此処 彼処 の商品レビュー
一つ一つの章の、作者の様々な場所に関わる記憶を、人生の縁とも捉えられるエッセイ。はじめて場所のことを書かれたとのこと(2005年)。 場所が全て違うからか、新鮮で、状況をイメージ出来て面白かった。まるで、目の前で語られているように感じてしまった。 大変おこがましいが、自分もそうだ...
一つ一つの章の、作者の様々な場所に関わる記憶を、人生の縁とも捉えられるエッセイ。はじめて場所のことを書かれたとのこと(2005年)。 場所が全て違うからか、新鮮で、状況をイメージ出来て面白かった。まるで、目の前で語られているように感じてしまった。 大変おこがましいが、自分もそうだと思った章、どきっとしたり、意外だった章、息子さんとのやり取りではほっこりしたり。新婚旅行のお話が印象に残っています。10円を一枚一枚投入した、電話ボックスとか。記憶の隅にあるその場所は今でも覚えている。 自分の居場所について、改めて考えた。 大切な時が、大切だったと知るのは、いつだってその時が、遠く過ぎ去ってから。ほんとに、そんな気持ちになれた。
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場所に関するエッセイ。 テーマの決まったエッセイというのもおもしろくっていいな。 川上弘美さんのことが好みなだけかもしれないけれど。ふふふ。
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場所にまつわるエッセイ。 豆の話が印象的です。豆ごはんを食べる回数が決まっているなんて ( ´艸`) かく言う私も、たけのこご飯だけは食べる回数が決まってるかも。 川上さんの文書はなんだかほっこりして好き。でもエッセイより、短編集の方が好きかな。
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本書のテーマは自分の場所である。 それは、浅草、鶴巻温泉、銀座、琵琶湖といった地理上の場所であったり、 近所のマーケット、好きな居酒屋、好きな旅館、好きな抜け道、好きなお花見の場所、思い出の大学寮、電話ボックスといった著者が「属している(いた)」と思われる場所であったり、 新婚...
本書のテーマは自分の場所である。 それは、浅草、鶴巻温泉、銀座、琵琶湖といった地理上の場所であったり、 近所のマーケット、好きな居酒屋、好きな旅館、好きな抜け道、好きなお花見の場所、思い出の大学寮、電話ボックスといった著者が「属している(いた)」と思われる場所であったり、 新婚旅行で訪れた地や思わぬ拾いモノ(誰かの臼歯、骨董のメガネフレームなど)をした場所であったり。 。・゜*・。 ・゜*・。 ・゜*・。・゜*・。 H26.1.24 読了 川上弘美のエッセイは好きだけれど、このエッセイはあまりのめり込めなかった。。。 本人があとがきで書いているように、特定の場所を明記することでイメージが固定されてしまい、それによっていつものゆるゆるふわふわな雰囲気を感じられなかったからかもしれない。 でもマダガスカルは、すごくすごく、好きだった。
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川上弘美さんのエッセイは好きだ。もちろん小説も。 多くの作家さんは、小説も書き、エッセイも書いているが、両方読む作家さんは、村上春樹さんと川上弘美さんくらいか。 それくらい、好きなのである。 エッセイはエッセイで不思議な日常が描かれている。 「え」。「あ」。 何回か出てくる...
川上弘美さんのエッセイは好きだ。もちろん小説も。 多くの作家さんは、小説も書き、エッセイも書いているが、両方読む作家さんは、村上春樹さんと川上弘美さんくらいか。 それくらい、好きなのである。 エッセイはエッセイで不思議な日常が描かれている。 「え」。「あ」。 何回か出てくるこの言葉。いいですね。 そして、無性に居酒屋に行きたくなります。
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大好きな川上弘美さん。 持っていることばが、すてき。 ころころ、するする、ほわん。そんな不思議な擬音が似合う。 覚えておきたいフレーズが、ふっとあらわれる。ふいうち。
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場所に関するエッセイ。川上さんの文章が好きだー。くせのない文章。分かる~って共感できるところが結構ある。 「大手町」の中の話。仕事中は“ワタクシは~”って言ってた会社員がプライベートで“おれ”へ一転したところに色っぽさを感じる、と。こういうの私も好きです。
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「神様」「センセイの鞄」の作者ならではの、 ほんわりしたエッセイ。 だからといって、きどっているのではなく ありのままの言葉を綴っているように思う。 すごくいい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
川上弘美さんの昔を少し知ることが出来る本。 「カラスの鳴き声が聞こえてくる。寒い。淋しい。蛸よ蛸。祈りに似たもの。でも祈りではないもの。やがて本当の覚醒がやってくる。なめらかに夜が明けはじめる。」
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月ごとに、世界中のいろんな場所と川上弘美のエッセイ。 昭和33年生まれの川上さんが子どもの頃に見た、 大人になってかつてみた街の景色を、 にゃらりにゃらりと、 少し色褪せた写真を眺めるような文体で描く。 箸休めに最適。
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