すべての雲は銀の…(下) の商品レビュー
部屋の整理をしていると、昔読んだ本がしまわれたダンボールを見つけて懐かしく思って再読してみることにした。 この本は、高校の読書感想文で読んだ本だった。 当時は、本を読むことが習慣というかあまり好きではなかったし、他の課題や部活にも追われていたから、「とにかく内容がつかめればい...
部屋の整理をしていると、昔読んだ本がしまわれたダンボールを見つけて懐かしく思って再読してみることにした。 この本は、高校の読書感想文で読んだ本だった。 当時は、本を読むことが習慣というかあまり好きではなかったし、他の課題や部活にも追われていたから、「とにかく内容がつかめればいいや」、「読んで感想を書けばいいんだろう」としか思えず、ページを進めることしかできなかった。 そして、今もう一度読んでみると感じ方がまったく違っていた(笑) 要所要所で、「ああ。ここ覚えてる」と自分で頷きながら読んでいたが、圧倒的に「あ!ここってこういう意味だったのかぁ」というのが多かった。 特に、そう思ったのはタイトルである『すべての雲は銀の…』の由来のことばだった。 もともと英語で『Every clouds has a silver lining.』ということばで日本語に直訳するとなんとも間抜けな文になってしまうけれども、元訳は直訳とはまったく別の意味を持っていて思わずメモを走らせてしまった(笑) こういう一文を高校生だった自分はピンと来なかったらしい… 他にも主人公のおかれた立場、主人公が訪れた場所雰囲気、そこで暮らす人々とのふれあいに癒されながら読み進められた。 特に癒されたのが、主人公が訪れた地に住んでいる男の子。初めて会った主人公に対して親しげに「とーちゃん」と飛びついてきた場面には癒された。
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由美子と兄貴視点からも読みたいなぁ。 覚悟がないならそういうことすんなよ、と思う。 祐介は振られて、はじめて由美子の嫌なところに気付いて、兄貴は嫌なところを知りながらも付き合ってる。…つまりそういうこと?
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愚直な小説だ… 森絵都の後に読んだせいか、そう感じた。 村山さんらしいなぁ、と。 少女漫画っぽいベタ感がある。 (兄に彼女を奪られた主人公が東京を逃げ出して長野で住み込みのバイトをする話)
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110604*読了 読み終わってしまいました…。 もっともっと読んでいたかった。 終わらない物語でいい、永遠に続いてほしい、そう思える話でした。 最後あたりでやっとタイトルの意味がわかって、なるほど、なるほど。 心にとどまり続けてくれる小説でした。 貸してくださった先輩に感謝で...
110604*読了 読み終わってしまいました…。 もっともっと読んでいたかった。 終わらない物語でいい、永遠に続いてほしい、そう思える話でした。 最後あたりでやっとタイトルの意味がわかって、なるほど、なるほど。 心にとどまり続けてくれる小説でした。 貸してくださった先輩に感謝です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
父が図書館から借りてきた本。 大学生や高校生の恋を書かせると 右に出るものはいない(言いすぎ)村山由佳さんの長編下巻。 個人的には、花屋さんの花綾とくっついてほしかったが 今は、こういうラストでよかったな。 と思いました。
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BANANAFISHのあとがきで、自分自身も「再生」をテーマにしてるという話を読んだことがあります。なるほどな、確かに村山さんの書く作品はそういう面が強いかもしれないと思った。 実は上巻の時から主人公が好きじゃなくてね! こいつうっとおしいわ~と思いながら読んでたんだけど、最終...
BANANAFISHのあとがきで、自分自身も「再生」をテーマにしてるという話を読んだことがあります。なるほどな、確かに村山さんの書く作品はそういう面が強いかもしれないと思った。 実は上巻の時から主人公が好きじゃなくてね! こいつうっとおしいわ~と思いながら読んでたんだけど、最終的にそんなに嫌いではなくなった。 私は基本的に主人公にカッコよさを求めてしまうので、その辺を諦めてしまえばなんてことはないのかも。 話のテーマ自体はすごく好きな種類ですし、素敵な考え方、言葉が沢山詰まっているように思えました。 題名は「Every cloud has a silver lining」「どんな不幸にもいい面はある」と言う意味らしいです。能天気な格言、私も好きです。
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村山さんの作品は「星々の舟」に次いで2作目。村山さんは人物描写に強みを持つ作家だと思う。言葉で表すのが難しい内面の複雑な想いだとか、人生観を垣間見ることができる発言が小説の中に幾つも出てくる。 読後は前回同様、ポカポカした生温い優しさに包まれた。希望、勇気、そんなものを送ってくれ...
村山さんの作品は「星々の舟」に次いで2作目。村山さんは人物描写に強みを持つ作家だと思う。言葉で表すのが難しい内面の複雑な想いだとか、人生観を垣間見ることができる発言が小説の中に幾つも出てくる。 読後は前回同様、ポカポカした生温い優しさに包まれた。希望、勇気、そんなものを送ってくれる。 本書では、都会育ちの主人公祐介が失恋(この言葉だけでは不十分だとは思うが)のショックから逃げるように、田舎での生活を始め、そこでたくさんの人達と出会い逞しく成長していく過程が綴られる。 いくつか強引すぎるとも言える設定があるけれど、特に気にならずに読み進めることができるだろう。 登場人物が見せる「個性」にも注目してほしい。園主、瞳子さん、花綾ちゃん、美里ちゃん、源さん、茂市つぁん、桜ちゃん、智恵子さん。ここに挙げただけでもかなりの登場人物がいるが、誰一人としておざなりに描かれず、誰もが物語を支える立派なキャラクターとして自立している。
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下巻。続きです。 主人公の祐介や瞳子だけじゃなくて、茂市つぁんや桜ちゃん、母親などサブキャラのことも細かく描かれてて色々と考えさせられた。 お兄さんと由美子さんは・・・って感じでした。 最後の瞳子さんと祐介の関係がうふふって感じです。 なんだか読んだあとに爽快感というか、...
下巻。続きです。 主人公の祐介や瞳子だけじゃなくて、茂市つぁんや桜ちゃん、母親などサブキャラのことも細かく描かれてて色々と考えさせられた。 お兄さんと由美子さんは・・・って感じでした。 最後の瞳子さんと祐介の関係がうふふって感じです。 なんだか読んだあとに爽快感というか、心が温かくなる感じがしました。 村山由佳だよなって作品。 やっぱり年上の女の人と年下男の子だもんね。
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田舎暮らしを中心に描く〈上〉とは変わり、人間関係を描く〈下〉。〈上〉で好きになった登場人物の各話題に入っていく展開で読者を惹き込む。 Every cloud has a silver lining. いいことあるさ!!そんな気楽な気持ちで物語はつづく。 つらいときでも新しい環...
田舎暮らしを中心に描く〈上〉とは変わり、人間関係を描く〈下〉。〈上〉で好きになった登場人物の各話題に入っていく展開で読者を惹き込む。 Every cloud has a silver lining. いいことあるさ!!そんな気楽な気持ちで物語はつづく。 つらいときでも新しい環境、出会いが励ましてくれると思いたい。
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宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち・・・人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度、誰かを愛せる日は来るのだろうか──。 下巻まで通して読んで、...
宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち・・・人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度、誰かを愛せる日は来るのだろうか──。 下巻まで通して読んで、心の琴線に触れるシーンがたくさんあった。 人は誰しも人に言えないものを抱えているけれど、だからこそ人生は美しいし、人の痛みがわかる人間になれるのだと、祐介や花綾、桜の姿を通して教えてもらったような気がする。 この物語に登場する人たち全員が、それぞれに成長していく姿に勇気と感動をもらった。素晴らしい小説だった。
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