ぼんくら(下) の商品レビュー
この後味は、いかにも宮部みゆきらしい。なんの憂いもないハッピーエンドではなく、けれども暗すぎもなく。
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2005/1/2宮部みゆきは江戸ものがいい。あらためて思った。現代を舞台にした場合には、どうにも時代性と乖離してみえる女性的な優しさが、すんなりと違和感なくはまるからだ。加えて、相当に構成の綾を張り巡らせたもので、散りばめた伏線の多くが巧緻を極めていると思った。主軸となる登場人物...
2005/1/2宮部みゆきは江戸ものがいい。あらためて思った。現代を舞台にした場合には、どうにも時代性と乖離してみえる女性的な優しさが、すんなりと違和感なくはまるからだ。加えて、相当に構成の綾を張り巡らせたもので、散りばめた伏線の多くが巧緻を極めていると思った。主軸となる登場人物は勿論、多彩な傍系キャラに至るまで全ての登場人物への愛に充ちた作り込みが前面に出てきているので気付かされないのだが、遠景にいた人物が浮かび上がってくる際の醍醐味は少なからず興奮してしまった。
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宮部みゆきの「時代物」ミステリー。 宮部みゆきには、『本所深川ふしぎ草子』など、江戸時代を舞臺として日常的な謎を描いた作品も多い。 本書も廣い意味ではその系統である。 本書の構成は工夫されてゐる。 私の讀んだのは講談社文庫なので、上下の2卷本なのだが、 上卷の中ほどまでで5遍...
宮部みゆきの「時代物」ミステリー。 宮部みゆきには、『本所深川ふしぎ草子』など、江戸時代を舞臺として日常的な謎を描いた作品も多い。 本書も廣い意味ではその系統である。 本書の構成は工夫されてゐる。 私の讀んだのは講談社文庫なので、上下の2卷本なのだが、 上卷の中ほどまでで5遍の短篇を讀むことになる。 ここまで讀むと、登場人物が一緒の、長屋を舞臺にした連作短篇集だと思ふ。 しかし、これらの短篇は、次に續く長篇の導入部になつてゐるのである。 いはば、謎の提示部分である。 ここで提示された謎が、長篇で解き明かされて行く構成になつてゐる。 それにしても、あいかはらず宮部みゆきの人物造形のうまさには感心する。 登場人物一人ひとりが實に魅力的なのだ。 まず主人公は、ものぐさな「ぼんくら」役人の平四郎。 そして、平四郎にいつも付き從ふ、中間の小平次。 何故か、若くして鐵瓶長屋の差配役にされてとまどう佐吉。 鐵瓶長屋の住人で、長屋の「心」、お徳。 長屋に越して來た、女郎あがりの、おくめ。 平四郎の妻の甥で養子候補の弓之助。 テープレコーダーのやうに、なんでも覺えて再現する、「おでこ」こと三太郎。 また、宮部ファンご存じの、囘向院の茂七も、名前だけだが登場する。 なんと本書では、すでに米壽で現役を退いてゐる。 宮部みゆきが、人間と云ふ存在に注ぐ暖かい眼差しは、本書でも隨所に現はれる。 讀んでゐて、こころの奧のはうがほんのりと温つてくる、そんな作品である。 本書は、『理由』を讀んで感じた物足りなさを充分に補つてくれた。 これぞ「宮部みゆきワールド」の眞骨頂であらう。 2004年5月9日讀了
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わたしのお見立てでは井筒の旦那は内藤剛志さんがよろしいかと。 後日談。ドラマ化されて岸谷五朗さんでした。
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鉄瓶長屋を巡る怪事件を次々探っていくと思わぬところに深い穴が・・。 大好きだなあやっぱりこの話わ。
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色々な話がひとつに繋がってどんどん話が面白い方向に転がっていった! 終わり方は、そういう形で終わりにするんだぁ〜と思ったのですが、ま、それもアリかな、と。真相を突き詰めることばかりが真実じゃないな、と思いました。人間味って奴ですね。
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ミステリーというカテゴリに分類してしまいましたが、ミステリーというより時代小説って感じのストーリーでした。結末うんぬんというか、登場キャラクターに注目して読み進めると案外楽しめるのではないかな、と思います☆
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2004/8/9〜読み始めます♪楽しみぃ♪ 〜2004/8/24読み終わりました。 ちょっとかわった展開の上下本でした。 上巻は短編集で下巻は長編集ってかんじ・・・。 まあ上巻の短編が長編作の伏線なんだけどね〜 さすが宮部サン・・・読みごたえあり! 好きだな〜♪コノヒトの江...
2004/8/9〜読み始めます♪楽しみぃ♪ 〜2004/8/24読み終わりました。 ちょっとかわった展開の上下本でした。 上巻は短編集で下巻は長編集ってかんじ・・・。 まあ上巻の短編が長編作の伏線なんだけどね〜 さすが宮部サン・・・読みごたえあり! 好きだな〜♪コノヒトの江戸ものって。 その後の弓之助を知りたいデス。(*^m^*) ムフッ
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