村田エフェンディ滞土録 の商品レビュー
神様同士が喧嘩してるとこが好き。 梨木さんの神様の捕らえ方って独特で好きだな〜。 かわいいのにちょっぴり悲しい。
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スタンブールで国や人種を超えて育っていく友情、いやもっと深い愛情に支えられた暮らしの記録。この滞土録は『私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない。』このキーワードで成り立っている。「家守綺譚」とリンクすることが後半に入ってから見受けられる。
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「私は人間だ。およそ人間に関わることで、私に無縁なことは一つもない」 それが異なる国、文化、宗教、思想の下であっても。 「家守奇談」と同じ世界、ただし裏っ側での物語です。 綿貫や高堂の友人でもある学士(=エフェンディ)村田がトルコに留学している間の、神と友情の話。 考古学者という...
「私は人間だ。およそ人間に関わることで、私に無縁なことは一つもない」 それが異なる国、文化、宗教、思想の下であっても。 「家守奇談」と同じ世界、ただし裏っ側での物語です。 綿貫や高堂の友人でもある学士(=エフェンディ)村田がトルコに留学している間の、神と友情の話。 考古学者ということで学術的な歴史やら宗教やら民族やらの話は少し難しく、家守的なほのぼのファンタジーではありません。 淡々とした雰囲気は同じなんですが、家守より現実的なんですね、話自体が。トルコという舞台がそう見せないだけで。 若干はリンクしてますが、別物として読んだほうがより楽しめるかと。 下宿仲間との交流や異国の地ゆえの葛藤など、読んで損はないです。 なんかね、村田を含めみんないい人なんですよね。 お互い国も宗教もバラバラなんだけど、認められない部分もあるんだけど、でもそこにはちゃんと友情があって。 暖かい想いみたいなのが感じられて、大の大人が雪遊びしてる話とか笑ってしまいました。 でもラストには厳しい現実も待ってる。 そこから目を離すわけにはいかないけれど、でも、その優しい空気も忘れちゃいけないと思うんです。 どんな人も、出来事も、自分と無縁ではありえない。 上記のディミトリスの「私は人間〜」っていう台詞にこの作品の全てが詰まっている気がします。
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土耳古へ留学した村田が記した異国での日々。下宿先では不思議なことが日常的に受け入れられ、他の国の留学生との交流があり、最後に知り合った人々の消息が描かれるところは胸がいっぱいになった。
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こんなパソコンなんかなかった明治の時代、 土耳古への留学生、村田のお話です。 以前住んでいたマレーシアを思い出します。 どちらもイスラムの国で、 どちらも多民族・他宗教がせめぎあいつつ、 なんとか均衡を保って共存している。 自分とは違うものやことに対して、 理解...
こんなパソコンなんかなかった明治の時代、 土耳古への留学生、村田のお話です。 以前住んでいたマレーシアを思い出します。 どちらもイスラムの国で、 どちらも多民族・他宗教がせめぎあいつつ、 なんとか均衡を保って共存している。 自分とは違うものやことに対して、 理解はできないけど容認はする、という 作者がいろんな作品で繰り返してきた姿勢が その均衡には現れていると思います。 後半大きく動く時代の波の中で、 登場人物それぞれの境遇も変っていき、 最後わたしは淋しくなって泣いてしまいましたが 残ったのは年取った鸚鵡と その言葉だけではないのだということは しっかりわかります。 前作?「家守綺譚」で主人公だった綿貫が、 この本の中で言う言葉 「歴史というのは、物に籠もる気配や思いの集積なのだよ、 結局のところ。」 ということと繋がっていると思います。 とはいえ、全然難しい主義主張の本ではなく とても繊細でゆったりした、青春の物語でもあります。 子連れで8年住んだマレーシアも わたしには青春の物語だったのかなぁと 彼の地のあれこれがとても懐かしくなりました。 文庫化したら「家守綺譚」とセットで 友達にプレゼントしまくる、と思います。
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いろんな意味で(個人的に)印象深い本.「私は人間だ.およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない」
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明治の時代?トルコにおける日本人の日記風なお話。人と人は付き合えて国と国とはどうして難しいのだろうなぁ。 高堂さんと綿貫さんが出てきたときは嬉しかった。
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家守綺譚の綿貫さんの友達村田さんの物語。色んな国の登場人物達は、村田さんの視点から総じて温かな視線で語られています。だからあのオウムの言葉が切ない。
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異なる文化。おなじ人間。異国の地トルコにて、それぞれ国籍を別にする男女(と鸚鵡)が一つ屋根の下で生活を共にする。梨木作品には珍しく(?)登場人物の多くが男性だが、独特の細やかさは失われていない。ラストまで味わいながら読める作品。
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なんだか難しそうなタイトルですが滞土録の「土」はトルコ(土耳古)、「エフェンディ」は学問を修めた人に対する敬称、つまり100年前にトルコに留学した村田君の滞在記です。下宿屋で他国の若者たちとともに古代研究への夢を語り、不思議な体験をする村田。文章も古い表記や表現をとっているので最...
なんだか難しそうなタイトルですが滞土録の「土」はトルコ(土耳古)、「エフェンディ」は学問を修めた人に対する敬称、つまり100年前にトルコに留学した村田君の滞在記です。下宿屋で他国の若者たちとともに古代研究への夢を語り、不思議な体験をする村田。文章も古い表記や表現をとっているので最初は読みづらいかもしれませんが、トルコの風景や、当時の時代の空気を感じながら、ゆっくり読んでみてください。
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