十八の夏 の商品レビュー
十八という数字に惹かれました。 主人公が十代後半~二十の小説はつい読んでしまいます。 短編集だったのですがどれも結構楽しめる内容でした。 日本推理作家協会賞らしいです。 連作ミステリー、らしいです。 …え?連作??ミステリー??? どこがそうだったんだろう……(ちゃんと読んでるの...
十八という数字に惹かれました。 主人公が十代後半~二十の小説はつい読んでしまいます。 短編集だったのですがどれも結構楽しめる内容でした。 日本推理作家協会賞らしいです。 連作ミステリー、らしいです。 …え?連作??ミステリー??? どこがそうだったんだろう……(ちゃんと読んでるのかこいつ)
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植物をテーマにした連作集。表題作の朝顔と最後のキョウチクトウが暗いミステリーなのに対して、間に挟まった2つの短編がほのぼのとしたハートフルな作品。並びも作品全体のいいアクセントになっている。トイレの匂いが幸せの香りに早変わりという二番目の短編が一番のお気に入り。金木犀の花と一緒に...
植物をテーマにした連作集。表題作の朝顔と最後のキョウチクトウが暗いミステリーなのに対して、間に挟まった2つの短編がほのぼのとしたハートフルな作品。並びも作品全体のいいアクセントになっている。トイレの匂いが幸せの香りに早変わりという二番目の短編が一番のお気に入り。金木犀の花と一緒に匂いまで漂ってきそうな温かさがあった。
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短編集です。 とてもとても…好きだ! (こんなところで告白) とにかく光原さんの描く風景が綺麗です。 表題作「十八の夏」はキラキラと川が光に反射して輝く。主人公である青年がジョギングをしながら観る風景はとても綺麗な1枚の風景画のように描かれているのだけど、ふいにその中にいる女性が倒立をする。一気に主人公の世界と風景画の世界が近づく。 小さな日常の幸せを描きつつも、その背景にある2人が隠すそれぞれの事情。 最後はすこし寂しいけれど、でもとても爽やかで気持ちがよかった。 2作目の「ささやかな奇跡」は桜がふわふわと散っていく合間を通り抜ける柔らかな光、がわたしのイメージです。 名前に『光』が入っているからか、つい、映像でお話を感じてしまいました。 「明日香ちゃんち、便所のような匂いがした」 という太郎くんの台詞を聞いてショックを受けてしまったわたし。まだまだ子どもだと思っていたけれど、いつの間にか大人になっていたようです。 この台詞の持つ意味は実際に読んで見てください! 3作目は「兄貴の純情」 太陽がサンサンと輝くような、とってもたのしい。そして優しいお話です。 そして最後は「イノセント・ノイズ」 光の届かない真っ暗闇。 最後は間に合ってよかった。本当に間に合ってよかった。。。 子どものやることに意味のないことなんて、ない。 だから大人は鈍感でなんていられないし、目を背けることはできない。 先生みたいな人ばっかりじゃダメだけど、先生は救いにもなる。 本当に、よかった・・・。 この本、ほんと良かった! わたしに合っていたようです 繰り返し繰り返し読みたいと思います。
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花をキーアイテムとした短中編集. 登場する花は本当に身近に咲いている花ばかりです. 内容自体は突拍子もないモノや心温まるものなど色々ありました.情景は暗くなりすぎず温かく包み込むように描かれていて素敵でした.
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本屋にてたまたま手にとって買った本。 短編集で4つのお話が入っているがどれもなかなか面白い。 テレビでやっていて思い出した。 「兄貴の純情」の兄貴がだいぶお調子者。 話の内容的には全然違うのだが、植物に関するお話でまとまっているように思う。 色々な恋愛が全面にでている作...
本屋にてたまたま手にとって買った本。 短編集で4つのお話が入っているがどれもなかなか面白い。 テレビでやっていて思い出した。 「兄貴の純情」の兄貴がだいぶお調子者。 話の内容的には全然違うのだが、植物に関するお話でまとまっているように思う。 色々な恋愛が全面にでている作品。 ドロドロもしているが、全体的に甘酸っぱい感じ。
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花をモチーフにした連作ミステリー。「十八の夏」は哀しい恋のミステリー。「ささやかな奇跡」はミステリーぽさはなく、大切な人を失う悲しみと新たな出会いが爽やかに描かれている。「兄貴の純情」は芝居好きの兄貴の話。これもミステリーぽくなく兄も弟もそれぞれの立場で頑張れと言いたい。「イノセ...
花をモチーフにした連作ミステリー。「十八の夏」は哀しい恋のミステリー。「ささやかな奇跡」はミステリーぽさはなく、大切な人を失う悲しみと新たな出会いが爽やかに描かれている。「兄貴の純情」は芝居好きの兄貴の話。これもミステリーぽくなく兄も弟もそれぞれの立場で頑張れと言いたい。「イノセント・デイズ」は殺人ばかりで気分がわるくなる。塾の先生一家の誠実さで救われる。
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さわやかに心温まる短編集だった。個人的には『ささやかな奇跡』が好き(・∀・)『イノセント・デイズ』はシリアスの中にも温かいものがあるなぁと思います。
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「恋しくて恋しくて、その分憎くて憎くて、誰かを殺さなければとてもこの気持ち、収まらないと思った」—切なすぎる結末が、最高の感動をよぶ物語。第55 回日本推理作家協会賞を受賞し、「2003年版このミステリーがすごい!第6位」にもランクインをした珠玉の連作ミステリー、待望の文庫化。
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短編集。どれも良い話でした。表題作はもとより、「ささやかな奇跡」が特にお気に入り。子供って純粋なんですね。優しい気持ちになれます。
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何かの賞を取ったらしい表題作「十八の夏」も佳作だと思うが、2番目に収載されている「ささやかな奇跡」は傑作。こちらはなんだか賞を取りそうなぎりぎりした緊張感はないし、まさに「ささやかな」お話ではあるから、この著者の代表作にはならないのかもしれないが、登場人物とその科白がいちいち気持...
何かの賞を取ったらしい表題作「十八の夏」も佳作だと思うが、2番目に収載されている「ささやかな奇跡」は傑作。こちらはなんだか賞を取りそうなぎりぎりした緊張感はないし、まさに「ささやかな」お話ではあるから、この著者の代表作にはならないのかもしれないが、登場人物とその科白がいちいち気持ちよい。そんな文章、なかなか書けるものではない。長編小説になればなるほど、次のステップのために読むだけの数ページ、という部分がありがちだが、この短編はどの数行をとっても存在感がある。小説は気持ちよくなるために読みたい私にとっては大ストライクだし、珍しく何度も読み返した作品である。
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