るために、通学の駅のホームで朝食を摂っている肉体労働者に声をかけ仲良くなり、関係を持った。一人とだけではなく多くの男たちと関係を持った。」 現在、育ちゃんは、住んでるアパートの近所の主婦と仲良くなり、そこの男の子と手続を踏んだ付き合いを始めている。 犬山治子1967年2月生まれ、次女。アメリカ留学をして現地採用で、外資企業に就職。現在は、別の外資系会社で働いている。キャリアウーマン。熊木圭介と同棲中。熊木は、フリーライターで、自宅にいることが多いので、家事は熊木に任せている。 「人生は考え抜くものじゃなく、生きるものなのよ」 「治子は語学を習得するのが好きだ。英語はほぼ完璧に話せるし、イタリア語とスペイン語も、生活するのに不自由しない程度には喋れる。フランス語は、いずれ習得したいと思っている。目下、ラテン語を勉強中。」 「だって、すばらしい肉体の持ち主なのよ。あんな肉体を見てしまったら、とても抗えないわ」「いい馬を見れば乗ってみたいと思うじゃない?」「セックスなんて所詮レクリエーションだ。」 (留学中に知り合ったうぬぼれの強いいい男が、日本に一時帰国したのに出会って一緒に寝てしまったときの台詞。) 「せっかくこんなに上手くいっているのに、なんだって結婚なんて言い出すの?びっくりしちゃうわ。熊ちゃんはこのままのどこが不満なの?」 (熊木から結婚を申し込まれての台詞。) 「熊木宛に、差出人不明の手紙が届いた。届いた手紙には、治子の性生活が連綿とつづられていた。五人の男性の名前が書かれていた。」 (お互いに一緒にいたいのに、二人は結局分かれてしまう。一度歯車が狂うと、どうしてか元には戻れないものらしい。) 麻子、長女。1965年4月生まれ。結婚7年。夫、多田邦一は暴力を振るう。 「妻に暴力を振るった翌日、邦一はしばしば「おみやげ」を買ってくる。それは決して高価なものではなく、麻子だけに通じる、麻子の気に入りのものなのだ。」 「邦一の場合、一番多いのは首を絞めるという行為だった。恐ろしい形相と見幕で、しかし存外コントロールされた力で。」 「そのような行為のあった夜には、深夜、不気味な嗚咽に眠りを妨げられる。邦一がパジャマ姿で身体を丸め、眼鏡をかけたまま泣いているのだ。」 「夫が暴れた後が一番安らかだ、と、思う。そうでない時は、いつそれが来るかと怯えなくてはならない。済んでしまえばたいした事はないのだ。」 「肋骨が二本折れただけ。きつくテープを巻かれ、痛み止めをもらって、それでおしまいだった。」 (物語全体の印象としては、長女麻子の家庭内暴力の話が強烈に残る。麻子は、最終的には、精神に偏重を来たし自傷行為に及び分かれる決心をして、終わりになる。) ☆江國香織さんの本(既読) 「東京タワー」江國香織著、マガジンハウス、2001.12.07 「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」江國香織著、集英社、2002.03.10 「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國香織著、朝日新聞社、2002.11.30 「すみれの花の砂糖づけ」江國香織著、新潮文庫、2002.12.01 「とるにたらないものもの」江國香織著、集英社、2003.07.30 「号泣する準備はできていた」江國香織著、新潮社、2003.11.20 「スイートリトルライズ」江國香織著、幻冬舎、2004.03.25 「雨はコーラがのめない」江國香織著、大和書房、2004.05.20
Posted by
大好き。 人間誰でもいつかは死ぬんだから、思い煩うことなく愉しく生きよ 自分のしたことに後悔なんかしないわ わたしはやっぱり末っ子に一番似ていると思う。 次女のような強い女性に憧れるけど、 やっぱり繊細な自分のままでいいのかもしれない。 人生とか心理とか、深く深く考え...
大好き。 人間誰でもいつかは死ぬんだから、思い煩うことなく愉しく生きよ 自分のしたことに後悔なんかしないわ わたしはやっぱり末っ子に一番似ていると思う。 次女のような強い女性に憧れるけど、 やっぱり繊細な自分のままでいいのかもしれない。 人生とか心理とか、深く深く考えてしまうのは、好奇心の結果だし、 知らないおじさんと仲良くなったり、見知らぬ人でもあのこまで親身になれるのは、 人に偏見を持たない素直な子ならでは。 違うところは、わたしは見栄っ張りであの子は人の目なんて気にならないこと。 自分の軸がしっかりしてるんだね。 わたしも、もっともっと自分を、世界を見つめよう。
Posted by
家族の絆の強さと 人生においてのしあわせについて 考えさせられる 育子のキャラクターに力を注いでいるように思えたのは私だけかな。
Posted by
麻子、治子、育子三姉妹のお話。 麻子→DV 治子→浮気、熊木と付き合うキャリアウーマン。そっくり。 育子→自由奔放。段階がすき。 どろどろした人間関係と綺麗な日常の話。
Posted by