アジアンタムブルー の商品レビュー
『パイロットフィッシュ』に引き続き・・・山崎と葉子のニースでの最後の日々が切ない。でも、こんなふうに人生の終焉を迎えることができたら・・・。残される方がいつも辛い。それでも人は生きていく。想い出があれば、人は生きていける。まわりの人々の優しさに心打たれる。
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恋人の死を受け入れ、前に進もうという過程は、よくある題材かもしれないけれど、水たまりのような透明感に涙が溢れた。
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泣ける小説として勧めてもらったのだけれど、途中までは泣けるとは思えなかった。 でも「優しい人でいて」辺りから泣けてきて、結局最後まで泣きながら読んでいた。
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山崎の物語三部作の最初の一冊(らしい)。 山崎の中学生・高校生時代と、恋人である水たまり写真家、葉子との最後の日々、そしてそれ以降。 死にゆく人の形容しがたい物質的な軽さ、非物質的な重さと、最後まで一緒に過ごすことを引き受ける主人公山崎の凄みに心が動く。
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水溜りの写真展に飾られた最後の一枚の写真、涙を誘いますね。アジアンタムブルーに象徴される葉子と暮らした日々が、山崎をばらばらにして、前半の憂鬱な日々に繋がってゆく。(あれ?前半の憂鬱な日々の方がアジアンタムブルーなのかな?)最愛の人を亡くしたら、そりゃ誰だって凹みますよ。自分を見...
水溜りの写真展に飾られた最後の一枚の写真、涙を誘いますね。アジアンタムブルーに象徴される葉子と暮らした日々が、山崎をばらばらにして、前半の憂鬱な日々に繋がってゆく。(あれ?前半の憂鬱な日々の方がアジアンタムブルーなのかな?)最愛の人を亡くしたら、そりゃ誰だって凹みますよ。自分を見失うでしょう。でも生きている人間は普通の生活を続けてゆくしかないんですよね・・・いつか死ぬ日までその人への想いを心のすみに残して。
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カフェでアイスコーヒーにガムシロップを注いでたらたらとカラメルのような甘くて苦い味を感じながら読んだ。 どうにもならない空虚感と欠落感を持ち合わせている、恋人を亡くした主人公。彼の半生を女性とのエピソードを交えながら進む彼女が亡くなるまでのストーリー。 静かにでも確実に死は近づい...
カフェでアイスコーヒーにガムシロップを注いでたらたらとカラメルのような甘くて苦い味を感じながら読んだ。 どうにもならない空虚感と欠落感を持ち合わせている、恋人を亡くした主人公。彼の半生を女性とのエピソードを交えながら進む彼女が亡くなるまでのストーリー。 静かにでも確実に死は近づいていて、彼の無力さが痛いほど伝わって読むのが辛いときもあった。 アジアンタムに水をあげる。=自分のことだったのかと。
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※参考記事(『九月の四分の一』レビューより、大崎作品に対する感想) http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-389.html
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大崎善生さんを好きになった切っ掛けの本。とても綺麗で、けれど生々しい文体がとても好きです。フランスの田舎に行きたくなったり、水たまりを見てみたり、アジアンタムを育ててみたり。そんな日々を過ごしたい。 結末は分かっていても、ひたすら泣けます。
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恋愛小説かぁ…と思いながら読み始めたけど、何故今こういう状況なのかということが、ミステリーのように次々と解き明かされるのが心地よかった。 それにしても、これも阿部寛で映画になってるのか。阿部寛だらけだな。好きだけどさ。
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途中から、癌患者の話か、とわかり、 ああ哀しい話じゃないか、嫌だな、とおもったのですが ラストシーンには危うく嗚咽がでそうになるほど泣けていました。さらっと読むつもりだったのに。 水溜まりの写真(そこに写りこむ風景)ばかり取り続ける葉子。孤独な中でも強く生き抜こうとする透明感のあ...
途中から、癌患者の話か、とわかり、 ああ哀しい話じゃないか、嫌だな、とおもったのですが ラストシーンには危うく嗚咽がでそうになるほど泣けていました。さらっと読むつもりだったのに。 水溜まりの写真(そこに写りこむ風景)ばかり取り続ける葉子。孤独な中でも強く生き抜こうとする透明感のある葉子の姿はとても愛しかったです。 鳥の描写や、熱帯魚の描写も心洗われて、素晴らしかった。 先入観なく読んで欲しいような作品だと思いました。
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