坂の上の雲(2) の商品レビュー
帝国主義真っ盛りの19世紀の世界観がリアルである。最初に読んだ時は若年のため、19世紀の当事国目線でしか物語が見えなかったが、歳を重ね知識や経験値が増えたことで、歴史が現在につながることや、その国の現在の価値観がどのように紡がれてきたのかを考えながら読み進められる良書に思えた。...
帝国主義真っ盛りの19世紀の世界観がリアルである。最初に読んだ時は若年のため、19世紀の当事国目線でしか物語が見えなかったが、歳を重ね知識や経験値が増えたことで、歴史が現在につながることや、その国の現在の価値観がどのように紡がれてきたのかを考えながら読み進められる良書に思えた。特に貧窮する国力において、知恵と展望を極めて合理的に導き出して、僅かな辛勝を得た日露戦争の体験が、後の昭和期の滅亡につながるという皮肉を感じられた。 時代に適応した特性の民族が、その時代の主役になり得るという本書の視点から、維新から明治にかけての日本の勃興を噛み砕いて納得出来た。
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この本は仕事をしていく上でとても参考になった。 1つめ、真之の情報集約方法。真之は様々な書籍から情報を仕入れ、それを自分なりに集約し考えを纏めていく。これは仕事の進め方として参考になる内容でした。しかも書籍を全て覚えておくのではなく、数行でいい、それについては安心しました。私は結構忘れっぽいので笑 2つめ、好古の交渉能力。難し目の交渉でも大きな態度で、場合によぅては愚者を演じて半ば強引に交渉する。案外行けてしまうものもあるので、この強引さは多少なりまねしていきたい。 3つめ、それぞれが思惑を持って行動しているので、どうしてそうなったのか妄想を広げること。 日露戦争は教科書ではたった数行かもしれないけど、開戦だけでもこれだけの人や国家の思惑が動いている。当たり前のことだけど、改めて実感しました。 当日(今も?)のロシアの考え方や英国の思惑など、ステークホルダーを知ることでどうしてこうなったのか、を考え対処することは仕事においても大事だと思いました。 読み始めるまでは腰が重かったけど、一気に読めた面白い本でした。
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正岡子規の俳句、文学を通した日本の思想、ロシア、欧米と中国、朝鮮半島の領地を巡る外交施策、その中で近代化を目指す日本。中々読みにくいが、明治維新後、帝国主義に至る日本がよくわかる
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日本が最も熱かった時代、明治。先進国に追いつけ追い越せという風潮の中で経験した日清、日露という二つの戦争。中でも日露戦争について同時代を生きた2人の軍人の兄弟と1人の俳人の人生を通じて同時代を鮮やかに描き出す。言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。詳細→http://takeshi3...
日本が最も熱かった時代、明治。先進国に追いつけ追い越せという風潮の中で経験した日清、日露という二つの戦争。中でも日露戦争について同時代を生きた2人の軍人の兄弟と1人の俳人の人生を通じて同時代を鮮やかに描き出す。言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou23903.html
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男にとって必要なのは、若い頃には何をしようかということであり、老いては何をしたかということである。秋山好古 質問の本意も聞かすにべんじたてるのは、政治家か学者の癖だ。軍人は違う。軍人は敵を相手の仕事だから、敵についてその本心、気持ち、こちらに求めようとすることなどを明らかにして...
男にとって必要なのは、若い頃には何をしようかということであり、老いては何をしたかということである。秋山好古 質問の本意も聞かすにべんじたてるのは、政治家か学者の癖だ。軍人は違う。軍人は敵を相手の仕事だから、敵についてその本心、気持ち、こちらに求めようとすることなどを明らかにしてから答える、そういう癖を平素から身につけておかねば、いざ戦場に臨んだとき、一般論の虜になったり、独善に陥り、負けてしまう。秋山好古 子規はひとよりも倍の速度で成長していたし、それだけにかわりかたも激しかった。そこへゆくとあまり代わり映えせぬ真之からみれば、どうも軽率なような感じもしたし、同時に一個の多彩な光体を眺めているような眩さも感じた、 俳句はよみあげられたときに決定的に情景が出てこなければならない。つまり、絵画的でなければならず、さらにいうなれば写生でなければならない。正岡子規は
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日清戦争から始まり、ロシアの露骨な極東における南下政策に至る理由と背景まで。秋山兄弟よりも、正岡子規の壮絶感の方が濃く描かれている印象。 やはり、司馬遼太郎作品は読み始めると嵌まっちゃう。(^_^ゞ
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前半は弱体化していた清を日清戦争で追い詰め、日本の存在を世界へアピールするところ。そのあと正岡子規は亡くなり、満州がロシアにとられ、ロシアの力がどんどん強くなる。 そして日露戦争。ロシアの帝国主義に追い詰められ、日本の存続を賭けてぎりぎりまで出せる力をふりしぼってはじめた防衛...
前半は弱体化していた清を日清戦争で追い詰め、日本の存在を世界へアピールするところ。そのあと正岡子規は亡くなり、満州がロシアにとられ、ロシアの力がどんどん強くなる。 そして日露戦争。ロシアの帝国主義に追い詰められ、日本の存続を賭けてぎりぎりまで出せる力をふりしぼってはじめた防衛戦だった。 全員が、日本に勝つ見込みはないと思って開戦を決めた。 しかし日露戦争前のロシアは帝国主義熱に侵され、日本を正しく分析できていなかった。日英同盟成立。広瀬武夫の正確なロシアの分析。そして戦略家たち。様々な要因が日露戦争の勝利に繋がったのだろうが、2巻では誰もが日本は負ける。5分5分がやっとだろうという絶望的な状況にいる。 しかし海軍だけは明るかった。山本権兵衛「日本の軍艦の半分は沈める。人も半分殺す。そのかわり、残る半分をもってロシヤの軍艦を全滅させる」 高校の日本史でやったけど、こんなに様々な想いがあったのだと改めて知った。
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これは、小説ではない。 好古・真之・子規という個人に焦点をあてながらも、欧州列強を取り巻く国際状況の概説から、列強諸国の成立過程までも含みながら、青年国家日本の“青春”を描き出すノンフィクションといっていい。 この時代は、青年一人ひとりが自らの成長を果たすことそのものが、日本の...
これは、小説ではない。 好古・真之・子規という個人に焦点をあてながらも、欧州列強を取り巻く国際状況の概説から、列強諸国の成立過程までも含みながら、青年国家日本の“青春”を描き出すノンフィクションといっていい。 この時代は、青年一人ひとりが自らの成長を果たすことそのものが、日本の成長に繋がっている。子規も病魔がなければ、もっと別な形で日本の青春に寄与していたに違いない。従軍記者として、それこそ司馬氏の本書がより豊かになるような記事を書いていたかもしれない。そう考えると、彼が俳句論の完成に賭けた情熱の度合いも理解できる気がする。 また、真之や漱石など、海外にその活躍の場を広げた友人をうらやむ気持ちを思うと、とてもやるせない。
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子規の生涯が終わった。 当時の日本は日露戦争にひとりとして勝つつもりなく、戦争に突入していったことがわかる。 司馬さんの分析力というか、研究力に脱帽。。。 これの古いバージョンをAUK uniの図書館で借りて読んだ。
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一度読んだら止まらない。 本書の中でも重要な人物である秋山兄弟のキャリアパスというものに多く記述が割かれております。 バルチック艦隊を破った日本海海戦の戦略を米西戦争から学ぶ秋山真之 ロシアのコサック部隊に対する騎兵部隊を築いた開祖である好古 彼らがなぜ歴史の中でそ...
一度読んだら止まらない。 本書の中でも重要な人物である秋山兄弟のキャリアパスというものに多く記述が割かれております。 バルチック艦隊を破った日本海海戦の戦略を米西戦争から学ぶ秋山真之 ロシアのコサック部隊に対する騎兵部隊を築いた開祖である好古 彼らがなぜ歴史の中でその大役を果たせたのかがその軍歴から明らかになってきます。 自分が中学生の時には日露戦争は辛くも勝利と習ったが、これが奇跡に近い偉業であったことが戦争前の話から窺えます。 戦争にならないように最善の道を模索するもやむない開戦を迎えるわけだが、これが 太平洋戦争と違うのは当時の軍人達の緻密な分析にあると言えます。 精神論ではなく物量や技術レベル、敵の内情偵察などをしております。 時代の違いは人間の違いを生み出しているのだと思います。国が不安定な状態にあるからこそ1人1人が自分の職務を全うしようとする思いがあるのでしょう。 またこの当時の大学等に通う人達の勉強量は見習わなくてはならないと思いました。
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