荊の城(上) の商品レビュー
顔見知りの詐欺師「紳士」から、貴族令嬢であるモードを騙して結婚する計画の協力を求められたスウは、報酬に惹かれて引き受ける。19世紀半ばのイギリスの生活の描写が丁寧で、陰鬱な貴族の館の情景が目に浮かぶよう。スウと紳士が城館に入ってからは物語が動き出し、目が離せなくなりました。スウと...
顔見知りの詐欺師「紳士」から、貴族令嬢であるモードを騙して結婚する計画の協力を求められたスウは、報酬に惹かれて引き受ける。19世紀半ばのイギリスの生活の描写が丁寧で、陰鬱な貴族の館の情景が目に浮かぶよう。スウと紳士が城館に入ってからは物語が動き出し、目が離せなくなりました。スウとモードの2人の間に友情とは言えない感情が芽生えてからの文章が、なまめかしく、色っぽい。そして、驚きの展開で……下巻に続く。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読だが、後味が悪かったというぼんやりした印象があった。 ヴィクトリア朝時代を舞台にしたミステリー。 結婚詐欺の片棒を担ぐために侍女になった女スリと、大富豪の娘。騙しているのに、ほのかに友情が芽生えて。 泥棒家業ファミリーの前振りがあまりに長くていらいらするが、だんだん話が進んで目が離せなくなる。
Posted by
第1部の終わりを読んだ瞬間、 こ、これはっ。。。!!ってな感じで そっから先はノンストップ。 主人公スウのキャラが入りやすいので ミステリ初心者にはとっても良いと思う。 でも、初心者でコレ読んだらハードル高くなっちゃうなぁ。 んで、何がいいって、やらしいの。 エロいんじゃない...
第1部の終わりを読んだ瞬間、 こ、これはっ。。。!!ってな感じで そっから先はノンストップ。 主人公スウのキャラが入りやすいので ミステリ初心者にはとっても良いと思う。 でも、初心者でコレ読んだらハードル高くなっちゃうなぁ。 んで、何がいいって、やらしいの。 エロいんじゃないよ、やらしいんだよ。
Posted by
第一部の終わりでの展開に目が出た。 私はミステリはさほど読まないから、元々予想は出来ない読者とはいえ、全く思いもかけない方向から頭を殴られたような感じだった。とにかく続きを買ってきて読まないことには何とも先が気になる。 全体の雰囲気として、薄暗くて湿度が高い。そして(良い意味での...
第一部の終わりでの展開に目が出た。 私はミステリはさほど読まないから、元々予想は出来ない読者とはいえ、全く思いもかけない方向から頭を殴られたような感じだった。とにかく続きを買ってきて読まないことには何とも先が気になる。 全体の雰囲気として、薄暗くて湿度が高い。そして(良い意味での)生理的嫌悪感みたいなものを読みながらずっと感じていた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ペテン紳士と元掏摸の侍女とお嬢さま。 この三人の間で陰謀が渦巻き、ふたりの揺れる感情が迷いを生む。 一部と二部で視点が変わり、スウとモードのお互いの心境の変化が見れて良かった。 愛ゆえに欺く決心って切ない。 長いけどあっという間だったので下巻も期待。
Posted by
一大詐欺によって出会ったスウとモードは、互いに惹かれはじめていきます。けれど、着々と計画は進行していくのです。2人の友情を越えた想いがどこまで続くのか、この小説のひとつの見所です。読んでいくうちに、濃厚な濁流の渦にねっとりと巻き込まれていき、何が真実なのか分からなくなってきます。...
一大詐欺によって出会ったスウとモードは、互いに惹かれはじめていきます。けれど、着々と計画は進行していくのです。2人の友情を越えた想いがどこまで続くのか、この小説のひとつの見所です。読んでいくうちに、濃厚な濁流の渦にねっとりと巻き込まれていき、何が真実なのか分からなくなってきます。誰が味方なのか、裏切りものなのか。片時も目を離すことができません!
Posted by
『半身』もそうだったけど、この人の作品は前ふりが長い。途中で盛大などんでん返しがありそうな気配に、それまでのじわじわとしか進まない展開を読者は辛抱強く待たなければいけない。その辛抱がつまりスリルであり、サスペンスであり、ミステリーなのだけれども。 舞台は英国。ロンドンっ娘の気性が...
『半身』もそうだったけど、この人の作品は前ふりが長い。途中で盛大などんでん返しがありそうな気配に、それまでのじわじわとしか進まない展開を読者は辛抱強く待たなければいけない。その辛抱がつまりスリルであり、サスペンスであり、ミステリーなのだけれども。 舞台は英国。ロンドンっ娘の気性がなんとも愛らしくて惹かれる。登場人物の誰もが一癖二癖ありそうで、一気に読んでしまう。
Posted by
舞台は19世紀半ばのイングランド。主人公はスリの少女ととある令嬢。 その二人が運命の波に翻弄され二転三転しまくりますが、決して屈することはないのです。 その奔放なストーリー展開に引き込まれしまいました。いったい誰が黒幕なのか?とか。 二人の少女の心理描写や、舞台の薄暗く不潔で猥雑...
舞台は19世紀半ばのイングランド。主人公はスリの少女ととある令嬢。 その二人が運命の波に翻弄され二転三転しまくりますが、決して屈することはないのです。 その奔放なストーリー展開に引き込まれしまいました。いったい誰が黒幕なのか?とか。 二人の少女の心理描写や、舞台の薄暗く不潔で猥雑なところも、よく描かれていると思いました。 最終的にこの恋愛観には好みが分かれるところだとは思いますが、文学作品としてみれば、まぁ有りかな~というところ。
Posted by
主人公のスウはロンドンの下町で育った掏りの娘。育ての母親、サクスビー夫人に大切に育てられる。 スウが十七になったある日。顔馴染みの詐欺師がスウのところに一つの儲け話を持ってくる。詐欺師が金持ちの令嬢を騙して結婚する手伝いをスウにして欲しい、というのだ。 スウの役目は令嬢の侍女。令...
主人公のスウはロンドンの下町で育った掏りの娘。育ての母親、サクスビー夫人に大切に育てられる。 スウが十七になったある日。顔馴染みの詐欺師がスウのところに一つの儲け話を持ってくる。詐欺師が金持ちの令嬢を騙して結婚する手伝いをスウにして欲しい、というのだ。 スウの役目は令嬢の侍女。令嬢の傍で詐欺師のサポートをする役どころだ。躊躇いながら、不安に苛まれながら、スウは田舎の城館、ブライア(荊)城へと向かう。 原題の Fingersmith は スリ の意。なるほど。幾重にも意味があるような気がする。 ただし、邦題の「荊の城」も作品にぴったりの題名。メインの舞台であるブライア(荊)城。その暗い荒んだ雰囲気と、そこで繰り広げられる人物模様。ブライア城はスウの上にも令嬢モードの上にも大きな影を落としている。 スピード感がある語り口ながら、物語の前半はゆっくりと進行する。もどかしさや歯痒さを堪えて後半に進めば、二転三転する筋立てとともに、今まで読んできた前半にまったく違う意味が存在したことに驚かされる。 読み応え満点。驚愕度も大きく、さすがに評価の高い作品だなと思わせる。 あ、でも、スウとモードのあれこれでちょっとだけ「あれ?そういう話だったの…?」と思ったりも。(2005-02-24) Fingersmith ( by Sarah Waters ) / 邦訳 : 中村有希
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2011.3.7~4.9読了 途中まではイイ感じで新しい「王子と乞食」かな、と期待を持ったけれど結末は平凡というか意外性がなかったなぁ。ほんとに”このミス1位”?ブライアが荊の意味と知り邦題はマンマと納得。原題の Fingersmith ってのは「掏摸」の意味だがスリ場面はあまりなかったが・・・Smith はヒロインの娘が名乗る変名でもあり身分を掏ったという意味も含んでいるのかな。
Posted by