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ファスト風土化する日本 の商品レビュー

3.3

42件のお客様レビュー

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2021/05/19

「ファスト風土」という言葉は流行りませんでした。 「ファスト風土」とは、地方都市の個性が無い同じような風景のことです。著者の造語ですが、この言葉は結局流行りませんでした。 地方の道路整備で車社会が進展すると地域社会が流動化します。そのため人のつながりが希薄化し、犯罪発生率が増加す...

「ファスト風土」という言葉は流行りませんでした。 「ファスト風土」とは、地方都市の個性が無い同じような風景のことです。著者の造語ですが、この言葉は結局流行りませんでした。 地方の道路整備で車社会が進展すると地域社会が流動化します。そのため人のつながりが希薄化し、犯罪発生率が増加するという仮説です。いろいろな事例を挙げて仮説の立証を試みていますが、どうも机上の空論のような部分もあって、「本当かな」と思う部分も多かった。最近は日本社会の危機感を煽る新書が多いですが、この本もその一冊です。

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2010/05/28

[ 内容 ] のどかな地方は幻想でしかない!地方はいまや固有の地域性が消滅し、大型ショッピングセンター、コンビニ、ファミレス、カラオケボックス、パチンコ店などが建ち並ぶ、全国一律の「ファスト風土」的大衆消費社会となった。 このファスト風土化が、昔からのコミュニティや街並みを崩壊さ...

[ 内容 ] のどかな地方は幻想でしかない!地方はいまや固有の地域性が消滅し、大型ショッピングセンター、コンビニ、ファミレス、カラオケボックス、パチンコ店などが建ち並ぶ、全国一律の「ファスト風土」的大衆消費社会となった。 このファスト風土化が、昔からのコミュニティや街並みを崩壊させ、人々の生活、家族のあり方、人間関係のあり方もことごとく変質させ、ひいては人々の心をも変容させたのではないか。 昨今、地方で頻発する不可解な犯罪の現場をフィールドワークしつつ、情報社会化・階級社会化の波にさらされる地方の実情を社会調査をもとに探り、ファスト風土化がもたらす現代日本の病理を解き明かす。 [ 目次 ] 第1章 のどかな地方は幻想である 第2章 道路整備が犯罪を助長する 第3章 ジャスコ文明と流動化する地域社会 第4章 国を挙げてつくったエセ田園都市 第5章 消費天国になった地方 第6章 階層化の波と地方の衰退 第7章 社会をデザインする地域 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/01/31

今地方の街並みがどんどん均一化していっている。どこにでもあるファーストフード店のように地方の街並みに個性がなくなっていってる。人々の心が荒んでいってしまっているような恐ろしさを感じた。

Posted byブクログ

2010/01/02

移動手段の高速化と犯罪増加との相関関係について論じた部分は非常に興味深かったと思う。この本で三浦氏が言わんとしていることは正論だと思うが、一方で論理の破綻や調査が不十分な箇所も散見され、論の煮詰め方が甘い印象を受けた。

Posted byブクログ

2009/12/15

郊外の均一化。確かにどこの地方に行ってもバイパス沿いはどこも変化がない。ジャスコはどこにでもあるし。地方は東京からみた"地方"であって、いまや昔の"地方"らしさがなくなっているんだろうな、と。

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2009/11/26

ファスト風土とは幹線道路の左右にロードサイド店舗が並んでいる風景のことで、主に地方にある。 2004年に刊行された本だから、その問題意識はすでに一般的なものになっていて、地方の危機という考えは共有されていると思う。でも、これといった建設的な議論があまりないのは、地方の変化がある...

ファスト風土とは幹線道路の左右にロードサイド店舗が並んでいる風景のことで、主に地方にある。 2004年に刊行された本だから、その問題意識はすでに一般的なものになっていて、地方の危機という考えは共有されていると思う。でも、これといった建設的な議論があまりないのは、地方の変化がある意味自然なものだから。そして、それに対応して都市への集中も自然なものだから。  人が集まるからこそ街ができるわけで、自動車が移動手段になっていると、そもそも人の塊ができないのだ。人の塊ができないと第3次産業は成立しにくいわけで、そうなるとどうしても都市から取り残されてしまう。テレビから流れる東京の最新情報を田舎にいながら見る(地方にも流れているのに、東京の情報ばっかり)、それでは、都市に人が集まるのは当たり前だ。  地方で「働く」の需要と生まないかぎり、結局都市化が進むだけだとおもう。そのためには、地方ってスバライプロパガンダを繰り返さないと。 田園都市の結果がファスト風土だとは面白い発想だ。

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2009/10/27

全体としては筆者の主観ばかりが目に付き、持論に対して具体的な根拠に乏しいように感じる。 ただ都市の構造が犯罪の助長に関係しているというのは、全面的にではないものの個人的に納得できる。 都市社会学系の本はあまり読んだ事がなかったので、新鮮だった。

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2009/10/08

メモ TVで等で人々の物欲が刺激されて、利益誘導政治がその背中を押して、気づいたらどこもかしこもお互いのコピーのようになっている「郊外」。消費社会の果ては都市部でなく郊外にあった。その土地固有の歴史や人々や生活がどんどん消えていく。希薄な関係しか作らない「買う」「消費する」から、...

メモ TVで等で人々の物欲が刺激されて、利益誘導政治がその背中を押して、気づいたらどこもかしこもお互いのコピーのようになっている「郊外」。消費社会の果ては都市部でなく郊外にあった。その土地固有の歴史や人々や生活がどんどん消えていく。希薄な関係しか作らない「買う」「消費する」から、人と人の交流を産む「使う」「関与する」へ。街も人もありかたを考え直すべき。 シャッター商店街を見て切なくなってる暇があったら、イオンとかアウトレット行かずに近所の個人商店でモノを買えばいい。安売りしてないし、ポイントないし、品揃え悪いけど、でもそこで買おうとする行為が街へのコミットメントだと思う。価格コムチェックして、大手量販店回ってすっごく値切れたよ!っていうのを聞くたびにすごいやるせない。消費社会です。

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2009/10/04

「地方を殺すな」のイントロ文を書いていた三浦展氏の著書。 「ファスト風土」論の入門書とも言える作品。 ファスト風土の背景、現在まちづくり論に潜んでいる罠を痛烈に書いている。 以下、読書メモ -----ー- 1970年代以降のテーマ:「中央と地方との格差是正」 日本列島改造論、全...

「地方を殺すな」のイントロ文を書いていた三浦展氏の著書。 「ファスト風土」論の入門書とも言える作品。 ファスト風土の背景、現在まちづくり論に潜んでいる罠を痛烈に書いている。 以下、読書メモ -----ー- 1970年代以降のテーマ:「中央と地方との格差是正」 日本列島改造論、全国総合開発計画 =日本の中流社会・消費社会を地方の隅々まで貫徹させることを目指した政策(P135) ーーーーー 地方が地方としての土地の固有の記憶を失うこと =ファスト風土→記憶喪失の風土(P181) ーーーーー 「消費」「所有」という基礎の上に成り立つ新しい「コミュニティ」の原理について・・・ ここでいう「コミュニティ」とは(ほかによい言葉がないのでコミュニティということばを使っているのだが) 狭い意味での共同体とか地縁血縁といった意味ではない。それはむしろ「共異体」である。異なる人びとが常に出入りしながらも そこにつねに何らかのコミュニケーションが生まれ、コミットメントが生まれる場所といった意味である。 若者に人気な街・・・吉祥寺、下北沢、高円寺・・・(中略)・・・「共異体」への志向性が表れている。(P190) ーーーーー 「共異体」について 1.立体的な奥行きのある多様性が存在している(SC:平面的な多様性) 2.古いものから新しいものまで、異なる時代、異なる世代の異なる文化が重層的に存在し   街の中にそれらがモザイク的に見え隠れしているような状態(P192) 3.個人性(個人の魅力)(P195) 4.あるける街 ーーーーー 都市を「買う」「消費する」「所有する」のではなく 都市を「使う」「利用する」、そして、都市に「関与する」ことが魅力となる時代になっている(P195) ーーーーー 「スローライフ」「スロータウン」・・・言葉の誤解あり ゆっくり作ることではない・・・(中略)・・・関与のプロセスが全て開示されている点が重要なのだ。 そして、だからこそコミュニケーションがうまれる。(P199) ーーーーー スロータウン:誰がどんな気持ちで物をつくって打っているのか見える、関与のプロセスが見える街(P200) ーーーーー

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2009/10/04

三浦展:社会学部卒業 徹底的に「地方」をこき下ろしている本。 (社会学者なので、建築都市に対する提案は目にタコてきなのは、これもまた然り) 犯罪は地方の国道沿いで起きている、 そしてその近くには必ずある大型商業施設。 よってイオン、ジャスコは悪である、 なぜならば、クルマで移動し...

三浦展:社会学部卒業 徹底的に「地方」をこき下ろしている本。 (社会学者なので、建築都市に対する提案は目にタコてきなのは、これもまた然り) 犯罪は地方の国道沿いで起きている、 そしてその近くには必ずある大型商業施設。 よってイオン、ジャスコは悪である、 なぜならば、クルマで移動して、大きな建物の中で 人との(店員)とのコミュニケーションなしに、ものが消費されていく。 子供達は、消しゴム1つかうにも、イオンにクルマで運ばれて行く。 地方はいかれている、消費することしかない。 のどかな田舎。はもはや幻想である。 東京で育つ子供のほうが自然体験学習と、積極的である、 教育費では、東京と地方で差があるのに、娯楽費では大差ない。 大型商業施設のなかで、スーパーも本やも、ブランドショップも消費されて行く。 階層化を受入れ始めているのが危険。 また、小話として、過去3年の間に海外旅行に出掛けた事のある18−24歳の若者 アメリカ人:21% スウェーデン人:92% ドイツ、イギリス人:77% イタリア人:72% フランス人:67% カナダ:56% に比べると、かなり低い。 日本31% アメリカは世界で一番素晴らしい!と考えている若者が多い、 だから平気で他国を爆撃できるのだ、という俗説紹介。 日本人は、戦争の経験があるからそんなことは考えない、が、 「地方で快楽原理のみで生き、メディアに翻弄されやすい日本人が増えていく予感が。。」 という。 Jリーグを持ち、チェーン居酒屋で集う日本人が突如 「ニッポン!ニッポン!」と騒ぐプチナショナリズム。 と。 極論かもしれないが、否定できないです。

Posted byブクログ